空手バカ

私が空手を始めたのは二十歳の時です。
その当時に一緒に汗を流した仲間達は、本当に空手バカな連中が多い。
あの当時からずっと続けている人、一度諸事情で空手から離れたが、中年になってからもう一度始めた人…、その中には、私のように空手道場を立ち上げた人も何人かいる。
今でも現役でやっている人は流石にいないが、それでも試合場で当時の仲間達が、自分の教え子や後輩に必死になって声援をおくっている姿を見ると、本当にこいつ等は空手が好きなんだなあ、と思います。
まあ、私もその中の一人なんですが。
今の若い人達は、そこまで“バカ”になりきれない人が多いような気がします。
自分の人生を楽しむのに現代は色んな選択肢があり過ぎるというのも、一つの事にバカになれない理由かも知れない。
また、今のように経済状況が悪い中では、生活するのに精一杯で、何かにバカになる余裕など無いのも一つの理由かも知れない。
ただ一つ言えるのは、昔も今と同じく決して裕福な環境の中で一つの事にバカになって突き進んだわけじゃないと言う事です。
色んな事に目を奪われ過ぎると、歳を取り自分の過去を振り返った時、結局何もしてこなかったなあ、と言う事になり兼ねないと思います。
こんな時代だからこそ、何か一つの事にバカになるのも良いのではないでしょうか。


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