ユーキャン詩集

創作した詩を不定期投稿していきます!感想などございましたらぜひコメントください!時々、旅日記なども載せます!

〜胸に蔵ったラピスラズリ〜

2019-05-30 01:17:17 | 創作(詩)
煙を払って瞼を落とす
月が落とした光の外は見つめない
街灯の照らす向こうの影のチラつき
スカートのチラつき
僕の目玉がチラつき
視界の端であなたの手が右上からチラつき
ダイレクトに月を退ける

ガラガラと鳴く太陽が落ちた
蜃気楼にクレヨンを大胆に当てる
黄色と赤色は欠かせないと騒ぐ大人が踏み抜いた
子供の握る黒のサインペン
あれやこれやと踊る手首
お祭り状態に映る衛星映像
カラッと揚がる人形
黒点を探す間も無く歪んだ地平線
教科書は答えじゃないと身をもって知る
私達の現実

私達の紙切れは収束して散らばった

嘲笑する存在

2019-05-28 18:00:42 | 創作(詩)
耳障りな自分の歯ぎしり
騒ぎ立てる鳥肌
喉の少し上が痙攣手前の動きを止めない
奥歯を擦るから削れる
爪が擦れてもこんな感覚はない
目玉を掻いてもこんな不快感はない

喉をひん剥けば分かる
そう言ったのは昨日ぶつかったヒゲの長いおじさん
頸動脈の清さに頭が麻痺して笑っちゃうらしい
狂った頭の持ち主の戯言

そんな今日の私
明日の私は公衆電話の受話器を垂らして笑う
そんな私を見透かすひぐらしは
公衆電話の周りで奇々怪界と鳴きやんだ

薄皮の向こう側

2019-05-23 23:11:21 | 創作(詩)
唸りを上げる鉄パイプの群れ
砂鉄舞う都会の世界

一瞬。

白目剥けば頭が飛んでく日常
しゃがめば突き刺さる鉄の槍
束になる事を選んだ断末魔
聞こえなかった神は膝を掻く

20世紀の半ばのお話。

遺伝子の変換?
壊れにくくなった私たち
修理の効く僕たち
破損は日常茶飯事の現代
火花走るロボの教鞭
平になれない部品の地表
不透明に舞う疫病の世界

薄皮の向こうは剥いだら見える
雷は眉間を貫いた