「いつかまた」をおぶって跨いだ
田んぼの手前に流れた水路。草で隠れてたから、見えなかった泥に巻き込まれて尻から勢いよく滑り込んだ。
僕はもがいた。
僕以上にもがいていた。
真上に見えた雲が裂かれて背中に回り込んだくらいだった。
生温かな泥濘から這い出た数秒間、余裕がなかった。
忘れてた水路に足を取られて道路に突っ伏す。
背中の違和感に飛び起きて、喉で空気がつっかえた。
ガラス玉は傷ついた、覗き込んだ先に糸切れのような繊維が見えるような気がして。
気管に入った泥は吐き出せなかったようだと、歯に絡まる砂の光が雄弁に語る。
日常に転がる無数の彼等。
おぶって歩いた当たり前は息づくように神隠しと隣り合わせに生きていた。
だから、抱き抱えて懇願する。
跨がないように、大切に、道を違えるなと。
水路に沿って歩く太陽が半分隠れた雲の下
不規則に干からびた泥がはびころる道路にかかったもや。
目先3メートルは魔境の田畑。
唇の端にたどり着いた汗に口内がびくつく瞬間に、世界が揺らいだ。
いくつもの水路が左右に突如として現れ、消える。
思わずついた片膝から血を感じる前、水が飛び跳ねた?
割れた道路に飲み込まれて、食堂に詰まって脳が震える。
落ちないように、「次は」抱き抱えて大切に。と
名乗りもしないのに
私の中にある「またいつか」を背負う少し雲かかる田舎の道。
明日会う2人のまたいつか。
どうも太陽は山に隠れてくれなかった
田んぼの手前に流れた水路。草で隠れてたから、見えなかった泥に巻き込まれて尻から勢いよく滑り込んだ。
僕はもがいた。
僕以上にもがいていた。
真上に見えた雲が裂かれて背中に回り込んだくらいだった。
生温かな泥濘から這い出た数秒間、余裕がなかった。
忘れてた水路に足を取られて道路に突っ伏す。
背中の違和感に飛び起きて、喉で空気がつっかえた。
ガラス玉は傷ついた、覗き込んだ先に糸切れのような繊維が見えるような気がして。
気管に入った泥は吐き出せなかったようだと、歯に絡まる砂の光が雄弁に語る。
日常に転がる無数の彼等。
おぶって歩いた当たり前は息づくように神隠しと隣り合わせに生きていた。
だから、抱き抱えて懇願する。
跨がないように、大切に、道を違えるなと。
水路に沿って歩く太陽が半分隠れた雲の下
不規則に干からびた泥がはびころる道路にかかったもや。
目先3メートルは魔境の田畑。
唇の端にたどり着いた汗に口内がびくつく瞬間に、世界が揺らいだ。
いくつもの水路が左右に突如として現れ、消える。
思わずついた片膝から血を感じる前、水が飛び跳ねた?
割れた道路に飲み込まれて、食堂に詰まって脳が震える。
落ちないように、「次は」抱き抱えて大切に。と
名乗りもしないのに
私の中にある「またいつか」を背負う少し雲かかる田舎の道。
明日会う2人のまたいつか。
どうも太陽は山に隠れてくれなかった
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