徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

羊たちの沈黙

2008年02月11日 | ★★★★★




羊たちの沈黙

おすすめ度 
原題:The Silence of the Lambs
製作:1991年 アメリカ
制作:エドワード・サクソン ケネス・アット ロン・ボズマン
監督:ジョナサン・デミ
原作:トマス・ハリス
脚本:テッド・タリー
出演:ジョディ・フォスター アンソニー・ホプキンス スコット・グレン テッド・レヴィン アンソニー・ヒールド

久しぶりに「一気観」シリーズです。言わずと知れた名作「羊たちの沈黙」です。ロジャー・コーマン監督も俳優さんとして出演してたんですね~。今回初めて知りました。

FBIアカデミーの訓練生クラリス(ジョディ・フォスター)は、FBI上司ジャック(スコット・グレン)の命を受け、州立の精神病院へ行きます。面接の相手は患者を9人殺したという天才精神科医ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)。表向きは凶悪犯のサンプル作りの為のアンケートでしたが、本当の目的は連続殺人者バッファロー・ビル(テッド・レヴィン)逮捕の為の捜査協力を得ることでした。初めはレクターの不気味さに戸惑うクラリスでしたが、自分に対する興味を利用し、彼女自身の幼少時代の思い出を語る事と引き換えに事件捜査のヒントを聞き出していきます。

「ハンニバル・ライジング」を観る前のおさらいに久々に観ました。やっぱり凄い作品ですね!面白い。よくできてる。1991年っつーことは、今からもう17年も前なるんですね。

犯人のバッファロー・ビルはむちゃくちゃなヤツですが実在したモデルがいます。一番母体となっているのがエド・ゲイン。死体の皮を使って家具や服を作っちゃいます。誘拐の手口はテッド・バンディ。腕の怪我を装い襲い掛かりました。悪い人です。女性の監禁方法はイリー・マイケル・ハイドニク。地下の穴に閉じ込めます。

こんな凶悪犯の複合体がバッファロー・ビルなのです。恐ろしいですね~。

徹底した取材によって作り上げた犯人像。主人公クラリスのバックボーンを交えながらの巧みな心理描写。レクター博士の内に秘めたる狂気。フランシス・ベーコンの絵画をヒントに作られたというレクターの芸術的な殺害現場。蛾。変死体。

全てにおいて完成度が高く、不気味で、重苦しい。(もちろん褒めてます。)
素晴しい作品でした。
軽くおさらいのつもりで観始めましたが、えらい興奮しちゃいました(照)


羊たちの沈黙@映画生活
前田有一の超映画批評



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ゲロッパ!

2007年06月18日 | ★★★★★


ゲロッパ!
おすすめ度
制作:2003年 日本
制作:石原仁美
監督:井筒和幸
脚本:羽原大介井筒和幸
出演:西田敏行 常盤貴子 山本太郎 岸部一徳

井筒監督2003年の作品「ゲロッパ!」です。もう4年も前になるんですね。時が経つのは早いものです。

ヤクザ組長の羽原(西田敏行)は、刑務所収監を控え、大好きなジェームズ・ブラウンの名古屋公演に行けなくなってしまいます。落ち込んだ羽原は「組を解散する」と言い始末。見かねた弟分の金山(岸部一徳)は、子分に「ジェームズ・ブラウンをさらって来い」と、ははめちゃな命令をします。名古屋に向かった子分たちは、JBらしき人物を捕まえます。一方羽原は、25年前に生き別れた娘、かおり(常盤貴子)に会いに行きます。イベント会社を運営するかおりは、物まねショーの営業で愛知に出かけていました。

ナインティナインの岡村隆史がちょいと出てるというのも当時話題でしたね。日頃他の監督さんの映画をぶった切っり毒を吐き自らハードルを上げてしまった井筒監督(笑)そういう意味でも賛否両論のある作品ですが私は好きでした。

笑いは文化だ!観た後とってもハッピーな気分になれました。実は邪道にも数年前に旅行に行ったとき飛行機の中で観ました。人目をはばからず笑ってました。決して笑いに対してユルイつもりではないんですが(笑)西田敏行さん岸部一徳さんをはじめとする味のある役者さんが光ってます。

ちなみに、私この作品のあるシーンでうるっ。と来たんです。他の人に言ったら、「泣くところなんてあった??」と言われてしまいました。あれ??(笑)

