徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

ザ・フライ

2007年03月11日 | ★★★★★



ザ・フライ
おすすめ度
原題:The Fly
制作:1986年 イギリス・カナダ・アメリカ
制作:スチュアート・コーンフェルド
監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェフ・ゴールドブラム ジーナ・デイヴィス ジョン・ゲッツ

子供の時に夢中になって観たザ・フライです。テレビ放映の次の日の教室では話題持ち切りでした。

科学者のセス(ジェフ・ゴールドブラム)は、テレポーテーションの研究をしています。ある日無機物の転送実験が成功します。有機物の実験はまだ確実ではありませんでした。ある夜セスは恋人のヴェロニカ(ジーナ・デイヴィス)と喧嘩してしまい酔った勢いで装置に入り自分の身体で転送実験をします。無事成功したかのように見えましたが、セスの身体はどんどんハエ化していきます。こわいですね。転送機材の中にハエが1匹入っていたのが原因でした。そして時間の経過とともにセスの身体の変態は深刻さを増していきます。

この作品ってリメイクなんですよね。元ネタは、1958年の「ハエ男の恐怖」です。この邦題のセンス。ぷぷっ。見事ですよね。いかにもな感じがかなりいいです(笑)。でも残念ながら、未見なのです。是非是非見たいものです。

セスのハエぶりは物凄いです。子供の時に観たものの衝撃はえらいもんです。セスがだんだん人間としての理性を失っていく様が悲しくて、最後の先後まではらはらして手に汗握って観たものです。

この手の少し前のSF作品、味わい深くて大好きです。



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バーディ

2007年03月07日 | ★★★★★


バーディ
おすすめ度
原題:BIRDY
制作:1984年 アメリカ
制作:アラン・マーシャル
監督:アラン・パーカー
脚本:サンディ・クループ ジャック・ベアー
原作:ウィリアム・ワートン
出演:マシュー・モディン ニコラス・ケイジ ジョン・ハーキンス クリスタル・フィールド ジェームス・サンティーニ カレン・ヤング

ウィリアム・ワートンのベストセラー小説を映画化した名作バーディです。ベトナム戦争の代償に苦しむ若者バーディとアルの友情を描いた物語で、観終わった後の余韻がいつまでも残る作品です。

ベトナム戦争で負傷して帰還した青年アル(ニコラス・ケイジ)は海軍病院へ行きます。そこで幼馴染で親友のバーディ(マシュー・モディン)と再会するのですが、そこにいた青年はアルの知るバーディではありませんでした。バーディは戦争の前線で精神異常をきたし病室の隅で鳥のように身をすくませ、自分を失っていたのです。担当医師のワイス(ジョン・ハーキンス)は親友であるアルの呼びかけでバーディの心が取り戻せるのではないかと考えます。そこでアルは必死にバーディに呼びかけるのですが…。

高校生のとき初めて観たのですが、気づかないうちにのすごい量の涙と鼻水が出ていて笑ってしまいました。観終わった後、続けてもう一度観たのを記憶しています。過剰な演出がなく、淡々とした表現にリアリティを感じます。このレビューを書きながら、もう一度観直してみたくなりました。

バーディ@映画生活



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エレファントマン

2007年03月06日 | ★★★★★


エレファントマン
おすすめ度
原題:The Elephant Man
制作:1980年 イギリス・アメリカ
制作:ジョナサン・サンガー
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:クリストファー・デ・ヴォア エリック・バーグレン デヴィッド・リンチ
出演:ジョン・ハート アンソニー・ホプキンス ジョン・ギールグッド アン・バンクロフト

19世紀のイギリスで実在した人物の半生を描いた作品エレファントマンです。劇場公開時は小学生だったので、作品の内容をちゃんと把握していなくて、ホラー映画なのかと勘違いしていました。実際に観たのは随分後のことです。

