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「少女を埋める」が大きな議論に発展してた!

2022-05-20 14:27:00 | 日記
桜庭一樹著「少女を埋める」は、3作品が納められてて、私は前回、本作タイトルの「少女を埋める」だけを読んで感想を書いた。
ところが、2作目「キメラ」3作目「夏の終わり」を読んでみたら、どちらも「少女を埋める」の後日談じゃないの!
それも著者と翻訳家C氏の大論争の転末が事細かく、書き上げられている。
翻訳家C氏って、あのお方でないの?私が夢中になった「風と共に去りぬ」の新訳をだした方。私が全巻読んだのは大久保氏のだったが、C氏の解説本を読んでとても共感したものだ。
それはさておき、この大論争は朝日新聞もお偉い評論家さんたちも巻き込んで、アッと言う間にえらい騒動に発展していく。その経過を逐一、著者の怒りや戸惑いなどの心情を込めて克明に記している。
最初は、へえー、そんな誤解されることもあるのかあ。早く誤解解けたらいいなあ、とのんきに読み続けてきたけど
一息ついて、さああと、どれくらいで終わるの?とパラパラページをめくってみたら!えー、この後まだ50ページも騒動が続くのか?との驚きとともによみがえったのが、風と共に去りぬの3巻目4巻目(敗戦時の地獄の苦しみが描かれてる)を読んでた時のしんどさであった。
しかも、50ページではまだ終わらなかった。3作目の「夏の終わり」も、騒動の続きだった…
しかし、これは、3作通して「少女を埋める」なのだと思った。2作目3作目はリアルそしてライブ感あふれる、著者が大手出版業界に埋められる。になってるから。桜庭一樹さんは必死に埋められないよう戦ったのだ。
しかしこれ、SNSやらTwitterがあるから、こんな論争に早く大きく発展していったわけで、一昔まえなら、誤解を受けて泣き寝入りした作家もいたかも?でも、それをさせないように時代が変化して進んできたんだよと、著者もいいたいのかな。
桜庭一樹さんが焦りが少々怖かったが、ラストは心穏やかになられて良かった。

あと、おススメ本もたくさん紹介されてて、また楽しみが増えたな。


小説「少女を埋める」

2022-05-18 23:49:00 | 日記
結局、私が図書館で予約する本って、だいたいは女性差別の問題がテーマなんだな。

ちょっと怖いタイトルの桜庭一樹著「少女を埋める」も
男性社会からのいわれなき侮蔑にいつも正論を命綱に生き延びてきた。
理不尽で旧弊的な価値観に抗って生きる者に寄り添う、勇気と希望の書。と帯に紹介されている。
(少女を、の次にうめるを変換したら産めるが最初に出てきたので、やっぱり怖いな、と思った。)

これは自伝的小説らしく、東京暮らしの作者が父危篤の知らせを母の着信とショートメールで知り、故郷鳥取で父を弔うまでを日記風に時系列を追って淡々と綴ったものである。
なので
これはそんなに拳を挙げて女性たちよ!声を上げよう!と叫んでるような本とは最初は感じさせない。

まず、母親がちょっと変わった人である。
娘に対する態度が、何気に変なのだ。本当はすごく変なのに、娘はあまりそれに反応しないようにしているかのようだ。多分、慣れだろう。その慣れが怖いってことか。
そういえば、私の母も変だった。昔、台所で突然大声で泣き出したり、2週間も口を聞かないことがあったりした。私が大人になっても年に数回はそんなことがあった。今は、ボケが入ってきて、忘れることができるから、怒りも持続しなくなってきたか?

いずれにしても小説の母の厄介さも私の母の厄介さも、男性社会からのいわれなき侮蔑から来てる症状なのではないか?ということだと思う。

そのことを戦争を経験した祖母の時代にまでさかのぼって丁寧に物語っている。
長い長いことかかって少しずつ女性たちが立ち上がり始めた。
男たちが考えた共同体を維持するために理不尽に耐えてきた女性、少数弱者。

そんな私たちにとって、淡々と丁寧に、そして力強く背中を押してくれる本だ。

女性、弱者という守られる立場を心地よさも描かれるのは、著者らしい正直さなのかも。






義経、可哀想すぎる!「鎌倉殿の13人」

2022-05-15 23:24:00 | 日記
久々に観たら、菅田将暉演じる義経が、京の上皇(西田敏行)と鎌倉の源頼朝との板挟みになって、オレどうしたらええねん!という状況に!
ほんま神経質な頼朝vsタヌキ親父の悪の大王がイタイケな若者を綱引きしてる。ほんま、義経の手が千切れるからやめて!と叫びたくなったわ。
可哀想すぎる。
昨日、BSで専門家が鎌倉殿について解説してた番組(再放送)で少しお勉強しておいてよかった。
ほんと、九郎義経は誰を信じたらいいのか?大物たちの権力闘争の中で、苦しむ。
オレの策略で念願の平家を倒して大活躍したところなのに。なぜた?なぜ、頼朝に狙われたり、上皇に打てと言われたり。
あんなにイキイキ戦ってたのが、いやま皆に畏れられ、嫌われ、行き場を無くそうとしている。唯一の自信が崩れかかってる。自暴自棄になって、パツンパツンの若い頬にツヤがなくなり、目にも力が失われつつある義経、菅田将暉。やんちゃな心意気は忘れないで。もう、ドラマと現実がごっちゃになってる私。
ラストに北条の父親に、自信をつけるには経験しかないのだよ。と、諭されるが。
なんとか、逃げ切れることを祈る。