観てない方は是非どうぞ。おすすめです。

ゲロッパ!@映画生活
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ヒトラー~最期の12日間~

2007年06月08日 | ★★★★★




ヒトラー~最期の12日間~
おすすめ度
原題:Der Untergang
制作:2004年 ドイツ イタリア オーストリア
制作・脚本:ベルント・アイヒンガー
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ コリンナ・ハルフォーフ ウルリッヒ・マテス ユリアーネ・ケーラー

「独裁者」といえば真っ先に浮かぶ人物がこの人。ヒトラーの女性秘書を務めていたトラウドゥル・ユンゲの証言と歴史書を元に描いた「ヒトラー~最期の12日間~」です。

1945年ソ連軍に攻め込まれベルリンは陥落直前です。ヒトラーとその側近たちは、総統官邸の地下要塞に避難します。追い詰められたヒトラーは遂に正気を失います。わずかに残った軍勢に戦況の挽回を命じ、戦況はさらに悪化。そんなヒトラーを前に究極の選択を迫られる側近たち。最期まで運命を共ににしようとする者、逃亡を企てる者、酒に溺れて現実逃避する者。そんな一部始終を間近で目撃していた総統付き秘書のユンゲは、ある日、ヒトラーから遺書の口述筆記を依頼されます。

今まで観てきた実録系映画の中で、私の心に残るベスト3に入る作品です。

アドルフ・ヒトラーという人物には以前から興味があって、いくつかドキュメンタリーや記録映画を観てたんですがヒトラー像がいまいちだったんです。そんなヒトラーの「人間像」を描くという、しかもドイツで。色々なタブーを超えて作られた話題作。絶対に観なきゃ!と当初から、かなり期待していました。

とにかく完成度が高いです。ヒトラーの自害以降の幹部たちの最期も克明に描かれ、映画の終わりには、晩年のユンゲ本人が登場してヒトラーのことを語るシーンもあり、まるで質の良いドキュメンタリーを観ているような感覚になります。

ブルーノ・ガンツ演じるヒトラーは凄いです。彼の演技は鬼気迫るものがあります。ちなみに、ドイツ人俳優がドイツ語でヒトラーを演じるのはこの作品が初だそうです。この作品で初めて知った女優さんですが、秘書ユンゲを演じたアレクサンドラ・マリア・ララも可憐で素敵でした。

色々な意味で凄い・濃い作品です。

ヒトラー~最期の12日間~@映画生活
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ゴッホ

2007年06月01日 | ★★★★★




ゴッホ
おすすめ度
原題:Vincent & Theo
制作:1990年 イギリス フランス オランダ
制作:ルーディ・ベーケン
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ジュリアン・ミッチェル
出演:ティム・ロス ポール・リス アドリアン・ブリン ハンス・ケスティング ベルナデット・ジロー ヨハンナ・テア・ステーゲ ウラジミール・ヨルヤノフ ヴィンセント・ソーリアク ジャン=ピエール・カッセル

画家伝記モノつながりで「ゴッホ」です。このゴッホはロバート・アルトマンが撮ったほうです(笑)←何故だか笑っちゃう。

19世紀後半、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(ティム・ロス)は、オランダ・アムステルダムで制作活動の日々を過ごしています。自身の画風の確立に向けての苛立ち、その上に貧困がさらに彼を追い詰めていきます。弟テオ(ポール・リース)は、そんな兄の才能を買い、自らが勤める画廊で兄を擁護しています。ヴィンセントとテオ。ふたりはお互いになくてはならない存在で、他人が入り込む余地を感じさせないほど密接したものです。ある日テオはヴィンセントからの手紙を新妻が盗み読もうとしたのを目にし、彼女を罵倒します。それを機に彼の家庭にひびが入り始めます。

一方、この頃、ヴィンセントはポール・ゴーギャン(ウラジミール・ヨルダノフ)と知りあいます。二人はテオが作った資金で南プロヴァンス地方へ旅行し、絵画製作に励みますが、ヴィンセントの不安定な気質から奇行を繰り返すようになります。そして遂にあの事件が起こります。ある日ヴィンセントが連れ込んだ娼婦の顔に黒の絵の具を塗りまくってお楽しみ中のヴィンセントを、ゴーギャンは止めに入ります。そこでヴィンセントは激情し自らの耳を切り落としてしまいます。当然そのまま彼は病院に収容されます。そんな彼を見舞うテオ。退院後、ヴィンセントは再び絵画作りに没頭しますが…。