生まれついての奇形による醜い外見から「エレファントマン」と呼ばれていた青年ジョン・メリック(ジョン・ハート)は見世物小屋にいました。彼は骨格が大きく変形して皮膚は乳頭状の腫瘍ができていて、歩くのも困難な状態です。ある日ジョンを見世物小屋で見かけた外科医、フレデリック・トリーブス(アンソニー・ホプキンス)は彼に興味を持ち、研究目的でジョンを引き取ります。

最初は人に対し怯えていたジョンでしたが、トリーブス医師や女優のケンドール婦人(アン・バンクロフト)と接するうちに心を開いていきます。トリーブス医師も次第にジョンを理解していきます。ジョンは向学心旺盛な心の美しい人間だということを知るのです。

物悲しいお話です。容姿の醜いジョン・メリックは、純粋で心優しい青年です。たとえ美しく着飾り、富も名誉のある人物でも心が貧しければ人生を豊かに生きることはきっと困難だと思います。とても小さな幸せを心から感謝しながら生きるジョン・メリックの純粋さが痛々しくもいじらしくも感じられとっても切なくなりました。全編モノクロの世界でさらにその悲しさが増長されているかのように感じます。

「実録」や「伝記」に弱い私は、この作品のモデル、ジョゼフ・メリックのことがどうにも気になるので、ジョセフ・メリック関連のサイトを検索してみました。興味のある方はこちらをどうぞ。最後に記されているジョセフ・メリックの言葉が印象的です。<ジョセフ・メリック エレファントマン>

エレファント・マン@映画生活



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トッツィー

2007年03月05日 | ★★★★★



トッツィー
おすすめ度
原題:Tootsie
制作:1982年 アメリカ
制作:シドニー・ポラック ディック・リチャーズ
監督:シドニー・ポラック
脚本:ラリー・ゲルバート マレー・シスガル
出演:ダスティン・ホフマン ジェシカ・ラング テリー・ガー ダブニー・コールマン チャールズ・ダーニング ビル・マーレイ

女装つながりでトッツィーです。ガープの世界とちょうど同時期の1982年の作品です。トッツィーとは「かわい娘ちゃん」というアメリカのスラングだそうです。ぷぷっ。まあお馬鹿な映画です。子供の頃夏休み前後にやたら何度もテレビで観た記憶があります。

売れない役者マイケル(ダスティン・ホフマン)が女装して女優業を始めて人気者になっちゃうおめでたいコメディ映画です。女装モノだとロビンウィリアムズの「ミセス・ダウト」もいいですよね。女装姿は断然ダスティン・ホフマンの方がいけて(?)ますけど。なーんにも考えずただ楽しむ為だけに観るべきお気楽娯楽作品。時々妙にこんな作品観たくなるのです。

そういえばこの作品って、マイケルの友達役でビル・マーレイも出てるし、アンディ・ウォーホールもちょい役で出てますよね。大人になって気づいたときの「へえ~っ」ってかんじ何だかちょっと気持ちいいです。

トッツィー@映画生活



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ガープの世界

2007年03月04日 | ★★★★★


ガープの世界
おすすめ度
原題:The World according to Garp
制作:1982年 アメリカ
制作:ジョージ・ロイ・ヒル
監督:ジョージ・ロイ・ヒル ロバート・L・クロウフォード  
脚本:スティーヴ・テシック
原作:ジョン・アーヴィング
出演:ロビン・ウィリアムズ メアリー・ベス・ハート グレン・クロース ジョン・リスゴー ヒューム・クローニン

ジョン・アーヴィングの同名小説を映画化した作品ガープの世界です。すんごい話です。まんず普通の人は出てきません。というか、普通の人の印象なんて残りません。「ザ・ジョンアーヴィングワールド」です。

看護婦ジェニー(グレン・クロース)は子供は欲しいが結婚には興味がありません。ある日ガープという軍人が重態患者として病院へ運び込まれます。瀕死の状況にも関わらず、元気な下半身を見たジェニーは何と彼をレイプします。そして念願の子供を授かるのです。生まれた子供は父親の名前をとりT.S.ガープと名づけられます。

