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「決算!忠臣蔵」感想

2019-12-23 23:54:00 | 日記
劇場公開からかなり経つ。映画の評価は二分されている模様。時代劇ファンには不評でコメディとしては合格。みたいな感じ。

私は歴史に疎いので面白いかもと思い鑑賞。久々に堤真一の演技を観て、やっぱりいい味出してるなあと魅力にハマった2時間。役的には、ドラマのスーパーサラリーマンを思い起こす。スーパーマンも討ち入りもしたくないけど、やらなきゃなあ。と、右往左往してダラシない堤真一が良かった。堤真一の元々締まった顔立ちが、ダラシなくなるのが堪らない。


決算の内容が専門的でよく分からないけど、なんとなくこうかな?と役者の表情から想像して見た。

吉本の芸人がしっかり者の事務方で、東京の役者陣が活気盛んな番方(戦う人)という配役も意外性があり良かった。いつも腰の低いキヨシ師匠が、バシッと言い放つのが決まってたし、岡村の堤真一への冷静なツッコミもいちいち面白い。

映画の感想で多かったのが、引っ越し大名などと同じようなテーマで既視感がある。とのこと、私は、どれも観てないので良かった。

あと、荒川良々にちょんまげとはいえ、髪の毛があるのと、感情的な役柄だったのも意外性があり良かった。



読書感想 「ファン スーチーの初恋の楽園」

2019-12-13 19:27:19 | 日記


最近、小学生が担任にレイプされた事件がニュースになった。SNSを使って小学生が中年男に連れ去られた。そんな事件が続いた時、この本の書評が新聞に載った。

すぐ図書館に予約した。わりと早く手にとることができた。

興味本位で手にしたら、バチが当たったと思えるような重苦しい内容。もう、読みたくない。でも、次が気になる。けど、この苦しみから逃れたい、早く読み終わりたい。その繰り返しで読了した。

聡明で美しい13歳の女の子と50歳のカリスマ塾教師の男女関係。それは恐ろしいロリコン教師のレイプから始まる。その後、中高通して関係は続く。本当は辛くて仕方ないのに。尊敬している先生だから?どうしてもその関係から逃れられない。

とても悲惨なグロテスクな状況なのに、その描写は上品で軽やか、時にコミカル、色彩にあふれ、瑞々しい。少女の感性で語られるから。中国の古典文学の引用が多くて、それはどういう比喩なのか?とつまずきそうになるが、物語の先が気になり、飛び越えられる。

本の装丁もそう。高層階のベランダ手すりの中心にシルバーの鍵が置かれている写真。雨で手すりは濡れている。静かな水色の世界は主人公のイメージそのもの。

この本は、少女レイプ犯と純粋な女の子の気分の悪い話と言うだけの話ではない。高級な身分の皮を被った卑劣な人間を、人の領分を犯す全ての人間を告発していると思う。

以下は小説の本文から。

「忍耐は美徳じゃない。忍耐を美徳にするのは、この偽善の世界が、その歪んだ秩序を維持する方法。怒りこそ美徳なのよ」


この本の中には、意識しなければ、流されて終わってしまう大事なことが喚起されていると思う。