この作品、邦題は「ゴッホ」ですが、原題は「Vincent & Theo」つまり、兄弟の物語なんですね。

これ昔、BSで観たんです。ぼへーっと。気が付いたら号泣。しかも声まで出して(笑)自分でもビックリでした。なんでしょうね。コンディションの問題??お互いに無いものを求め合って依存しあっている姿がものすごく切なかったんですね。「ふたりでひとり」そんな兄弟です。ティム・ロスの演技がいいんです。どうにかしたくても、どうにもならない(できない)もどかしさ、不安感、絶望、悲しさが、がっつり伝わってくるんです。今観てどう思うのか、ちょっと気になります。もう一度観てみたいですね。

ゴッホ@映画生活
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アルプスの少女ハイジ

2007年05月14日 | ★★★★★



アルプスの少女ハイジ
おすすめ度
制作:1973年 日本
原作:ヨハンナ・スピリ
場面設定・画面構成:宮崎駿
演出:高畑勲
キャラクターデザイン・作画監督:小田部羊一
声の出演:杉山佳寿子 宮内幸平 小原乃梨子 吉田理保子
 
今日は、色々あってすごく疲れました。なので、今日は寝る前にコレを観ます。絶対観ます。「アルプスの少女ハイジ」です。

ヤコペッティからハイジまで並んでいる私のDVDラインナップはやばいらしいです。「人に見せてはいけない」と以前友人から言われたことがあります。「ロリータ&バイオレンス」だそうです。でも面白いから許すと言ってくれました。

私はハイジが大好きです。
特に第7話の「樅の木の音」が好きです。

すっかり山の生活に慣れたハイジ。秋も近づいたある日、山の上で強い風に吹かれたハイジは、危うく谷底に落ちそうになります。それを聞いたおんじは、ハイジに山へ行く事を禁じます。翌朝、いつものようにペーターが迎えに来ます。ハイジに懐いたユキとアトリはなかなかペーターの言う事を聞きませんが、何とか山へ向かいます。山小屋に残ったハイジは、おんじのチーズ作りを積極的に手伝います。火にかけたミルクの攪拌を上手にこなすハイジ。「ひとりで出来る」との申し出にアルムおんじはその仕事をハイジに任せ、干草を取りに外出します。ところがそこへ、ユキが山から降りて来てしまいます。仕方なくユキをペーターのところまで連れて行く為にハイジは鍋から離れてしまいます。山に着くとペーターはユキに体罰を与え、かわいいからとむやみに甘やかしてきたハイジを罵ります。落ち込んで山小屋に戻るハイジですが、そこで更に衝撃的な場面を目にします。それは焦げたミルクをナイフで掃除するアルムおんじの姿でした。でもおんじはハイジを責めません。そればかりか、「ハイジにはまだ早かったんだ。」と言うのです。そんなことはありません。充分ハイジに出来た仕事でした。ハイジは、自分の甘さを恥じ静かに涙します。そしてもみの木の前で反省し、同じ事を繰り返さないと誓います。失敗から学んだハイジは、翌日甘えるユキやアトリに厳しく接し、チーズ作りを最後までお手伝いするのでした。

号泣です。たまたま再放送を観たとき、当時勤めていた会社で後輩の指導を任されて悩んでいた頃だったので、おんじの気持ちも分かるし、ハイジの気持ちも分かるし。「ハイジを好きなときに観たいな」とその時強く思い、数年後には全巻揃っていました(笑)なので、ある意味ハイジは私の仕事のバイブルです(笑)

「当たり前の事を当たり前にする」この作品は、ふとそういう気持ちを思い出させてくれます。

余談です。
大人になって気づいたのですが
ハイジはドMと見せかけてドSです。
おんじはドSと見せかけてドMです。(おんじの場合は対ハイジ限定ですが。)
その間に挟まれたペーターとヨーゼフは結構大変です。

そういう目線で観るとハイジが3倍は楽しいです。
ハイジは結構小悪魔ちゃんです。

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千夜一夜物語

2007年05月10日 | ★★★★★



千夜一夜物語
おすすめ度
制作:1969年 日本
製作・総指揮:手塚治虫
監督:山本暎一
美術監督:やなせたかし
脚本:手塚治虫・深沢一夫
声の出演:青島幸男 芥川比呂志 岸田今日子 小池朝雄 遠藤周作 大橋巨泉 北杜夫 小松左京 筒井康隆