ジェニーは男子校の看護婦として生計を立て、成長したガープはその男子校に進学します。ガープ(ロビン・ウィリアムズ)はレスリング部に所属し、コーチの娘のヘレン(メアリー・ベス・ハート)に恋をします。紆余曲折ありながら小説家になった彼は後にめでたくヘレンと結婚をし、2人の子供に恵まれ幸せな生活を送ります。一方一方母親ジェニーは、「性の容疑者」という本を出版し一躍ベストセラー作家となります。そして彼女はウーマンリブのリーダー的存在となっていきました。ガープの周囲全てが順調にまわり始めたようでしたが、ある日とんでもない事件が起こってしまいます。


フットボール選手から女性に性転換したロバータ(ジョン・リスゴー)、幼い頃強姦され、犯人に舌を切りとられて身も心も傷ついたエレン・ジェームズ、またそんな彼女が受けた暴力に対して抗議するために自らの舌を切り落とす女性たち、などなど「傷ついた濃い人」たちが様々な思いを抱えています。なんというか、人生の不条理感というか、…うーんやるせない感じです。うまく説明できません。が。とにかくずしーんときます。是非観て下さい。

ちなみに、私は女装したジョン・リスゴーに夢中です。

ガープの世界@映画生活



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チャーリーとチョコレート工場

2007年03月03日 | ★★★★★


チャーリーとチョコレート工場
おすすめ度
原題:Charlie and the Chocolate Factory
制作:2005年 アメリカ イギリス
制作:ブラッド・グレイ リチャード・D・ザナック
監督:ティム・バートン
脚本:ジョン・オーガスト
原作:ロアルド・ダール
出演:フレディ・ハイモア ジョニー・デップ デイビット・ケリー ヘレナ・ボナム=カーター ノア・テイラー

昨日の流れから、チャーリーとチョコレート工場です。世間で話題になっていたときにあまりの人気ぶりに何となく引いてしまい、1年以上置いてから鑑賞しました。

面白い!と、何にも考えず純粋に楽しみました。ディープ・ロイ演じるウンパルンパの即興ミュージカルや、手の込んだこだわりの衣装やセット、鮮やかな映像美など、ひとつひとつにわくわくできます。「2001年宇宙の旅」「サイコ」などの名作のパロディを盛り込みつつ映画ファンへのサービスも忘れていません。大人から子供まで幅広い層が一緒に見ても楽しめるエンターテイメントです。

チャーリーとチョコレート工場@映画生活



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クレイマー、クレイマー

2007年03月01日 | ★★★★★


クレイマー、クレイマー
おすすめ度
原題:Kramer vs. Kramer
制作:1979年 アメリカ
制作:スタンリー・R・ジャッフェ
監督・脚本:ロバート・ベントン
原作:アヴェリー・コーマン
出演:ダスティン・ホフマン メリル・ストリープ ジャスティン・ヘンリー ジェーン・アレクサンダー

親子ものドラマの鉄板でしょう、コレは!クレイマー、クレイマーです。

仕事第一主義の男テッドは、大きなプロジェクトを任された記念すべき日の夜、妻から別れを告げられます。次の日から、息子ビリーと父子ふたりの生活がはじまります。最初はすぐに戻ってくると高をくくっていたテッドですが妻は戻ることはなく、その生活は1年以上続くのです。そんなある日、妻が現れ「息子を引き取りたい」と申し出ます。そして、ビリーを巡り裁判がはじまり運命の通告を受けます。

名優ダスティン・ホフマンの代表作のひとつです。いいですよね。いいお話です。この作品は誰が観ても楽しめる作品だと思います。フレンチトーストの名シーンもアイスクリームのシーンも大好きです。ビリー君の青空のお部屋も印象的で子供の頃、あんな部屋欲しいなあと思ったものです。