頼朝もかわいい弟、出来過ぎの弟をどうしたらいいか悩んで新垣結衣(元妻だったわ)に相談したら、子供のケンカと同じ!といわれ。私に相談しても嫌味か怒るしかないからね!と厳しく言われたのがおかしかった。

ところで、「死刑にいたる病」のみんなの感想が阿部サダヲの連続殺人犯の演技がすごいとか、なかなか好評なので、少々ガッカリ。阿部サダヲの演技力は誰もが認めるけどね。なんかやっぱりおかしい。



映画「死刑にいたる病」を観てから読んだ。

2022-05-14 11:15:00 | 日記
これは、はっきり言って、映画と本でひとつの作品なのでは?
映画を先に見たけど、なぜ犯人がそんなに何人も殺すシリアルキラーになったのか?そこんところがキチンと描かれてないんですよ。
だから、なんか消化不良。
アレ、寝たかな?そんなことないと思う。

田舎でパン屋さんを営む中年男性はい村(
阿部サダヲ)。とても感じ良い接客と味で評判だ。けど、その正体は恐ろしいシリアルキラー。昔、中学生のころ、そのお店に通った雅也にはい村から、一通の書簡が届く。そして、2人の拘置所での濃密なやりとりが展開していく。死刑判決を受けている極悪犯人なのに、雅也はどんどん引き込まれていく。(頼られてる!頑張ろう!力になろう!)とFラン大でくすぶってた心にどんどんやる気と生気がよみがえってくる。その過程は見どころ。ラストも意外な展開が待っている。

だけど、知りたいのは、どうしてそんな残酷な犯罪者になってしまったの?という疑問。

で、後日TSUTAYAに立ち寄ってみたら、一番目立つ書棚に人気No.1「死刑にいたる病」!うーん、店内ひと回りしてやっぱり買って疑問解消してみるか。。まんまとTSUTAYAとハヤカワ文庫の思いの壺にはまってしまった…?

さて、読み始めると止まらない面白さ。売れてる本はサクサク読める?遅読の私にも。そして、出てくる出てくる阿部サダヲが演じたシリアルキラーの幼少期からの凄惨な過去が!
彼はもともと祖父(か曽祖父だったか)からサイコパスの特徴を受け継いでいて、両親からの虐待や、放置など、度重なる不幸に見舞われていた。

そこでですね、サイコパスについての記述がたくさん出てくるのです。が、読めば読むほど、これって、阿部サダヲでなくてもよくない?と思い始めてくる。
サイコパスの特徴に何度も魅力的な外見が強調してあげられる。はい村自身もきれいな顔の子とか、目鼻立ちが整っていると描写がある。
確かに映画では、パン屋の時の阿部サダヲは、爽やかで魅力的ないい人だけど、拘置所で、雅也と面会するはい村は、目の下のクマか影がひどく。それになんか意味でもあるのだろうか?とても魅力的には見えないけど。なにか理由が?

獄中の阿部サダヲの外見は平凡に見えたけど、やはりサイコパスに必須の頭の良さが滲み出てくるのは、彼しかいないか。


猟奇的な堤真一とキンプリのミステリーDVD

2022-05-09 23:10:00 | 日記
最近のTSUTAYAのDVDケースの開け方ですけど、左下の角を押すだけで開くんですよね。こんなの、いつから?

知らないから、必死で底辺の細い溝をグイグイ右と左に引っ張ってパカっと開けようとしてましたよ。ふとした拍子にあいかたらよかったけど、壊すとこだったわ。ほんとひと苦労、教えといてよね!

今回は「砕け散るところを見せてあげる」(SABU監督)とキンプリ主演の「うちの執事が言うことには」の2本を借りた。

砕け散る〜は主演の石井杏奈が気になり手にした。この人は、闇の深い役所が多い。下から物を見る目がただならぬ狂気を感じさせる。ところが、その上をいくのが、堤真一だった。そこらにいる覇気のないおじさん、鬱屈をかかえながらもなんとか社会生活こなしてるお父さん、そんな風な人物像なんだけど、実はふつうの顔しつつも悲惨な猟奇的衝動を抱えた人物だった。
ほんと、堤真一、ふつうなのにどこか非凡、そんな役が多いね。空飛ぶサラリーマンのドラマも良かったね。

うちの執事〜の方は、一度映画で観たことがあって、その中で奥田瑛二演じる執事がとてもいいことをいっていたので、もう一度聞こうと思って借りた。
留学に行こうとする坊ちゃんに執事の奥田瑛二が
「困った時は目を閉じて深呼吸をしてみてください。そして、体を中心に円を描き輪を広げるように意識を渡らせてください。自分を大きく見せようとせず、小さく萎縮せず、媚びて自らをかえず…云々」
中学生ぐらいのおぼっちゃまに伝わるのかなあと思うけど、アラ還の私にはとても響きました。平常心の大切さを思い出させてくれた、思いがけなくよい映画だったのです。