手塚治虫率いる虫プロダクションが制作した、世界初の大人のためのアニメーション第1弾「千夜一夜物語」です。この作品は、3部作になっていて第2弾「クレオパトラ」第3弾「哀しみのベラドンナ」と続きます。私は千夜一夜しか持ってないので、後の2作は未見です。そのお店には「千夜一夜物語」しかなかったんです(泣)

水売り商人アルディンは、ある日奴隷市で売られている美しい女奴隷に一目ぼれしました。彼女の名前はミリアム。でもアルディンは彼女を引き取るお金などありません。彼女が買われそうになったまさにそのとき、大竜巻が起こります。その混乱に紛れてアルディンはミリアムをさらい逃げていきます。そこからアルディンの目眩く大冒険が始まります。

実写との合成等の当時の最新技術を駆使して映像化した作品です。その斬新なスタイルはアニメとドラマを組み合わせた「アニメラマ」という新しいジャンルを打ち立てました。キャラクターデザインは、「それいけ! アンパンマン」のやなせ・たかし先生。なるほど、だから女の子ちゃんがみんなドキンちゃん顔なんですね(笑)サイケデリックな雰囲気で今観ても全然古くないんです。主人公のアルディンのキャラクターに負けないエネルギッシュな作品です。なんとも豪華な声優陣もこの作品の魅力のひとつです。

各シーンの裏話や苦労話などを交えてのスタッフ座談会(山本暎一、やなせ・たかし、宮本貞雄、富岡厚司) が音声特典として収録されています。どのエピソードもとても興味深かったです~。あーっ。あと2作も観たいですっ。

千夜一夜物語@映画生活
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モハメド・アリ かけがえのない日々

2007年05月09日 | ★★★★★



モハメド・アリ かけがえのない日々
おすすめ度
原題:WHEN WE WERE KINGS
制作:1996年 アメリカ
制作:レオン・ギャスト テイラー・ハックフォード
監督:レオン・ギャスト
出演:モハメド・アリ ジョージ・フォアマン ドン・キング ノーマン・メイラー スパイク・リー トーマス・ハウザー

1974年10月30日世界中の熱い視線が注がれる中行われたジョージ・フォアマンVSモハメド・アリ戦。その戦いを中心に描いたアリのドキュメンタリー映画「モハメド・アリ かけがえのない日々」です。

1967年ベトナム戦争の徴兵拒否によりアリは有罪判決を受けます。そして、ヘビー級チャンピオンタイトルも略奪されその後4年間、試合が禁止されましたが、間もなくしてベトナム戦争批判の気運が高まる中、アリのプロライセンスは回復します。

1974年ボクシングプロモーターのドン・キングの仕掛けにより、世紀の対決ジョージ・フォアマンVSモハメド・アリ戦が実現することとなります。またその試合に先駆けて“黒いウッドストック”と呼ばれるブラック・ミュージック中心のコンサートが開催されます。そこにはジェームズ・ブラウン、B.B.キング、ミリアム・マケバなど錚々たるミュージシャンが参加しました。

1974年10月30日、運命の試合が開催されます。3年間ブランクの開いたアリに対し、フォアマンは目下40連勝中の20代の若きニューヒーロー。下馬評で圧倒的に不利とされていたアリでしたが…。

「蝶のように舞い蜂のように刺す」アリのキャッチコピーはとっても有名ですよね。私、モハメド・アリという人物は、「ボクシング界の元ヒーロー」というイメージしかありませんでした。あ・それから、「アントニオ猪木VSモハメド・アリ」っていう例の試合(笑)

モハメド・アリはプロボクサーとしての活動だけに留まらず、黒人の経済的自立を目指す社会運動且つ黒人の民族的優越を説く宗教活動の「ブラック・ムスリム・ムーブメント」に参加したり、ベトナム戦争への徴兵を拒否したりと、社会的にも大変な影響を与えた人物だったそうです。実はすごい人なんですね。びっくりしました。

いつも強気で、ファンへの過剰なまでのリップサービスが有名なアリですが、ジョージ・フォアマンとの試合直前、関係者に見せた意外な一面など興味深いエピソードも満載でした。彼が何故当時カリスマ的人気を誇り、今も尚伝説となって語り継がれているのかが少しだけ理解できた気がした作品です。ドキュメンタリー好きはもちろん、革命家や格闘技が好きな人にもおすすめの1本です。

モハメド・アリ かけがえのない日々@映画生活
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ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