この作品は、テレビの再放送なども含めると相当何度も観ています。はじめてみたときは、子供目線だったので「なんか悲しい話だな」とブルーになった覚えがあります。でも今観るとまた感覚がちがいます。昔、あんなに勝手だな!!と感じていた奥さんのジョアンナの気持ちも分かる気がするし、テッドの気持ちもわかる。きっと子供をもつとまた全然違った感覚で観れるだろうなと思います。なので私はこの作品を、今後何度もちがった感覚で楽しめると思います。

クレイマー、クレイマー@映画生活



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オーメン

2007年02月28日 | ★★★★★

オーメン
おすすめ度
制作:1976年 アメリカ
制作:ハーヴェイ・バーンハード
監督:リチャード・ドナー
脚本:デヴィッド・セルツァー
出演:グレゴリー・ペック ハーヴェイ・スティーヴンス リー・レミック

オーメンは私が子供の頃観たホラーの中で一番怖かった映画です。1976年製作でリチャード・ドナー監督の出世作であり不朽の名作です。

小学生のころ日曜日にテレビで観たのが初見。怖くて仕方なくて真夏なのに毛布をかぶって観た記憶があります。あれから約20年。こんな地味な映画だったっけ?ホラーというよりは、サスペンスを観ている感覚の方が近かったかもしれません。あのときのような衝撃はないものの、また違った見方ができ、楽しめました。

今回はDVDでの鑑賞で、監督と編集のコメンタリーや制作についてのインタビューなどを特典映像として観る事が出来ました。私の大好きな映画のひとつキューブリックの「シャイニング」の三輪車のシーン。あの元ネタは、オーメンでダミアンが階段の渡り廊下を三輪車で走るシーンを模倣したものだと知りました。へーえ、なるほど。何となく感激です。

映画的にもかなり低予算で作られたそうで、撮影には大変な工夫が凝らされています。特撮の手法などもコメントがあり大変興味深かったです。「お金が無ければ知恵を出せ」というお手本のような映画だなあと感心しました。今ならきっとさらっとCGで処理するところを制作サイドの知恵で手作り感満載で作成されているのが逆に新鮮です。CGにはCGの素晴らしさはあるけど、私的にはホラー映画や特撮映画はアナログ手法を多様している過去の作品の方が味わい深くて好きです。(チープな感じを含め)実際、洋画のホラー映画は大人になってから観たものは殆ど印象に残っていない気がします。

コメンタリーのなかで、監督の解釈では「この映画はホラーではない。」と言っていたのにもびっくり。「本当は悪魔なんていない。偶然が重なり思いつめた父親がわが子を手にかけてしまうというサスペンスなんだ。」と。なるほど。確かに今観ればそんな見方をすることが出来るし、逆にそのほうが怖いです。映画って本当に奥深いですね。

オーメン@映画生活



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シャイニング

2007年02月27日 | ★★★★★


シャイニング
おすすめ度:
原題:THE SHINING
制作:1980年 イギリス・アメリカ
制作:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック ダイアン・ジョンソン
原作:スティーブン・キング
出演:ジャック・ニコルソン シェリー・デュヴァル ダニー・ロイド


いいですね。この面構え。シャイニングです。もう、とにかくニコルソンにやられっぱなしの2時間です。

原作に忠実でないとかで、この作品に対して、スティーブン・キングは、ちょっぴりおかんむりだったとか。後に違う監督で原作を忠実に(?)製作した「スティーブン・キングのシャイニング」より、私は絶対キューブリック派です。っていうかニコルソン派です(爆)迫真のその演技は、まさにニコルソン祭り。色んなニコルソンが楽しめます。実に素敵な顏芸でした。

死者は出ますが、悲鳴を上げるような直接的な恐怖ではないんですよね。何だか逃げ出したくなるような、じわじわ迫ってくる、そんな恐さなんです。ダニー君(この子がまた、えらくかわいらしいのです。)が廊下を三輪車で走るシーンとか、2人の少女が登場するシーンなど、何だか子供って、かわいいけど、恐いです。シーズンオフのリゾートホテルというシチュエーションも、恐い。日頃沢山人のいる公共の場が無人に近い状態ってそれだけですごく気味が悪いですよね。じとーっとした湿気というか、なんとも言えない空気間と緊張感がとても良かったです。芸術的で印象に残る映像も秀逸。さすがキューブリックです。

