バスルームに一人。
オレンジに染まる湯船に肩まで浸かる。
扉の向こうから走り回る子供の声。
背中を針で優刺しされ、
石鹸が体を包む。
泡立てる度、子供の声が小さくなっていった。
垢を吸い、膨れた泡は
見るからに醜く太った蛙の様。
ぬるま湯で泡を流すと子供が一気に暴れ出す。
雷が脳髄から足先まで突き抜けた様に体が伸び切る。
無造作に垂れる鼻水は止まらない。
子供は戸を叩き、走り回り、叫び出す。
流し終えた時、線が切れた。
うっすら見える湯船の中に
スカスカの黒ずんだ乳歯が三つ。
頭から胸、腹部へ抜け落ちた力が尿道伝って流れ出る。
玄関からは子供の奇妙な笑い声。
バスルーム、脱衣所、廊下。
汗でカビたTシャツ、食べかけのカップ麺。
垢のとれた体で未曾有の海を這って行く。
玄関先には、名札付きの黄色帽子に
ハエが集る帽子掛が服を着ていた。
オレンジに染まる湯船に肩まで浸かる。
扉の向こうから走り回る子供の声。
背中を針で優刺しされ、
石鹸が体を包む。
泡立てる度、子供の声が小さくなっていった。
垢を吸い、膨れた泡は
見るからに醜く太った蛙の様。
ぬるま湯で泡を流すと子供が一気に暴れ出す。
雷が脳髄から足先まで突き抜けた様に体が伸び切る。
無造作に垂れる鼻水は止まらない。
子供は戸を叩き、走り回り、叫び出す。
流し終えた時、線が切れた。
うっすら見える湯船の中に
スカスカの黒ずんだ乳歯が三つ。
頭から胸、腹部へ抜け落ちた力が尿道伝って流れ出る。
玄関からは子供の奇妙な笑い声。
バスルーム、脱衣所、廊下。
汗でカビたTシャツ、食べかけのカップ麺。
垢のとれた体で未曾有の海を這って行く。
玄関先には、名札付きの黄色帽子に
ハエが集る帽子掛が服を着ていた。