カッコーの巣の上で
おすすめ度:
原題:One flew over the cuckoo's nest
制作:1975年 アメリカ
制作:ソウル・ゼインツ マイケル・ダグラス
監督:ミロス・フォアマン
脚本:ローレンス・ホウベン ボー・ゴールドマン
原作:ケン・キージー
出演:ジャック・ニコルソン ルイーズ・フレッチャー ウィリアム・レッドフィールド
アメリカン・ニューシネマを代表する名作のひとつ、カッコーの巣の上でです。ラストはカタルシスを感じずにはいられない心に残る名シーンです。
主人公のマクマーフィーは刑務所の刑期から逃れる為に病気を装い精神病院へ入所します。婦長のラチェッドは規律を重んじる生真面目な人物。そんな婦長に対してマクマーフィーは反抗ばかりします。施設の決められたルールを守らず、グループセラピーをボイコットしたり、勝手に船で海に出たりと、とにかくやりたい放題です。ついに婦長の逆鱗に触れマクマーフィーは外出禁止となってしまいます。それでも懲りないマクマーフィーは、クリスマスの夜にお酒を持ち込み、女性を連れ込み施設内で大騒ぎをします。そしてついに決定的な事件が起こってしまうのです。
舞台版「カッコーの巣の上で」の婦長は、もっと分かりやすく怒りを露にするキャラクターとして演じられていたそうですが、本作の婦長を演じたルイーズ・フレッチャーは、「これを守ることがあなたの為なんです。」と真剣に詰め寄る「静」の怒り(怖さ?)を見事に表現しています。感情的に怒鳴られるよりそのほうが余程恐ろしいです(汗)
この作品を観てロボトミー手術なるものを初めて知りました。第二次世界大戦後に精神分裂症で凶暴性を持つ患者をおとなしくさせることが出来るという事で大変もてはやされていたそうです。現在はこの手術は行われていないそうですが。(術後の患者は感情面が極端に乏しくなるという後遺症も認められ、薬の発達と共に行われなくなったそうです。)映画を通して、驚くような事実を知るのはしばしばあります。ほんの数十年前まではこういう事が普通に行われていたことに驚きを覚えます。
・カッコーの巣の上で@映画生活