ユーキャン詩集

創作した詩を不定期投稿していきます!感想などございましたらぜひコメントください!時々、旅日記なども載せます!

2017-05-31 21:58:05 | 創作(詩)
もし赤が永遠に続くとしたらどうしますか?

タバコの火は消えません
全てがけむに巻かれるでしょう
迷います怒ります叫びます
肉は己に黒薔薇を咲かせます
黒薔薇の棘は成長し、イバラと化してあなたを愛し貫くことでしょう。
引き返せなくなった時、
そこがあなたの天国です。

信号は赤のままです
停止線は最大限の効力を発揮するでしょう
根源を引き出すレバーを凍結させ、時代をいくつか遡ることが可能でしょう
底の見えない欲、巨大な一つの舞踏国
強靭に狂人に今日人が
我先にと汗を流すでしょう
夜の騒音が消えた時、
奇怪な者の楽園が生まれます。

白のワインはなくなります。
透き通る気持ちも虚しく、色がグラスを覆う時。
食卓は一つの形を失い
我が身の欲すままに食すことを続けると
世界に一つの問いが生まれるでしょう
誰が一番鮮やかなのか?
この問いの解を得ようとした時、人類は歴史を反復することでしょう。

腐愛

2017-05-31 14:50:07 | 創作(詩)
折れた木の枝が散らばる庭
太さも長さも形もまばら
それらを僕は仕分けする

まずは樹液の出ているもの
これは綺麗に洗って天日干し
傷口が腐敗していたら
少し削って鮮やかに
次に虫がついているもの
肌を巻き込まないように
丁寧にひっぺがす
食べられすぎた枝は手元に置いておく
もう救いようがないから
最後に黒薔薇とともに箱の中へ
蓋に一言 愛しのハニー

体に臭いや樹液が纒わり付く
たまらなく濡れてきた
箱の木目を撫でる
思わず口が緩む
唾液分泌が止まらない
右左を執拗に確認
手元の枝からハエが元気に飛び回る
「どけ、これは僕のものだ」
ハエを払い、枝を一気に飲み込んだ

誰かそばに居て欲しい。

2017-05-22 11:29:18 | 創作(詩)
朝起きると私の側には、
布団と枕。
冬の凍える寒さを
耐えられない私。
私は温もりが欲しかった。

外の木々は衣を脱いでいる。
彼らは私にその裸体を見せつけた。
木々はその年季の入った筋を
互いに見せ合う。
とても温かそう。
私はその関係が欲しかった。

並木道に嫉妬した。
右側に並ぶ木々、
左側に並ぶ木々。
まるでお見合いのような、
いいや、合コンなのか?
激しく冷たく吹く南西の風は
場の存在を凍らせる。
たった一言。
壊れるには充分な威力。
私はこの場を知っている。

ゆっくり歩いて海へ来た。
沖では雨が降っているみたい。
大きい1は小さい1を落としてく。
雨粒たちは海に呑まれ、1つになる。
小さな1は大きな1に勝てはしない。
大きな1は小さな1に負けはしない。
そう、互いに1であれば。

でも、私は1だった。
私は小さな1だった。
私は1人で笑い叫ぶ。
よく響くように。
よく聴こえるように。
いつか誰かに届くと信じて。

てんじょう

2017-05-12 11:09:44 | 創作(詩)
網戸に炸裂音響パンチ
華麗に避けます
スイスイスイ
流れパンチがお隣さんへ
まさかまさかの二次被害
私は腕に包まれる
ああ、知らない人が笑ってる

グラウンドにひたひたサラダ油
太陽が加熱
空気はおどる
れっつサンバ
私は布団に寝転がる
ああ、木目がしっかり見える

全身に伝わる衝撃波
ボンネットにふたつの大穴
右と左のお尻がボンッ
宙を舞うのさ
閲覧数秒体感数年
私は布団に運ばれる
ああ、黒点ちょこちょこ白い板

先生、どうですか?
体は見ての通りです、あと半年といったところでしょうか。
そうですか、宜しくお願いします。

体はいつでもだるいきつい
踏ん張って立つのさ
「よっこいしょ」
片手をついて血管浮き出る
糖分ゴロゴロ積乱雲
私は布団に縛られる
ああ、木目が薄れてる

わたあめ軽いさ甘いのさ
ねっとり絡まる蜘蛛の糸
2本のぷっくりタラコが好物
パクッと一口ごちそうさん
私の体は枯れた腐った腐敗体
ああ、糸電話はもうできない

プールの中で潜水中
上に太陽下は底
まだ見ぬそこへ沈んでく
トンネル抜けます5秒前
4、3、2、1、0
でっかい鉛の大乱射
圧力鍋のご登場
〜特製出汁の眼球煮〜
私は思わず呟いた
「この世界にも日が射した」
ああ、木目の黒はもう見えない