新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

大地に帰れ

2023年07月31日 | 反戦・平和・反差別・さまざまな運動
昨夜のエントリにコメントいただいたバロリスタ さん、ありがとうございました。

以下は、お返事に書いたことを加筆修正しながらの再録です。

〈日本の稲作農家でこの先もまともな稼ぎを出し続けられるのは、規模の大きな「業者」さんだけで、家族経営の「農家」さんは、たとえ高齢でなくても、近々に経済的に成り立たなくなると聞きました。そうなると田んぼを潰さざるを得なくなるわけで、ますます国内で自給できる食料は少なくなりますね〉


全くおっしゃるとおりです。しかし、ある人の話ですが、古米の備蓄率はかなり高く、古米もカウントすると日本の自給率は大きく改善するようですよ。

日本人はみんな贅沢でグルメになりすぎ、古米は余り過ぎです。

というわけで、牛や豚などの飼料に、古米を利用すると国から補助金が出ます。でも、普及が進まないんですよね。牛農家に聞くと、やはり牛さんもトウモロコシのほうが好きみたいです。

人間だって、古米に見向きもしようとしません。牛や豚なら食べるだろうというのは思い上がりもいいところです。私がグルメな鹿さん相手にどれだけ苦労していることか。

やはり、古米のおいしい炊き方、古米ならではのメニュー・加工食品を普及させて、食料自給率を高めていくことが必要でしょう。

1990年代初頭のコメ不足のとき、輸入されたタイ米の悪口をみんないっていたのを思い出します。しかし、私はタイ米、大好きでした。インディカ米は炊くんじゃなくて茹でてお湯を捨てるんですよね。カレー粉を溶いて作った、具は大豆だけの貧乏学生のサラサラカレーにすごく合うのです。

もちろん、コシヒカリと一緒に食べたらおいしい、塩鮭や納豆や香の物は、タイ米には致命的に合いません。コメと料理の相性って大切ですよね。

稲作農家で成功しているのは「業者」だけだというバロリスタさんのご指摘は、そのとおりです。

あるセミナーで話を聞いた、とある農業法人は、農地を買い取り、大規模経営に取り組んでいます。社長さんは製造業出身の方で、コンバインやトラクターなどの設備をいかに長期間フル活動させ、短期で減価償却させるかがポイントだとおっしゃっていました。それで、8月から11月まで、早生・中生・晩生、さまざまな品種の稲を栽培しておられるのだとか。かなり高収益を上げている企業です。

われわれの地元の村でも、リーダーがいて、お金さえあれば、不可能ではありませんが、そう簡単にはいきませんね。

後継者不足は農家の共通の悩みで、地元の果樹園が外資に買い取られてしまいました。ちゃんと地元の人を雇用して農業を継続してくれるならいいけれど、ある日突然メガソーラーになったらどうするつもりなのか。

反中国を煽るつもりはありませんが、大阪南港のメガソーラーは上海電力の運営です。これも維新が入札制度を捻じ曲げて参入させたものです。大阪維新と称した政治マフィアが、関西の一部を実効支配し、公共財を外国資本、中国資本に売り飛ばして回っています。しかも、次の総選挙では「野党」第一党が確実だそうです。バロリスタさんが嘆くように、日本はきわめて「やばい」状況にあります。

田植えも稲刈りも村の共同作業ですが、農村、里山も「公共財」なんです。

このままいけば、地方・農村から都会への人口流出は続き、都市の超格差社会のゴッサムシティと化し、地方の農村は崩壊し、山野の荒廃はさらに進むでしょう。

これ以上、地方や農村の破壊を許してはならないと思います。

1960年代の毛沢東の下放は失敗し、フランスのカウンターカルチャー「大地に帰れ運動」も挫折に終わりました。

しかし、「大地に帰れ運動」は1990年代以降のグローバリゼーションへの危機感から第二の波として復活し、かつての理想郷としての農村ではなく、実践の場としてのエコビレッジやコミューンとして成功を収めているところも出てきたようです。

だめライフにも、ゲリラ農耕に取り組む若者たちや、実家が農家の人もいます。最近の若者に農業に関心を持つ人が多いのは希望です。

そのうち会社を退職し、「高齢者」の仲間入りを果たす私です。しかし若い人たちのために希望を残していきたいし、「夢」を実現可能なスキルを継承していきたいと願っています。




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2 コメント

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Unknown (angeloprotettoretoru)
2023-07-31 23:52:26
くろまっくさま。
私のコメントをきっかけにして、記事を書いていただいたのでしょうか。
ありがとうございます🙇‍♂️
私も勉強になりました。
ところで最近こちらに上がる記事を拝見していて思うのですが「だめライフ」運動がとても面白いと思っています。
権力の本質が暴力だというのは疑いのないところだと思いますが、現憲法下での半権力の闘いでさえ、かつてあのように暴力で抑えつけられました。この先本当に「公の秩序」に反した者には人権を認めない、と解釈できる憲法に変えられた場合、権力の暴力は催涙弾などではすまずに、実弾による行使になるかもしれません。そうした状況ではもはや暴力による抵抗など勝ち目がないですが「だめ」による抵抗は、いかなる暴力をもってしても鎮圧しようがないですからね。
今の若い子たちが、本当に厳しい状況に置かれて、権力に対して抵抗を行うなら、そっちの道が現実的かなと思います。もちろんその人の性格によって向き不向きはあるでしょうけれど…
くだらないことを長々と書いて申し訳ありません。
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Unknown (kuro_mac)
2023-08-01 10:35:22
いえいえ、とんでもない。貴重なコメントありがとうございます。
「だめライフ」はおっしゃるとおり、プロテストの方法として現実的で、ガンジーの非暴力不服従に通じるものがあります。
現体制、現行法では、さすがに寝そべっているだけの人を、警棒で叩いたり、銃で脅したりするわけにもいかない。せいぜい足を引っ張って移動させることができるくらいです。
しかし、合法的なデモや抗議運動にも、最近の権力は暴力的な弾圧を仕掛けるようになっています。
大阪芸大のだめライフは、反体制的ならくがきで逮捕されそうになっていると聞きます。
京大の中核派がバリストを行った際、一般学生にバリケードを破壊されてしまったことがありますが、大阪芸大のだめライフの無許可ポスターにも、学生から「秩序を守れ」「迷惑行為だ」という避難の声があがり炎上していたのは、隔世の感がします。
ガサ入れが日常茶飯事だった法政大学学生会館を思い出します。私は学外生で、かつセクトを離れていましたが、ある幹部から依頼された仕事のため、サークルボックスの一室を提供され、路線対立で決裂するまでは一時住んでいました。
館内はアジビラで埋め尽くされていました。だめライフのルーツに「法政の貧乏臭さを守る会」がありますが、だめライフが取り戻したいのも、あのカオス、あのアナーキーなんだろうなと思います。
ただ、このカオスは不潔さ、不衛生と表裏一体で、いまの若者には耐えられない人もいるでしょう。
運動を広げていくには、東大だめライフのように、ザリガニを食べて外来種駆除とか、エコロジーやSDGsの仮面をかぶる必要もあるかもしれません。
以前も書きましたが、いまの私学では文科省の方針で、留年が許されなくなってきています。留年してでもだめライフを続ける人もいれば、セクトやノンセクトの活動家になる人もいるだろうし、就職する人もいるでしょう。それでいいと思っています。資本主義社会、企業中心社会はもちろん、左翼の世界も「だめ」の菌糸でいったん腐朽・解体する必要があると思いますから。うちの農園のビオトープのように、だめライフがさまざまな運動を生み出す、いのちのゆりかごになればいいなと期待しています。
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