新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

ぼおるぺん古事記 (天の岩戸の巻)

2011年10月01日 | コミック/アニメ/ゲーム
 ウェブ平凡で連載中の、こうの史代「ぼおるぺん古事記」。略して「ぼ古」。
 

 http://webheibon.jp/kojiki/

 いまは、アマテラスが天の岩戸に隠れて、神々がどんちゃん騒ぎするお話のあたり。

  爾に高天原皆暗く(ここに たかのあまはら みな くらく)
  葦原中国悉く闇し(あしはら の なかつくに ことごとに くらし)
  此れに因りて常夜往く(これに よりて とこよ ゆく)

 この常夜が続く(往く)暗闇を、スミベタでなくボールペンだけで表現。スクリーントーンを使わない緻密な線画は定評あるが、普通の人はここまでしない。蕗谷虹児(ふきやこうじ)の繊細で優雅なペン画を思いだした。たとえば、「睡蓮の夢」のアールヌーヴォー調の網レースとかね。

 連載8回めのタイトル「ゑらぐゑらぐ」は、原文の「歓喜び咲楽ぐ」(よろこびゑらぐ)より。楽しく笑うという意味。

 場面はストリップを始めるアメノウズメ。「街角花だより」「この世界の片隅で」のリンさんタイプの美女。「踏みとどろこし神懸為て」(ふみとどろこし、かむがかりして)……の場面のトランス状態の表情がいい。脱ぎかけのパンツも、エッチでいいね。気に入りました。

 http://webheibon.jp/kojiki/2011/09/post-8.html#

 アマテラスは、なぜか天童よしみタイプ。デビュー以来の全作品読んできたつもりだけれど、このタイプの女性キャラは初めてかも。強いて言えば、「鬼イチャン」のお嫁さんになるワニ? 

 「神々が笑った」という描写から、アメノウズメはボンレス系のお笑い芸人風のキャラだった……という説がある。つまり、この作品のアマテラスのような体型だから、コミカルに映ったのだ、と。

 しかし笑いもダンスも、生命のよろこびの解放そのもの。美人・不美人、スタイルの良し悪しは、あまり重要ではない。

 製本仕上げの際には裁ち落とされるトンボ外の余白が、制作日記コーナーになっている。Webコミックだからこそ、生原稿のオリジナルな状態を、プレーンに伝えることができる。本になるときも、まとめてでもいいから、読めるようにしてほしいな。

 「9/8(木) 晴れ ところでアメノウズメは私が最初に好きになった神です。子供向けの本だったので、まさかストリップしていたとは思わなかった…。この状況で笑いがとれるって、素敵だなあと感動したっけ。さし絵も美女だったんだよ。」

 そういえば、ナマコの口が裂けているのは、アメノウズメが短剣で裂いたからだという伝説があるね。

 天孫降臨にアメノウズメは随伴して(この場面よりずっと後世)、大小の魚を集めて天孫(ニニギ)に仕えるかどうか尋ねた。よい子のお魚のみんなは、「はーい」と答えたのに、ナマコだけが沈黙していたので、「この口や、答えぬ口!」とブチぎれて、短剣で切り裂いてしまった、という。

 「あんただけ、どうして答えないのよ! この口ね、お返事できない悪い口は! お返事できるように、大きくしてあげるのだわ!」という感じ?

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