2007年05月06日 | ★★★★★



ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
おすすめ度
原題:The Lord of the Rings:The Return of the King
製作:2003年 アメリカ
製作:バリー・M・オズボーン ピーター・ジャクソン フラン・ウォルシュ
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ フィリッパ・ボウエン ピーター・ジャクソン
原作:J・R・R・トールキン
出演:イライジャ・ウッド イアン・マッケラン リヴ・タイラー ヴィゴ・モーテンセン ショーン・アスティン

今日でG・Wも終わりです。一気見してみよう!シリーズもいよいよ最終日の弟6日目となりました。そして、この超大作もいよいよ最終章を迎えます。「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」です。

指輪を葬る為に滅びの山を目指すフロド(イライジャ・ウッド)とサム(ショーン・アスティン)ですが、道案内するゴラム(アンディ・サーキス)は、二人を仲違いさせようと色々な小細工を仕掛けます。そんなゴラムの狙い通りフロドはサムを疑い、疑心暗鬼に。そして、遂に旅を共にする事を拒み、サムの任を解いてしまいます。

一方、冥王サウロンの軍が、人間の国ゴンドールに襲いかかります。そこで、ローハンの人々も、国交が途絶えていたゴンドールを救うために立ち上がりました。劣勢が続きますが、そこにアラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)率いる亡霊の大軍が現われて、ゴンドールは勝利します。

その頃、サムは巨大蜘蛛に襲われていたフロドのピンチを救い、2人の信頼関係は修復されます。

サウロンは兵力を補強し反撃の準備を整えます。アラゴルンは、サウロンからフロドへの目をそらすためにモルドールの黒門へ攻め込む作戦に出ます。そして、いよいよフロドとサムは滅びの山に辿り着きますが…。


久しぶりに映画を観た後の余韻を楽しみました。これは、そう!R・P・Gのエンディングを観ているような達成感にも似た気分。フロドがサムを拒むシーンでは思わず涙腺がゆるゆるに(照)2人が再び手を取り合うシーンでは鼻水でずるずるに(恥)

いやいや、素晴らしい大団円。自分でも驚くくらい満足しました。正直、三部作の最後の作品でこんなに満足できるとは思ってなかったので。なので満点にしてみました(笑)

でも、もうお腹いっぱいなので当分ファンタジー大作はいいです(笑)

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還@映画生活
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マトリックス

2007年05月01日 | ★★★★★




マトリックス
おすすめ度
原題:The Matrix
製作:1999年 アメリカ
製作:ジョエル・シルヴァー
監督・脚本:アンディ・ウォシャウスキー ラリー・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーヴス ローレンス・フィッシュバーン キャリー・アン・モス ヒューゴ・ウィーヴィング グロリア・フォスター

何で今更??という突込みが聞こえてきそうですが…(笑)ここは、あえての「マトリックス」です。世の中はG・Wの真っ只中でございます。なので。この連休を利用して、一気見してみよう!シリーズ1日目でございます。

トーマス(キアヌ・リーヴス)はコンピュータ・プログラマーという表の顔とは別にネオという名のハッカーという裏の顔を持っています。そんなある日、突然トリニティ(キャリー=アン・モス)という美女に導かれて、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)という人物に会います。彼は唐突に衝撃的な事実をトーマスに語ります。トーマスが生きている世界は、コンピュータが創り出した仮想世界で、実際には夢をみせられているだけだというのです。

そこで、トーマス(ネオ)はコンピュータの支配から開放する救世主として彼らの仲間に迎え入れられます。そこで仮想空間でコンピュータと戦う為の訓練を受けますが、予言者(グロリア・フォスター)から「ネオは救世主ではない」と告げられますが…。

言わずと知れたウォシャウスキー兄弟の最高傑作です。私はほとんど言っていい程アクション映画や、SF映画は観ないのです。が。この作品。初めて観たとき、物凄い衝撃が走ちました。今まで観たこの無いような斬新なカメラアングル、映像、CGとワイヤーアクションの融合。これまでにない迫力ある名シーンの数々。鑑賞後、すごーく興奮したのを記憶しています。「こういうジャンルはちょっと…」と思っていただけに、感激しました。食わず嫌いは駄目だな。と実感した作品です。

マトリックス@映画生活
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真夜中の弥次さん喜多さん

2007年03月27日 | ★★★★★




真夜中の弥次さん喜多さん
おすすめ度:
制作:2005年 日本
監督・脚本:宮藤官九郎  
原作:しりあがり寿
出演:長瀬智也 中村七之助 阿部サダヲ 小池栄子 柄本佑 竹内力 おぎやはぎ 板尾創路 山口智充 松尾スズキ 古田新太 中村勘九郎 毒蝮三太夫 研ナオコ ARATA 麻生久美子 荒川良々