シャイニング@映画生活



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博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

2007年02月26日 | ★★★★★


博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

おすすめ度
原題:Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
制作:1964年 イギリス
制作:スタンリー・キューブリック ヴィクター・リンドン
監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック ピーター・ジョージ テリー・サザーン
原作:ピーター・ジョージ
出演:ピーター・セラーズ ジョージ・C・スコット スターリング・ヘイドン キーナン・ウィン スリム・ピケンズ

またキューブリックものです。ピーターセラーズの振り切れた演技が最高の博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかです。長いタイトルですよね。

米ソの冷戦時代に制作されたキューブリック節炸裂のブラックコメディです。アメリカの空軍基地の司令官が発狂し、核攻撃を命令します。それを知ったアメリカ政府首脳部は、ソ連首脳とのホットラインで、もしソ連が攻撃を受けたら世界中の生物が滅亡うする威力を持つ核爆弾を自動的に作動するという事を知ります。両国の、そして世界の未来は?

大統領科学顧問のマッドサイエンティストなストレンジラヴ博士、反ソ感情に囚われてちょっぴりおかしくなったリッパー将軍、超タカ派のタージドソン将軍、唯一の常識人(?)マンドレイク大佐 などなど強烈なキャラクターが可笑しくて仕方がないです。登場人物のキャラが濃すぎて観終わったら若干の疲労感さえおぼえます。

歴史の背景、モデルになった人物、原作と映画の視点の違いなどを踏まえてみるとより楽しめます。いろんなピーターセラーズと、全てにおいて隙のないキューブリックイズムを思いっきり楽しめる作品です。

博士の異常な愛情@映画生活



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チャンス

2007年02月25日 | ★★★★★
チャンス
おすすめ度
原題:BEING THERE
制作:1979年 アメリカ
制作:アンドリュー・ブラウンズバーグ ジャック・シュワルツマン
監督:ハル・アシュビー
原作・脚本:イエジー・コジンスキー
出演:ピーター・セラーズ シャーリー・マクレーン メルヴィン・ダグラス ジャック・ウォーデン

ずっとへビーな作品ばかりなので、このあたりでコメディ映画をはさみたいと思います。ハル・アシュビー監督、ピーターセラーズ主演のチャンスです。(独断と偏見ですが)私が今まで観たコメディの中で、一番上品かつ大人なコメディ作品です。

何十年も大きな屋敷の庭師として働いてきた男チャンス(ピーター・セラーズ)。ある日屋敷の主が突然亡くなってしまい、路頭に迷ってしまいます。彼は、長い間屋敷から出たことがなく、読み書きも出来ません。業者から屋敷から立ち退くように言われた彼は街を彷徨います。街ではじめて目にするものばかり。そんなとき、チャンスは車の接触事故に遇います。車の主人はイブ・ランド(シャーリー・マクレーン)。彼女は経済界の大物ベンジャミン・ランド(メルビン・ダグラス)の妻でした。チャンスの怪我を心配した彼女は屋敷へ来てほしいとチャンスに申し出ます。チャンスはその後、ベンジャミン・ランドの後押しで訳もわからないまま政治の世界へ関わることになります。

ドタバタコメディも楽しいのですが、この作品はとってもゆるりとした空気が流れています。そんな穏やかな雰囲気の中にも痛烈な社会批判も唱えられています。そして気が付けば自然に口角があがっている、そんな作品です。鑑賞後の余韻込みでとっても楽しめるお気に入りです。

