サルサバンドLATIN FACTORYのブログ
EL WEBLOG DE LATIN FACTORY
町工場

徘徊テリトリーにある、いつも気になる物件。煮しまった味わいはCABEZÓNの心をいつもくすぐります(笑)。現在は単純に倉庫として使用されている様ですが、一体最初はどの様な目的で建てられたのでしょうか?敷地の入口には、時計産業の最大手の一つであるCITIZENの関連会社と思しきCITIZEN TIC 株式会社なる表示があります。気になったのでHPなどを調べてみると、どうやら本社工場の一角の様子ですね。昔からの町工場然としたその佇まいは、心を懐かしいあの時代に誘います。
技術立国日本とうたわれますが、その技術を支えている町工場の存在も良く取り上げられるようになりました。例えば、オリンピック公式競技である砲丸投げ、この競技の記録を支えて来たのも日本の町工場の技術。アトランタ五輪からアテネ五輪まで表彰台のメダリストの使用した砲丸、実は全て辻谷工業で製造されたものだそうです。玉の中心に寸分のズレもなく重心を合わせる、これにはコンピューター任せでは成り立たない、積み重ねてきたノウハウによるものだとか・・・。
高度成長時代を支えてきた大量生産大量消費からバブル崩壊を経て現在に至っている訳ですが、この様な町工場の中には産業構造の変化に呑み込まれて、人知れず消え去って行くものが後を絶ちません。特に、ここ数年の価格破壊により、大手企業傘下の町工場は、いつ切り捨てられるかわからないという苦しい立場での経営を強いられていると聞きます。確かに、製品が安ければ、一時的には売れるでしょう。しかし、物創りに対する熱意を持ち続けることが出来なければ、それは品質の低下という形になって現れます。そして、その行く末がブランド・企業そして国への信頼低下という悲しい結末となるのです。
最近CABEZÓNは、物を買う時に値段だけではなく、その価格の裏にある耐用年数や付加価値などをなるべく見定める様にしたいと考えるようになりました。例えば、働き者~後継者は良い例で、定価のたった10%程度の価格差ですが、故障しない等の信頼性を差し引いても余りあるほどのパフォーマンスの差がありました。長く使うつもりであれば、それなりの出費が必要と言う事なんですね。
Editor CABEZÓN