大人計画&初監督作品つながりで。
第1回宮藤宮九郎監督作品。歌・ダンス・コント・お色気など等、なんでもアリの時代劇コメディ「真夜中の弥次さん喜多さん」です。

まっすぐで情熱的な弥次さんこと弥次郎兵衛(長瀬智也)と、ヤク中の喜多さんこと喜多八(中村七之助)。このふたりが、喜多さんのヤク中を治すため、江戸からお伊勢参りの旅を始めます。旅の道中を江戸・笑の宿・喜の宿・歌の宿・王の宿・魂の宿と、6つの物語に分け構成。物語ごとに、ヒゲのおいらん(松尾スズキ)・木村笑之新(竹内力)・清水の二郎長親分(古田新太)・魂(荒川良々)などなど個性溢れるキャラクターが登場します。

クドカンワールド炸裂です。十返舎一九の戯作「東海道中膝栗毛」をモチーフにしりあがり寿が漫画化したのが「真夜中の弥次さん喜多さん」。この漫画が本作の元ネタです。

とにかくばかばかしくてとにかく可笑しい。エンドロールまできっちりと一生懸命悪ふざけしている荒川良々に注目。ここまでばかばかしいと笑うしかないです。おもいっきりはまってしまいました。ちなみに、中村勘三郎がスベってたように見えたのは私だけでしょうか?

異様にテンションの高い作品なので、観る時のコンディションにはくれぐれもお気をつけ下さい。気分じゃないときに観るとイラッとします(笑)

真夜中の弥次さん喜多さん@映画生活




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恋の門

2007年03月26日 | ★★★★★


恋の門
おすすめ度
制作:2004年 日本
制作:小川真司(3) 甘木モリオ 長坂まき子
監督・脚本:松尾スズキ
原作:羽生生純
出演:松田龍平 酒井若菜 松尾スズキ 忌野清志郎 小島聖 塚本晋也 小日向文世 大竹まこと 平泉成 大竹しのぶ

劇団「大人計画」主宰・俳優・エッセイスト・小説家など、マルチに活躍している松尾スズキ氏の初監督作品「恋の門」です。

蒼木門(松田龍平)は、石で漫画を描くという奇天烈な作風の自称漫画芸術家。もちろん漫画では生計を立てることは出来ず、極貧生活を送っています。ある日バイトへ行く道中にハート型の石を見つけた門。それを拾おうと地面に手を伸ばした瞬間、出勤を急ぐ証恋乃(酒井若菜)にパンプスで思いっきり指を踏まれてしまいます。とんだトラブルで初日から遅刻しながらもバイト先たどり着いた門は、そこで恋乃と再会します。彼女はバイト先の会社のOLだったのです。

見た目は可愛い普通のOLに見える恋乃ですが、実は彼女、オタク系ミニコミ界のアイド漫画家兼コスプレーヤーというなかなかパンチの効いた趣味(癖?)の持ち主。「芸術家」と「オタク」、志向の違いはあれど、ふたりは次第に惹かれあっていきます。

原作は羽生生純の同名コミック。自意識過剰なゲイジュツ男と天然コスプレ女が繰り広げる怒涛のラブコメディ。ディープで破天荒な世界、とても楽しめました。そしてこれを見て松田龍平のイメージが180度変わりました。作中に松尾スズキの幅広い人脈が感じられる豪華な顔ぶれが隠れキャラのように出演しています。そんな人たちを探しながら観るのも楽しいです。漫画・コミケ・コスプレ・とかなりディープで独特な世界がとにかく楽しく、明るく、ポップに表現されています。

劇場で観た人が「映像を観ていたら酔って、吐き気を催したので、最後まで観てない」と言ってました。なるほど。分かるような気がします(笑)

こ難しいことを考えずただ楽しむだけに観たい作品。ある意味、DVDで観るのに向いている作品なのかも。メイキングや特典映像などがなかなか面白そうです。

恋の門@映画生活



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ピーナッツ

2007年03月23日 | ★★★★★

ピーナッツ
おすすめ度
制作:2006年 日本
制作:柵木秀夫、長澤一史、亀山慶二、安永義郎、工藤浩之、白内寿一
監督・脚本:内村光良
音楽:ロケットマン 梅堀淳
出演:内村光良 三村マサカズ 大竹一樹 ゴルゴ松本 レッド吉田 ふかわりょう 佐藤めぐみ 飯尾和樹 青木忠宏 藤重政孝 ベンガル

