徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

カッコーの巣の上で

2007年02月20日 | ★★★★★


カッコーの巣の上で
おすすめ度:
原題:One flew over the cuckoo's nest
制作:1975年 アメリカ
制作:ソウル・ゼインツ マイケル・ダグラス
監督:ミロス・フォアマン
脚本:ローレンス・ホウベン ボー・ゴールドマン 
原作:ケン・キージー
出演:ジャック・ニコルソン ルイーズ・フレッチャー ウィリアム・レッドフィールド 

アメリカン・ニューシネマを代表する名作のひとつ、カッコーの巣の上でです。ラストはカタルシスを感じずにはいられない心に残る名シーンです。

主人公のマクマーフィーは刑務所の刑期から逃れる為に病気を装い精神病院へ入所します。婦長のラチェッドは規律を重んじる生真面目な人物。そんな婦長に対してマクマーフィーは反抗ばかりします。施設の決められたルールを守らず、グループセラピーをボイコットしたり、勝手に船で海に出たりと、とにかくやりたい放題です。ついに婦長の逆鱗に触れマクマーフィーは外出禁止となってしまいます。それでも懲りないマクマーフィーは、クリスマスの夜にお酒を持ち込み、女性を連れ込み施設内で大騒ぎをします。そしてついに決定的な事件が起こってしまうのです。


舞台版「カッコーの巣の上で」の婦長は、もっと分かりやすく怒りを露にするキャラクターとして演じられていたそうですが、本作の婦長を演じたルイーズ・フレッチャーは、「これを守ることがあなたの為なんです。」と真剣に詰め寄る「静」の怒り(怖さ?)を見事に表現しています。感情的に怒鳴られるよりそのほうが余程恐ろしいです(汗)

この作品を観てロボトミー手術なるものを初めて知りました。第二次世界大戦後に精神分裂症で凶暴性を持つ患者をおとなしくさせることが出来るという事で大変もてはやされていたそうです。現在はこの手術は行われていないそうですが。(術後の患者は感情面が極端に乏しくなるという後遺症も認められ、薬の発達と共に行われなくなったそうです。)映画を通して、驚くような事実を知るのはしばしばあります。ほんの数十年前まではこういう事が普通に行われていたことに驚きを覚えます。

カッコーの巣の上で@映画生活



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映画の見方がわかる本

2007年02月19日 | ★★★★★
映画の見方がわかる本
おすすめ度
著者:町田智浩
出版社:洋泉社

「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」難解とされる映画の解説・裏話が満載。他にも私の大好きな「タクシードライバー」、子供の時に観て驚愕した「猿の惑星」などの名作についても語られています。この本を読んだ後にまた作品を観直すと、一味違った楽しみ方ができますよ。映画好きな人には是非おすすめしたい1冊です。



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2001年宇宙の旅

2007年02月18日 | ★★★★★


2001年宇宙の旅
おすすめ度
原題:2001: A SPACE ODYSSEY
制作:1968年イギリス・アメリカ
制作・監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク
出演:キア・デュリア ゲイリー・ドックウッド ダグラス・レイン

またまたベタです(笑)言わずと知れたキューブリックの名作です。この作品が60年代の作品だなんて本当にビックリですよね。キューブリックの映像って全く古さを感じません。本当に偉大なクリエーターさんだと思います。

あまりにも有名な冒頭での猿とモノリスの場面。ここではニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」 が壮大に流れます。実は私、何度観てもこの音楽が流れると爆睡してしまうのです(笑)私にはどうもリラックス効果絶大みたいです。

まあ、この話も難解です。モノリスって何?とか、あの赤ん坊(スター・チャイルド)は何?何で最後ボーマン船長はヨーロピアンモダンな空間でおじいちゃんになるの?何?何?と謎は深まるばかりです。実は、私この話も例の謎解き本を読みました。

この映画にはもともとは、ナレーションが付いていたそうです。でも、最後に「説明的すぎる」との判断で削除されたそうです。2001年はとくに難解なので、かなり多くの謎解き本が出ています。映画の裏側なんかを色々調べてみるのも楽しいものです。

2001年宇宙の旅@映画生活



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時計じかけのオレンジ

2007年02月17日 | ★★★★★



時計じかけのオレンジ
おすすめ度
原題:A Clockwork Orange
制作:1971年 イギリス
制作・脚本・監督:スタンリー・キューブリック
原作:アンソニー・バージェス
出演:マルコム・マクダウェル パトリック・マギー マイケル・ベイツ

あらすじ
喧嘩、盗み、歌、タップ・ダンス、暴力。山高帽とエドワード7世風のファッションに身を包んだ、反逆児アレックス(マルコム・マクドウェル)には、独特な楽しみ方がある。それは他人の悲劇を楽しむ方法である。アンソニー・バージェスの小説を元に、異常なほど残忍なアレックスから洗脳され模範市民のアレックスへ、そして再び残忍な性格に戻っていく彼を、スタンリー・キューブリックが近未来バージョンの映画に仕上げた。忘れられないイメージ、飛び上がらせる旋律、アレックスとその仲間の魅惑的な言葉の数々。キューブリックは世にもショッキングな物語を映像化した。当時、議論の的になったこの作品は、ニューヨーク映画批評家協会賞の最優秀作品賞と監督賞を受賞し、アカデミーでは作品賞を含む4部門にノミネートされた。現在でも『時計じかけのオレンジ』のその芸術的な衝撃と誘惑は観る人々を圧倒する。(DVD/Blu-rayデータより)



気恥ずかしくなるほどにベタですが、記念すべき第1作品目のレビューは、
「時計じかけのオレンジ」です。
スタンリー・キューブリックを初めて知った作品で
観たときの衝撃は今でも鮮明に覚えています。
鑑賞後しばらく呆然としてしまいました。


暴力シーンすら美しく感じさせるスタイリッシュで隙のない映像。
若き日の主演マルコム・マクダウェルの妖艶な美しさ、
物語のキーとなるベートーヴェンの「交響曲第9番」。
シンセサイザー音が耳から離れません。



解説本も複数出版されていて、私もその中の1冊を読んだのですが、
それを踏まえて鑑賞するとまた違う印象を受けました。
英語とロシア語をごちゃまぜにした人工言語「ナッドサット言葉」
暴力性を治療するための「ルドヴィコ療法」 などなど
独特な世界観と難解な箇所が多い事もマニアが多い所以なのかもしれません。




この作品は私にとっての「初めて」がたくさん詰まった思い出深い1作です。








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