ハル・アシュビー監督初見作品なので、これから色々観てみたいと思っています。ニコルソンが好きなので、まずは さらば冬のかもめあたりから挑戦してみます。

チャンス@映画生活



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愛のコリーダ

2007年02月24日 | ★★★★★


愛のコリーダ
おすすめ度:
制作:1976年 日本 フランス
製作:若松孝二・アナトール・ドーマン
監督・脚本:大島渚
出演:藤竜也 松田英子 中島葵 芹明香

アナトール・ドーマン繋がりで大島渚監督の愛のコリーダです。昭和の犯罪史を代表する「阿部定事件」をモチーフに作成された作品です。「女性が起こした猟奇殺人事件」としても稀な事例だと思います。

1976年の公開当時は規制のため大幅なカットが余儀なくされたという問題作。2000年に完全版として再公開されています。制作にあたっても国内では規制が発生するため編集作業はアナトール・ドーマンの協力によりフランスで行われたそうです。この種の「規制」に対して私は少々疑問を感じます。「規制」をすることにより、作品本来の芸術性や作品性が大きく歪曲されてしまうのではないかと思うのですが…。何でもアリでという訳にはいかないデリケートな問題なのでしょうが…。「映倫」様。ひとつ宜しくお願い致します。

中居の定は店の主人の吉蔵と愛人関係になります。関係が深くなるに従いふたりの情交はエスカレートしていきます。ついに定は吉蔵を殺害し、局部を切り落としてしまいます。ふたりの「究極の愛の形」があの凄惨な最期。壮絶です。でも、吉蔵は望んでいたのだと思います。まさに「事実は小説よりも奇なり」です。決してウキウキできる作品ではありませんが、心に残る作品であることには違いありません。

見終わったとき、私は、この阿部定という女性がとっても気になりました。「彼女はどんな生い立ちなんだろう?」とか「事件後彼女はどうなったんだろう?」など。興味がある方はこちらをどうぞ。事件前後の彼女の動向が書かれています。<阿部定事件>

愛のコリーダ2000@映画生活



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ブリキの太鼓

2007年02月23日 | ★★★★★


ブリキの太鼓
おすすめ度
原題:DIE BLECHTROMMEL(独) DE TAMBOUR(仏) TIN DRUM(米) 
制作:1979年 ドイツ・フランス
制作:フランク・ザイツ アナトール・ドーマン
監督・脚本:フォルカー・シュレンドルフ
原作:ギュンター・グラス
出演:ダーヴィット・ベネント マリオ・アドルフ アンゲラ・ヴィンクラー ハインツ・ベネント

ニュー・ジャーマン・シネマの名手フォルカー・シュレンドルフの大作ブリキの太鼓です。ぶっちゃけ毒々しいです(笑)絶対に何か食べながら見てはいけません。

舞台は第二次世界大戦のポーランド。主人公オスカルは3歳の誕生日にブリキの太鼓を母親からプレゼントされます。その日、大人の嫌な現実を目の当たりにしてしまい失望します。そして、成長を3歳で止めることを決意し、自ら階段から落ちます。それからオスカルは本当に身体的に成長が止まってしまうのです。そしてちょうどその頃から、太鼓を叩きながら奇声をはっするとガラスが割れるという不思議な力を手にします。戦争は次第に激化していく中、オスカルを取り巻く環境も大きく様変わりしていきます。

いやいやこれまたスゴイ作品ですよ。なんと言ってもこの作品はオスカル役のダーヴィット・ベネント君なしでは語れません。(役が役だけに、)この子は一体何歳なんだい??と気になってしょうがなかったんですが、何とこの当時若干12歳だったそうです(驚)びっくりデス!!あの表情!あの台詞!!あの目つき!!!本当はオッサンなんじゃ…。なんて思うほどでした。本当にあの難しい役を見事に演じていました。このダーヴィット・ベネントという役者さんは、1985年のトム・クルーズ主演の「レジェンド/光と闇の伝説」以降の足跡が良く分からないんですよね。もし、ご存知の方がおられれば是非教えてください。

ちなみに、この作品はフォルカー・シュレンドルフの同名小説のほんの序盤だそうです。読んだ友達が「面白かったよ」といっていたので、私も読んでみようかな、なんて思っています。