内村光良初監督作品「ピーナッツ」です。私は内Pが大好きです。放送が土曜日だった初期の頃からずっと見ていました。いい大人たちが毎週力いっぱい悪ふざけしている姿が本当に大好きでした。その番組共演がきっかけで出来た作品がこの「ピーナッツ」なのです。

スポーツライターの秋吉(内村光良)は、その昔草野球チーム「ピーナッツ」の伝説の三塁手でした。ライターとしてスランプを迎えていた秋吉は、ある日ふらりと過去の野球仲間であるキャプテンの相良(三村マサカズ)に会いに行きます。そして今や弱小チームと化してしまった「ピーナッツ」を立て直そうと言い出すのです。ある日、相良たちの住む町の再開発をかけて強豪社会人チームと対戦することになるのですが…。

おっさんの青春映画です。内村監督が一生懸命、楽しみながら撮ったんだなということがよーく伝わる作品です。平均年齢35歳のおっさんたちの演技は、ぎこちなく、正直上手いとは言いがたいですが身体を張って頑張っています。順撮りだったせいか、三村の演技がだんだん上手くなっていくのが笑えます。

竹中直人、ネプチューン原田泰造、オセロ中島知子、くりぃむ有田哲平、キャイ~ンウド鈴木、出川哲朗などなど多彩なゲスト出演者も楽しませくれます。あ、ふかわりょうのご両親も出演されています(笑)

限られた予算と日程で作成されたようですが、その「手作り感」がアットホームで良い感じです。完成度云々なんてこと、私は言いません(笑)非常に楽しめましたし。内Pファンやお笑い好きな方にはおすすめの作品です。ちなみに私は、メイキングも本作も両方ともDVDを持っています(笑)以上、超ひいき目ネタでした。



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テルミン

2007年03月16日 | ★★★★★


テルミン
おすすめ度
原題:Theremin an electronic odyssey
監督・製作・脚本:スティーヴン・M・マーティン
出演:レオン・テルミン クララ・ロックモア ロバート・モーグ リディア・カヴィナ  ビーチ・ボーイズ&ブライアン・ウィルソン トッド・ラングレン、レーニン

昨日の記事の中で触れた効果音つながりで、テルミンです。テルミンは、ロシア人科学者レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンによって発明された世界初の電子楽器です。この作品は、その開発者であるロシア人研究者テルミンのドキュメンタリー映画です。

ロシア内戦の真っ只中の1920年に電子楽器テルミンは誕生しました。楽器に手を触れることなく手の動きで音を操る独特な演奏法はかなり高い技術を要するそうです。今までにない不思議な音色は当時大変衝撃的で、大いに注目を集めました。ヨーロッパでのデモンストレーション演奏旅行のあと渡米し、1928年にニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団と共演します。ショービズ先進国アメリカでも一躍脚光を浴び、その独特な音色の特徴を生かし多くの映画の効果音などに使用されました。

テルミン氏は、ジョセフ・シリンガー、アルバート・アインシュタイン、レーニン、など、当時の前衛的な文化人や音楽関係者と交流がありました。そうそうたる顔ぶれです。まさに時代の寵児だったんですね。

1938年、テルミン氏の人生を変える事件が起こります。妻を残し、突如姿を消してしまうのです。(失踪の理由はKGB拉致説、自らの希望での密出国説など諸説あるそうですが、前者が有力だそうです。)10年ぶりに祖国に戻ったとき国内の情勢は大きく変わっていました。彼はスターリンによる厳しい弾圧を受けるのです。いわれのない罪で逮捕され、シベリアで8年間の強制労働を科せられます。その後、科学者だけの収容所に所属し、軍事技術開発などに従事します。彼の生死についての詳細は身内や友人たちには伝えられませんでした。なので彼は失踪時に死亡したものとされます。

長い月日が流れ、東西統一の時代にようやくテルミンの生存が知られるところとなります。そして、1991年にアメリカ再訪を果たしテルミンは再び暖かく迎えられます。

彼も大きな時代の流れに翻弄された被害者なんですよね。すっかりおじいちゃんになってしまったテルミンが浦島太郎状態(←表現古っ。)でアメリカの街を散策する姿には思わず、うるっ。としてしまいます。クララ・ロックモアとの2ショットも何だか感慨深いです。

シンセサイザーの発明家ロバート・モーグ、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンやトッド・ラングレンなどのインタビューもありますので、音楽がお好きな方は特に興味深い作品だと思います。

テルミン@映画生活



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グッバイ、レーニン!

