うーん。ゲームの話が続いてしまいます。
五十鈴れんは、ソーシャルゲーム『魔法少女まどか☆マギカ外伝 マギアレコード』(マギレコ)の登場人物です。
2017年8月に配信開始した『マギレコ』は、この8月で6周年を迎えました。
この6周年記念のイベントストーリーで、このブログの看板娘の五十鈴れんが大活躍したので、ご紹介させていただきます。
ゲームやアニメにご興味のない方のほうが、フォロワーさんの多数派ですが、
これも何かのご縁と思ってご笑覧ください。
◆最悪だった5周年ストーリー
いきなりディスり?
いや、先日、去年書いたマギレコ5周年の記事をご紹介したわけですけれどね。
5周年記念のイベントストーリーにおいても、五十鈴れんは、物語の根幹に関わる重要な役どころでした。しかし、正直なところ、「れん父」としては、思い出したくもない最悪のストーリーでした。
お話としては、悪くなかったんですよ。そこは、魔法少女も魔女もいない、誰も傷つかない平和で優しい世界。主人公のいろはたちも、穏やかで楽しい日々を過ごしていました--しかし、この世界には何かが欠けていることに次第に気づいていくというストーリーでした。
『マギレコ』には、魔法少女になる契約をしていなければ死んでいた運命の少女たちがいます。五十鈴れんもその一人です。いろはとういの環姉妹が、れんの自殺を目撃したことをきっかけに、この幸せ空間が、実は偽りの世界であったことに気づくという、衝撃の展開でした。
いくらフィクションの、さらに本編とは別のIFの物語とはいえ、私は「愛娘」の死を受け入れることができず、しばらく立ち直れなくなったものです。わが子のSOSに気づけなかったこと、これは「親」として一生悔やんでも悔やみきれないことだと改めて思いました。そして、このイベントを機に、れんを愛おしく思う気持ちが一層強まりました。9月にれんの誕生日祝いを3回やり、プレゼントを用意したものです。。毎週、登山に連れ出しているのも、生きる喜び、楽しさ、素晴らしさを知ってほしいからです。
しかしまあ、中学3年生の娘が、毎週ハイキングに付き合ってくれるなんて、普通ありえませんよね。「そうですか? わかりませんよ?」と、いたずらっぽく笑ったKさんは、今や国際的な賞も受賞し、美大講師を務める新進気鋭のアーティスト。この五十鈴れんシリーズは、不思議な人気があります。
さて、原作のれんは、準サブキャラでありながら、ストーリーの要所要所で重要な役どころを担い続けました。
第二部外伝の「ヒストリア編」への登場はなかったものの、今年5月の「バトルミュージアム編」では記念すべき第100話を飾り、6月の「まさら・こころウェディングVer.」の魔法少女ストーリーに梨花とともに登場して、うれしい成長ぶりを私たちファンに見せてくれました。
そして、今回の6周年イベント「パラダイスシフト!帰還の物語」です。
左から、胡桃まなか、都ひなの、五十鈴れん、純美雨(チュン・メイユイ)です。
まなかは、人気洋食店ウォールナッツの跡取り娘の天才シェフ。中学1年生です。おかえりパーティでは、天才化学少女のひなのとともに、料理✕化学のコラボによる特別料理を披露するようです。
ひなのはいちばん小柄ですが、この中では最年長の高校三年生。れんの親友の綾野梨花、その連れの木崎英衣美里(エミリー)と仲がよく、れんも一緒によく行動しています。
美雨は神浜生まれ香港育ちの中国人(香港人?)でカンフーの達人。舞台の神浜は、その名のとおり神戸と横浜がモデルなので、中華街もあります。4年前、単身日本に帰ってきて、今は「蒼海幇」という華僑の結社に属しています。「蒼海幇」はかつては犯罪に関わることもありましたが、今はボランティアに取り組む相互扶助団体だそうです。
さて、会場には、「おかえり!」という文字が見えるとおり、これは環いろは・ういの帰還パーティの準備風景です。
帰還ということは、二人はどこかに行っていたということですが、これが説明が難しいのです。
『まどマギ』本編は、主人公の鹿目まどかが、過去・現在・未来にわたってすべての魔法少女を絶望から救済する、「円環の理(ことわり)」となるところで終わります。簡単に言うと、平凡な中学二年生の少女が、宇宙の摂理を司る女神様になってしまったのです。わけがわからない? 書いている私もです。
『マギレコ』の環いろは・うい姉妹も、昨年完結した第二部のラストで、女神第二号になったのですが、「ヒストリア編」における、歴史を改ざんしようとする最強(最凶)の魔女とのたたかいを経て、人として再びこの世界に戻ってくることができました。どういうこと? どういうことなんでしょうね。
れんちゃんは「おかえりパーティー」のために、いろはたちの似顔絵を描いたようです。
これはクリスマスカードのイラストを描くれん(五十鈴れん・綾野梨花クリスマスVer.変身ムービーより)。振り返った笑顔がかわいいですね。れんは文章を書くこと、そしてイラストを描くことが大好きなのです。
