今日のお楽しみ。

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スカーレットオハラ 2度目の略奪婚

2022-03-31 23:19:00 | 日記
1度目の夫チャールズはお金目当。意地悪された友人の婚約者だったので復讐をかねて奪い取った。
2回目は妹のスエレンが長年愛を温めてきたお金持ちの婚約者のケネディを、瞬殺で略奪婚に持ち込んだ。この事実だけつなげるとまったく極悪な女。今なら叩きまくられそう。

しかも、1回目も2回目も愛情なんか無い。チャールズはまだ若いけど鈍感で、ケネディは四十のジジイで貧弱。(スカーレットの感想)。でも、その時のスカーレットからしたら、彼らのキャラなんかどうでも良い。鴨がネギ(彼女の虚栄心を満たすものや財産)背負ってやってきんだから、それはもう頂戴するしかない!強欲な彼女はそう考えた。
悪いことしたかしら?などとチラとも思わない。むしろ、意地悪なハニーなんか一生結婚するな、とか、ケチなスエレンにケネディの財産を渡せる訳ない、などと自分を正当化する。やっぱりかなり狂ってる?

しかし、戦争がもたらした沢山の悔しさ、恐怖、厳しい選択。ギリギリの攻防戦の中だ。仕方ない面もある。でも、こういう時こそ彼女は本領発揮する。イキイキ、ハツラツしてくるんだ。もうしようがないよ。
当時でもスカーレットを好きな女性はほとんどいないと原作にはある。

だが、そんなスカーレットをただひとり哀れにみているのが、誰あろう憧れのアシュレ様。


戦争に負けてタラにかけられた莫大な税金を工面するために、豪華なカーテンでドレスを作って、レットバトラーのところに愛人の申し出にいく。(結局、断られるが)そんなスカーレットの毅然とした後ろ姿を、なんて侠気(きょうき)にとんだ女性だ。と教養のあるアシュレは思う。なのに、そんなことさせて僕は不甲斐ない…と絶望もしている。
また、こうも考える。彼女に「君は侠気がある」と伝えたところで「なんのこと?」っていうだろうなって。

この辺の2人の感覚の違いが埋まることはない。だから、アシュレはスカーレットを選べない。スカーレットの方は、ずっとアシュレの銀髪の雰囲気イケメンに夢を見続けてるだけ。

スカーレット・オハラ 最初の結婚

2022-03-28 17:15:00 | 日記
映画では、アシュレとメラニーの結婚式の翌日にスカーレットの式が行われていた。が、しかし原作では、スカーレットの式の方が1日早く執り行われている。
短い映画時間の中では仕方ないか。でも、スカーレットの嵐のような性格の醍醐味を描くならここをすっ飛ばすなんてもったいない!スカーレットの激しさを薄味にしないと観客はついてこないか…

碧色の目でまばたきして、にっこりエクボを作ればでたいていの男性を落とせたのに、
肝心のアシュレにだけは失恋した。しかもそのことを、普段から小バカにしてた友だちにみすかされてて(友だちからも嫌われてる)、もう皆んなに言いふらされてる!絶対絶命!このモテ女のスカーレット様がコケにされ、この夕方には群中の笑いものになってる!もう逃げ帰りたい!


一旦、弱気になるものの、<新しい考えが鋭く胸にきた。>←(王道の大久保康雄訳。カッコいいので。)逃げることはできない!こうなったら、悪口も屈辱も最後まで見届けよう。じゃないとさらに悪口がひどくなるだけ!ああ、もうこの屋敷にいる全員に復讐したい!ここにいて、皆んなに悪いことしたと思わせてやろう。
そう憎悪をたぎらせながら、屋敷にとどまる決心をするスカーレット。

ってこれ、この発想になるのって、ものすごい自己肯定感だと思う。この尋常ならざる自己愛!意味のない自信!まっすぐな感じ。ここがスカーレットの最大の魅力なのよ。これ、まさに開拓者魂の血。父親ジェラルドから受け継いだ。
屋敷にいる全員にどうやってあやまらせるのよ?すんごいふくらむ妄想。負けて逃げるぐらいなら、恥かいても叩かれても戦いを挑む。あ、スカーレットは負けても負けを認めない人々の血も流れてるんだった。