2007年03月13日 | ★★★★★


グッバイ、レーニン!
おすすめ度
原題:Good Bye Lenin!
制作:2002年 ドイツ
制作:シュテファン・アルント
監督:ヴォルフガング・ベッカー
脚本:ヴォルフガング・ベッカー ベルント・リヒテンベルク
出演:ダニエル・ブリュール カトリーン・サーズ チュルバン・ハマートヴァ マリア・シモン

ベルリンの壁つながりで、グッバイ、レーニン!です。ドイツで大ヒットした作品で、ドイツだけにとどまらずヨーロッパで高い評価を得た名作です。

東ドイツ、ベルリンで暮らすアレックス(ダニエル・ブリュール)の家はちょっぴり複雑な家庭環境です。母のクリスティアーネ(カトリーン・ザース)は夫のローベルト(ブルクハルト・クラウスナー)が西ドイツに亡命してから取り憑かれたように社会主義活動に没頭していきます。そんな中、アレックスは、母親に内緒で反体制デモに参加します。警官と揉め合いになり連行されるところを偶然通りかかった母親が目撃します。ショックを受けた母親は心臓発作を起こしてしまい、そのまま昏睡状態に陥るのです。

長い間昏睡状態続きますが、8ヶ月後に彼女は意識を取り戻します。でも、目覚めたときは、ベルリンの壁は崩壊し、ドイツの体制は一変していたのです。医者から「次にショックを与えたら命の保障はない」と宣告されたアレックスは母親のために統一の事実を隠し周囲を巻き込み東ドイツ時代の生活を演じます。

まさに、時代に翻弄された家族の物語です。切ないです。母親を思ってのアレックスの優しい嘘がとても切なかったです。父親と母親の最後の会話はどんなものだったんですかね?既に事実を受け止めていた彼女なので、きっと嘘偽りない気持ちでいい会話が出来たと思いますが。

母親が退院してから再入院するまでを丁寧に描きつつ、キューブリック作品のベタ~なパロディシーンも挟んだりと。テーマのわりに重さを感じず、好きなタイプの作品でした。

ベルリンの壁崩壊は学生の頃ニュースで観た光景です。今からそう昔でない時代の話なのにもうずっとずっと遠い昔に感じます。ロシアや北朝鮮など独特な事情を抱えた国は今でもあるし、世界を見渡せば、私の価値観の範疇をかるく超えていく事なんて山のようにあるんだろうけど…。第二次世界大戦のドイツやポーランドや、中国の文化大革命などこの類の独特な時代の話を観ているととてもやりきれない複雑な気持ちになります。

グッバイ、レーニン!@映画生活



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ザ・フライ2 二世誕生

2007年03月11日 | ★★★★★


ザ・フライ2二世誕生
おすすめ度
制作:1989年 アメリカ
制作:スチュワート・コーンフェルド
監督:クリス・ウェイラス
脚本:ミック・ギャリス ジム・ウィート ケン・ウィート フランク・ダラボン
原案:ミック・ギャリス
出演:エリック・ストルツ ダフネ・ズニーガ リー・リチャードソン ジョン・ゲッツ

ザ・フライの続編、ザ・フライ2二世誕生です。続編モノなので続けて書かせていただきます。

前作で恋人ヴェロニカ(ジーナ・デイヴィス)のお腹にいたセス(ジェフ・ゴールドブラム)の赤ちゃん、産まれちゃいました。なので二世誕生です。赤ちゃんはマーティンと名づけられ、研究所長バートック(リー・リチャードソン)に「大切に」育てられます。父親セスの遺伝子を受け継いでいるマーティン(エリック・ストルツ)は、物凄い速さで成長します。頭脳明晰なマーティンは5年で成人し、父親が手がけた実験を引継ぎ、見事完成させます。

やがてマーティンの身体もセス同様にハエ化が進行していきます。そんな折、実父のように慕っていたバートックが自分を動物実験のサンプルとして利用していたことを知り、復讐を決意します。

ラストは作品の途中で伏線がはってあった象徴的なシーンの天丼で終ります。今観れば結構ベタなんですが、観た当初は私もピュアだったので(?)「うわあ」って思いました。続編モノとしては良い出来だと思います。なので満点です。この作品今でもたま~にお盆になると再放送されてます。もちろん深夜枠ですが。



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