水曜日。
一昨日の寒空の下での電話と昨日の雨に濡れて帰ったせいで、
どうやら風邪をひいてしまったようです。
朝から喉の調子が悪く体も何となくだるい1日でした。
しかし、今日は変態女から電話もメールもありません。
ようやく終わったかなと安心したのですが、
念には念を入れ、こちらから2件ほどメールを入れて探りを入れてみました。
私の下半身や筋肉の写真を送れとバカな要求をしてきていましたので、
先ず自慢の大胸筋の写メを顔が写らない様に送ってやりました。
大腿筋の方が自信はあるのですが、ここは無難に大胸筋にしようとの考えからです。
反応は・・・、全くありません。
もう一度、夜中の12時前に、
‘今日は何もしかけてこないの?’
と言う内容のメールを送り反応をみました。
・・・今回も何も返って来ません。
私は本当にようやくこの女から開放されたと思い、
その日は風邪気味という事もありポスティングもせず家に帰りました。
しかし翌日の木曜日、朝の10時過ぎの事です。
相変わらず風邪のせいで体がだるい1日を迎え、
‘やる気が出ないな、お客さんが来なければ寝ていようかな’
と考えていた時の事です。
突然、
「リリリリリン」
メールの着信音です。
もう終わったという思いから変態女からのメールとは思わず安心しきって、
送信者の名前を見てみると
【由美】
もう、こんな事を続けるのにも大分飽きていた私は、
“しょーもな”
と思いながら受信ボックスを開けてみました。
するとそこには、
「昨日はいつもより早く寝てしまいました。お兄さんの下半身の写真もみせてもらえますか?」
と言う文章と共に、自分の大胸筋、女性の場合は所謂‘おっぱい’の画像を送ってきたのでした。
“しかし、汚い写真”
と思いましたが、
私の大胸筋の画像のお返しに自分の大胸筋の画像を送り返してくるこの女に、
“中々シャレがわかるヤツだな”
と解釈して良いのか
“もしかしたら、とことん私をからかって楽しんでいるのか?”
と警戒して良いのか、わからなくなってきました。
風邪で体調が悪い私は、
“もう、どっちゃでもエエわい”
と段々イライラしてきましたので、
仕事が一段落ついた昼過ぎ、お望み通りの写真を送ってやりました。
と言っても私のゴールデンボーイの凛々しい姿をホントに送るようなバカなまねをするわけがありません。
何か良いシャレはないかと、息子は息子でも私の本当の息子の顔写真でも送ってやろうかと考えましたが、
関係無い息子を巻き込む訳にもいかず、
他に何かオモロイ事は無いかと色々考えましたが、いかんせん体調が悪い私は、
“面倒クセー”
と言う気持ちになり、ネットで適当な画像が落ちていないか検索する事にしました。
ネットで探せばそんな画像はいくらでも落ちているのです。
私は適当な画像に少し画像編集ソフトで修正を加え
“送れるモンならもっと過激な写真を送ってみ”
と言う内容の文章を添えて送りつけてやりました。
それで満足したのでしょうか、それ以後何も連絡してこなくなりました。
ようやく、本当にようやくバカ女から開放されたようです。
午後になり、いい加減飽きてきたこのブログの「第3章:写メ」を適当に書いていると、
店の入口に不気味な人影が・・・。
私は一瞬ギクッとしましたが、よく見ると知った顔です。
このブログを書くきっかけになったS川君が遊びに来てくれたのでした。
私は変態女のことを、彼と約束した通り“小説モドキ”に書いていると言う事をメールしていましたので、
その辺の状況を聞きに来たみたいです。
この変態女の話は適当に手短に済ませ、
後はS川君の作品の進み具合や彼が持つ小説についての想い、
最近受賞の発表があった「芥川賞」「直木賞」についての話題などで色々話が弾みました。
しかし本当のことを言うと私はそのような話が出来る程、
文学について知識も興味もありませんでした。
芥川賞は純文学、直木賞は大衆文学が対象と言う事も、
ついこの間知ったばかりです。
私は、いかにも文学に精通しているかのようにS川君に
“小説の定義って何やろね?”
と尋ねてみました。
S川君は‘う~ん’と少し間を置いて
「書いた本人が、〝これは小説です〟と言えばそれで良いんじゃないですか」
と真剣に彼の考えを返してくれました。
私は背中を一筋の汗が流れるのを感じながら、
‘おお~、難しい答えが返ってこなくて良かった~’
と安堵している事を見破られない様に、
“なるほど”
と、さも何もかも知り尽くしているように振舞うのでした。
こうして楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、
そろそろ帰らなくてはいけないというS川君を店の出入り口まで見送った私は、
書く事にかなり飽きてきたこの‘小説モドキ’に登場する変態女について、ふと
“一体何だったんだろうな?”
と考えるのでした。
ただの変態女だったのか?
イタズラなのか?
写真の女は本人なのか?
本当に見ず知らずの人間なのか?
それとも実際は近くにいて私の反応を見て楽しんでいたのか?etc
すべては謎のままです。
ただ、はっきり言えるのは、あの電話があったことにより私はとても苦痛だったと言う事です。
道場のHPに連絡先として載せていた携帯の番号は、
電話があった翌日削除しました。
仕事中も必要上電源を落とす事が出来ない携帯に
いつ変態女から電話があるかと気になって仕方ありませんでした。
友人などはほっておけと言いましたが、
ほっておいて止めてくれるかどうかもわかりません。
実際どう対処して良いのかわかりませんでした。
相手の顔がわからないからと言って、
こういう事をする人の気が知れません。
ネットでもそうです。
本来自分の身を守る為の機能である非通知設定でイタズラ電話をしてくる人も多いです。
携帯やネット。
便利ですが、
‘本当はこんな物あってはならないのでは?’
と思う事が時々あります。
私は、色々な事が頭の中をめぐり
“さあ早く残りをさっさっと適当に書き終えてしまおうか”
と思い、大きく伸びをしました。
その時
“リリリリリン”
体が凍り付きます。
私は固まった体を何とか動かし携帯電話の元へと向いました・・・・・
“お前かい”
(了)
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