ブリキの太鼓@映画生活



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タクシードライバー

2007年02月22日 | ★★★★★


タクシードライバー
おすすめ度
制作:1976年 アメリカ
原題:Taxi Driver
制作:マイケル・フィリップス ジュリア・フィリップス
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
出演:ロバート・デ・ニーロ シビル・シェパード ジョディ・フォスター

ここまできたら、ベッタベタにいきましょう!アメリカン・ニューシネマを代表する名作タクシードライバーです。モヒカン頭のデ・ニーロが拳銃をもってチャキーンっとポーズをとるシーンはとっても有名ですよね。

ベトナム戦争で兵役を経験したトラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は戦争の後遺症がひどく、なかなか定職につけません。ようやくタクシー会社に就職できても、同僚となじめず孤立してしまいます。せっかくの休日に一緒に過ごすこ相手もいません。夜の街に出れば出たで、堕落した若者の姿が目について、不快感を覚えるのでした。

そんな彼も恋をします。大物政治家の事務所に勤めるベッツィー(シビル・シェパード)に一目惚れをするのです。やっとの思いでデートにまでこぎつけるのですが、何と彼は彼女をポルノ映画に連れて行くのです。当然彼女はかんかんです。どんなに取り繕っても彼女の怒りを鎮めることは出来ず、最後には彼女に対して逆ギレしてしまうダメダメぶり。

トラヴィスの病状はどんどん悪化していき次第に妄想を抱くようになります。「こんな廃退したした世の中を、自分が浄化しなければならない」と。ある日、少女(ジョディ・フォスター)が助けを求めてタクシーに乗り込んできます。トラヴィスは、売春婦の少女が仲介人に追われていると気づきますが、結局彼女は男に連れ去られて行きます。その後トラヴィスは偶然に少女と再会します。彼は、彼女に売春をやめるように説得をします。トラヴィスは彼女との出会いで「正義」に目覚めていきます…。

デニーロは、この作品で瞬く間に大スターとして世に知られる存在となります。このとき彼は、役作りのために数週間タクシードライバーとして仕事をしたそうです。さっすが「元祖ザ・役者バカ」です(笑)ジョディ・フォスターはこの作品で、アカデミーで助演女優賞にノミネートされ、本格派女優としての一歩を踏み出します。彼女は、このときのデ・ニーロとの出会いは女優として大きな転機となったと後に語っています。

そういえば、スコセッシもチョイ役で出演しています。未確認の方は是非探してみて下さい(笑)

タクシードライバー@映画生活



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アマデウス

2007年02月21日 | ★★★★★


アマデウス
おすすめ度
原題:Amadeus
制作:1984年 アメリカ
制作:ソウル・ゼインツ
監督:ミロス・フォアマン
原作・脚本: ピーター・シェーファー
出演:フランク・マーリー・エイブラハム トム・ハルス エリザベス・ベリッジ

1984年の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞をはじめ8部門を受賞した伝記映画の名作です。日頃敷居の高いイメージのクラッシック音楽ですが、「ちょっと聴いてみようかな?」という気持ちになりました。衣装・セットも美しく観応えがあります。

18世紀に活躍したウォルフガング・アマデウス・モーツァルトとアントニオ・サリエリ、対極的な2人の音楽家の物語です。モーツァルトは型破りでドラマティックな作曲をする「奇才」。サリエリは聴く力、教える力が長けた一流の宮廷音楽家です。そんな彼だからこそ誰よりも強くモーツァルトの才能に脅威を感じたんですね。

モーツァルト自身ではなく、サリエリ目線で描かれていたのがとても斬新でした。短命に終ったモーツァルトの人生もなかなかパンチが効いていましたが、サリエリのモーツアルトに対する嫉妬心、ある意味の恐怖心が痛々しく、何だか哀れになってきます。サリエリの最後の言葉はとっても重いです。

アマデウス@映画生活



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