新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

X先生へのメール2

2024年04月01日 | 文学少女 五十鈴れんの冒険
X先生


つくしを送った箱にたまたま混入していた草の情報、間に合ってよかったです!
毒はないと思いますが、おいしくなかったと思いますので…

吉村昭に関するエントリを読んでいただき、うれしい限りです。そう、週刊新潮の「黒い報告書」でした! 父が買って帰る「週刊新潮」はときどき読んでいました。今も忘れがたいのは、夫の浮気調査を依頼してきた有閑マダムを手籠めにして、それをネタにマダムを強請る悪徳私立探偵のはなしです。夫が愛人と入ったラブホの隣の部屋に、探偵と一緒に忍び込むのですが、覗き穴があるという探偵のことばを信じて、「どこ、どこ」とベッドの上で四つん這いになり壁じゅうを探し回るマダムのスカートをまくりあげ、「穴ならここにあるぜ」とレイプするという最悪のはなしでした。

司馬遼太郎は、名古屋の小学校時代の親友が大ファンで、転校のときの餞別に『暗殺』をくれたのが初めてです。この転校はとなりの区に移っただけでしたが、中2で関東に移るときには『竜馬がゆく』の一巻を贈っててくれました。

まさに「中二病」まっさかりの年代です。私は『竜馬がゆく』に夢中になりました。

高校入学後、ひょんなことから加わったC派の首領の本多延嘉も、70年安保闘争で破防法被告となり、獄中でマキャベリ研究のかたわら、『竜馬がゆく』を読んだようです。獄中書簡によれば、竜馬の周辺の人物は魅力的だけれど、竜馬は俗物であると切り捨てていました。

親友には悪いけれど、たしかに、竜馬はつまらない男でした。私があの作品でいまも覚えているのは、高杉らの正義派のエリート革命家に距離を置いていた山縣有朋が、奇兵隊の実権を握ったあとに、自分たち下級武士を差別し抑圧しまくった藩の俗論派に対して武装蜂起するシーンです。

私は『燃えよ剣』がいちばん好きな司馬作品ですが、『国盗り物語』は逆に未読でした。先生がお好きなら読んでみようかなと思いました。

『燃えよ剣』がいちばん好きなシーンは、幕府の敗北も滅亡も決定的ななか、オランダの軍学書に出合った歳三が、「おもしれえ!」と夢中になるシーンです。あのシーンは痛いほどわかります。「喧嘩は負けるほうに加勢しろ」と教えられて育った十六歳の私が、ブランキや毛沢東やゲバラや本多延嘉や野島三郎に出会ったときも、同じように思いましたから。

故野島三郎は、セクハラ問題で失脚したC派のNo.2ですが、私の現役当時は、理論上の最高指導者でした。私が政治・軍事・経済・文学から漫画・アニメまで何にでもくちばしを突っ込みたがるのも、「共産主義者としての総体性(トータリティ)」を主張した野島の影響のように思います。野島は、あくまで左翼文芸評論家としての立場ですが、若い晩年に共産党に属した田中英光の全集の月報に一文を寄せています。中核・革マル分裂前、自費出版か同人誌にしか執筆経験のなかった黒田寛一は、野島に嫉妬しまくっていたという逸話も残ります。

私は、ふとした偶然から、これ以外に生き方を知らない職人たちの棟梁になりました。これも技術ならびに技術者が大好きだという側面が大きいんだろうなあと思います。

すでに御覧頂いた記事もあるかもしれませんが、先生にご覧いただきたかった記事にリンクを張っておきます。

ぉ能と狂言のぉ話です…はぃ! ―「羽衣」と「千鳥」の世界―
https://blog.goo.ne.jp/kuro_mac/e/c39d4f682d60af0c71912a8aec1ee04f

これは大和屋の女将さんに捧げた、大神神社における能公演に関する感想です。元は須磨のはなしだった「千鳥」が伊勢路に舞台が変わったのも、織豊期後期から徳川期だったのではないかという私なりの考察を述べています。


丹波の栗園の苗木を食い荒らし枯死させた鹿はただちに殲滅したいのですが、愛娘は逸翁美術館所蔵の「晩秋遊鹿図」が大好きなのです。とりあえず、退役した猟犬を引き取り、鹿さんにもお引き取り願うことにしました。逸翁美術館の蕪村コレクションを心ゆくまで楽しんできました。





司馬がノモンハン事件について書かなかったのは、自分の力不足について、最低限の節度があったと思いたいのですが……。

しかし、つくしの袴取り、ほんとうにお疲れ様でした。今夜の晩酌のつくし、お楽しみいただけたでしょうか。先生に喜んでいただけてなによりです! 近藤さんもがんばったかいがあったと喜んでおりました!

昨年も目に映るつくしはすべて取り尽くしたつもりでしたが、今年はたまたま豊作だったようで、年により生育状況は異なるようです。

今日、たまたま3年間にわたり、つくしとスギナの生育状況を観察した中学生の自由研究に触れる機会に恵まれました。つくしの生態はほんとうに神秘です!

来年こそは、自分でつくしを摘みに行きます!








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