そして、とどまる決心をしたとたんに、向こうから最初の夫となる金持ちチャールズがやってくる。ま、良かったかどうかは置いといて。

この男にはたくさんお金がある。(大久保康雄訳)この男と結婚したら、アシュレもあれは冗談だったですませる。と、瞬時に頭を働かせてる。しかもハニー(大嫌いな友だち)の婚約者を奪うことにもなって、復讐完了。いまに私が立派になってここを訪ねてきたら、みんなきっと悪いことしたと後悔するに違いない!(誰にもなにもされてないような気がするけど?)

とにかくこれで、虚栄心、プライド全てを満たせる!早くも、問題解決!
ただ、次の瞬間には、大切な大切なアシュレとは永遠の別れになったと悟ったスカーレットではあった…



ただ、それで諦めるようなスカーレットではないのだけどね。


それにしてもなんで1日前の挙式こだわったのか?先に結婚という勝利宣言をして、皆んなを黙らせたかった?独身のままアシュレの式にでたくなかった?







映画「金の糸」

2022-03-24 22:51:00 | 日記
オープニング。その日79歳の誕生日を迎えて嬉しそうな主人公。が、帰ってきた長女といきなり、険悪に。お母さんは昔から頑固だったわよ!
アラ、今朝、私が母と交わした会話そのもの。ちょっと引き込まれた。

けど、映画の現実はこっちの想像を遥かにこえる。娘の夫の母親がアルツハイマーになったから、ここに同居させるという。しかも、主人公の作家と対立した立場にあった政府のお偉方がその母親だという。
アルツハイマーなのに、肩書だけは抜けずになにかと作家主人公にマウントとってくる。厄介やわ。
という話になっていく。

ところが、前半

孫もかわいいし、作家は電話でデートする老齢の男性(車椅子生活)もいて穏やかな生活。時々執筆してなにかアファメーションを囁いてくる…ああもう、眠いです。…失われた時を求めて…なんかいいこと言ってる……聞かなきゃ…ここはジョージア、アメリカのジョージアじゃないよ。スカーレットと関係なし。ヨーロッパ方面。風景が落ち着いてて光がきれい……旧市街の団地の丸いアーチがかわいい!住んでる人も皆ほのぼの……そして、とうとう寝落ちしてしまった。

肝心なところを見逃した!
西山美和監督の紹介文から抜粋します。
年老いた人が「かつて」の話しかできない自分を止められないことに、自らうろたえる描写はすごい迫力。
ここ、観たかった!


「風と共に去りぬ」映画と原作の違い

2022-03-22 22:36:00 | 日記
語りたくなる。
まず、メラニーの外見について。まあ、スカーレットのゆがんだ主観によってディスりまくられる。

映画のメラニーは、ふっくら真珠色にかがやく頬(病弱設定なのに、とても健康的!)慈愛をたたえた大きな瞳、形良いピンク色の唇はいつも口角が少し上がって気品が溢れている。まさに聖女(これはイメージ通り)だ。(女優の)身長も普通に160センチ。
これが原作ではメラニーのことをねずみのように貧弱ーー痩せて小柄で子どもっぽいーーほとんど不器量で平凡なハート型の顔ーーと軽蔑している。
たしかに映画でも、メラニーは前髪センターパートでハート型に似せてるけど、それさえ幸福感の象徴のようで、しかもよく似合っていて美しい。

そして、次女のスエレン。なぜか髭もじゃの40男(お金持ちだが)と婚約中で、三女のキャリーンより器量が悪いような書かれようなので、どんな容貌かと思ってたら、意外と映画ではブロンドの縦巻きロールが印象的なシュッとした美少女。スカーレットとネックレスの取り合いになった時、スエレンの縦巻きロールをグイッと引っ張るスカーレットの仕草が面白い。