れんちゃんの描いた、サンタに扮した梨花ちゃんと自分の似顔絵。二人の特徴をとてもよく捉えています。
せっかくなので、れんちゃんの描いたイラストを他にも紹介させてください。
文章を書くこと、絵を描くことが大好きなれんは、イラスト入りの日記をつけています。
これは梨花と初めて出会った日に見たきれいな夕焼け。この頃は、夕焼けを描くのにも墨一色でした。
梨花にはじめて誕生日プレゼントをもらった日の日記。色鉛筆ケースは、不器用な梨花ががんばって作った、すずらんのエンボス入りの世界にひとつだけのオリジナルです。れんといえば蓮の花ですが、すずらんのほうがれんのイメージに近いという、お花屋さんで働く春名このみの助言に従ったものです。すずらんの花言葉は「純粋」。梨花と出会ってから、れんの日記も次第に明るく希望にあふれ、カラフルなものになっていきました。
さて、れんたちが描いた似顔絵を見た魔法少女たちの感想。
左が「調整屋」の八雲みたま、右が東の魔法少女のリーダー・和泉十七夜(かなぎ)。
調整屋とは、これも説明が難しいのですが、他の魔法少女にとってのヒーラーやトレーナーのような立場にある魔法少女です。
この大作となった似顔絵イラストは、れん、梨花、そして美雨との合作でした。美雨は人探しの仕事でモンタージュが得意なのだとか。
みかづき荘とは、西の魔法少女のリーダー・七海やちよが住む建物の名前。元はやちよの祖母(故人)が経営していた下宿屋で、今は環姉妹、深月フェリシア、双葉さなの4人が住み、由比鶴乃も半同居状態です。いろは・やちよ・鶴乃・フェリシア・さなの5人は「チームみかづき荘」といわれ、本作のメインキャラです。
神浜の魔法少女のリーダー格であるこの5人だけでなく、魔法少女全員の似顔絵を描くことにしたのは、れんの発案だったようです。しかし神浜市の魔法少女は、名前がわかっているだけでも、70人以上います。これは大仕事ですよ。
みかづき荘のみんなに、この絵を見て、自分たちのことを思い出してほしいから、と、れんは答えます。
みたまの妹、みかげの当然すぎる質問。
「ミィ(みかげの一人称)たちのこと、忘れたりしないと思うけど」
この質問に対するれんの答えが、彼女の成長ぶりを感じさせるので、引用します。
「あ、なんて言えばいいかな…
…強い想いを抱えた人ってね
自分だけでなんとかしようとして
私たちが大声を出しても
手を振っても気づかないぐらい
自分の想いの中に
入り込んじゃうと思うの…
特にいろはさんとういちゃんは
今もみんなを救い続けている…
だから、その使命感に
押し潰されそうになったときには
そばに私たちがいることもね
思い出してほしかったの」
以前、姉のみたまと喧嘩して、家出したことのあるミィは、商店街の魔法少女のたまり場「エミリーのお悩み相談所」でれんと梨花に出会っています。
ミィは姉の代わりに甘やかしてくれる人を探していたのですが、「れんたん」は「鈍い」のでお姉ちゃん失格。よく気のつく梨花に甘えて、かまってもらっていました。
今回のことで、ミィの「れんたん」に対する評価も多少は変わったかな?
「強い想い」を抱えた人には、大声を出しても手を振っても気持ちが伝わらない……。
これは「記憶ミュージアム」で、二度にわたり自殺を試みた自分自身の過去と向き合った彼女だからいえることばでしょう。れんが再び生きる希望を持ち、将来の夢を見つけたのも、この世界に失望し諦めようとしている人たちに、この世界は生きるに値すると思ってもらうために、自分が分けてもらった優しさを届ける人間になりたいと考えたからです。
れんのセリフは、母音が「ぁ」と小文字書きになることが多く、また、沈黙を意味する記号の「…」を多用し、語尾に「…はぃ」というフレーズを添えるのがお約束です。このブログでも原作の表記を踏襲してきました。これらは、彼女が話すのが苦手で、ことばも途絶えがちになることを表現したものです。
しかし、今回のイベントでは、たんにライターさんが設定を忘れているだけの可能性もありますが、このれんのセリフには、「…」が3回出てくるだけで、母音の小文字書きも、れんの代名詞でもある「…はぃ」も一切出てきません。控えめながらも、彼女が自信を持って語っていることがわかります。これも彼女の成長を示すものでしょう。
さて、この世界に帰ってきたいろは・うい姉妹は、また円環の理としての使命に立ち返り、この世界に別れを告げる決意を固めていきます。帰還パーティは、別れを告げるお別れパーティになってしまいました。ここで一波乱起きます。
しかしこの演出は、別にいらなかったかな。この6周年イベントの真の主人公は、素晴らしい成長ぶりを見せてくれたれんでした。
第二部では、さなちゃんに、大好きな絵本の「子猫のゴロゴロ」仲間の土岐すなおちゃんという友だちができます。
このすなおも、闇の深いキャラです。
この二人にゴロゴロの絵本を買い与えたのは、彼女らをネグレクトした親のはずで、「なぜだ!」と思います。