それから、憧れのアシュレの妹たちのこともボロクソ。アシュレは灰色の目を引き立てる濃い黄金色のまつ毛をしているけど、妹ハニーとインディアのそれはまばらで色も薄く、ハニーのことは、まつ毛のないうさぎのような奇妙な印象といい、インディアのことは平凡というしかないと手厳しい。
で、映画のハニーはというと、全然ウサギではない。パーティ客を父と一緒に迎えるさま(イケメン探して若干キョロキョロしている)は、ホテルの受付嬢か、旅館の女将、顔立ちでいうなら浪花千恵子(古いけど)でしっかりもの。インディアについては、気がつかなかったがやっぱり平凡だからか?

以上が、私が感じた外見についての違い。本当は、もっともっと大きな違いがあるが(翻訳家の解説本が凄い!)
もう一つ小さな違いを発見した。
映画では、アシュレとメラニーの結婚式が先で1日後にスカーレットとチャールズが式を挙げている。が、原作では、スカーレットの式の方が1日先である。これは、スカーレットにとっては、重大なことである。なぜなら、アシュレに振られたという世間のゴシップを押さえ込むことが必要だったからだ。けど、この後、アシュレの結婚式で、スカーレットは心底、後悔し、自分を責め反省するのだ。もう永遠にアシュレは自分のものにならないと。


映画と原作、違いすぎるスカーレットの気性

2022-03-17 23:39:00 | 日記
いくらハリウッド史上最高のヒット作「風と共に去りぬ」でも、やっぱり一回見たらもういい。
しかし翻訳本をいくつか読むと、アレ?映画ではどうだったかな?と気になり始めて先日からDVDでまた見てしまった。
すると、原作では激情型で強欲なスカーレットの性質が、映画ではかなり薄まってしまっている。

原作の中で、私の好きなシーンで比較してみる。物語序盤。パーティの午前中、アシュレの婚約を知りながら、強引に告白するスカーレット。当然あっさり振られる。おまけに一部始終をバトラーに聞かれていた!どん底の気分でお昼寝の部屋(お年頃の淑女は午後のパーティに備えて昼寝する。)へ帰ってきたら、今度は数人の友人たちが自分への罵詈雑言をぶちまけていた。「手当たり次第に男を口説いてるけど、スカーレットの本命はアシュレ(メラニーと婚約中)なのよ!」アシュレの妹が言い放った。
血の気がひいた。夕方には噂は地方中に広まるだろう。みんなの笑い者だ!うちに帰りたい!ーー
一旦は、表のポーチまで帰りかける。しかし思いなおすのだ。ここからが、スカーレットの本領発揮。
やはり逃げ出すことはできない!娘たちの意地悪(自分が撒いたタネだけど)も、屈辱も胸がつぶれる思いも我慢して最後まで見とどけよう。逃げ出すのは、自分に投げつける弾薬を、彼女らに増やすだけだ。(毅然として決断!カッコいい)
一方、幼稚な妄想?が始まる。
私が怪力サムソンなら屋敷ごとぶっ壊して1人残らずほろぼしてやるのに。(アニメか?!)ーー彼女たちにあやまらせてやる。とにかく自分を傷つけた以上に彼女たちを傷つけてやる。方法はわからないけど。(わからんのかい!やっぱり子どもか?)ーー16歳の彼女には、愛情より虚栄心の方が強かった。ーー

と、翻訳本のあちこちかいつまんで自分なりに好きにシーンにアレンジしてみたけど。とにかく、失恋して悪口を言われても落ち込むどころか、なぜかこの場にいる全員に復讐を誓っているのだ。こんな過剰な情熱的シーンが数ページにも渡って続くのに。映画の方は残念ながらほんの一瞬で終わってしまう。

スカーレットの悪口(アシュレの話は出てこない)を言いながら、大階段を降りてくる友人たちをその階段下の陰で涙を流しながらじっと聞いてるだけ。彼女たちが通り過ぎていくまで。
絶対負けない気丈な女が、悔し涙で耐えるだけの健気な少女に成り下がってしまってる。