鳥
おすすめ度
原題:The Birds
製作:1963年 アメリカ
製作・監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ジョセフ・ステファノ
出演:ロッド・テイラー ティッピ・ヘドレン ジェシカ・タンディ スザンヌ・プレシェット ヴェロニカ・カートライト
キャッチコピー:恐怖映画の巨匠ヒッチコックの最高傑作
鳥たちが、人間を食いちぎる このショック! 凄まじい恐怖が、あなたを襲う!
ホラー映画の名作中の名作、アルフレッド・ヒッチコックの「鳥」です。この作品を初めてみたのは忘れもしない今から○○年前の高校生の頃。懐かしいですね〜。何となく観たくなり久しぶりにレンタルしてみました。
ひょんな事から知り合ったメラニー・ダニエルズ(ティッピー・ヘドレン)とブレナー(ロッド・テイラー)。何となく彼の事が気になったメラニーは彼の妹の誕生日プレゼントを届ける為に彼の故郷であるボデガ湾を訪れます。無事自宅へ届けモーターボートで移動する途中、突然舞い降りてきた1羽のかもめが、メラニーの額をつつき飛び去ります。追いかけてきたブレナーは彼女を手当てしながらディナーに招待します。すぐに帰る予定のメラニーでしたが、ブレナーの妹にせがまれ誕生日パーティーにも参加する事に。そしてパーティー当日、事件は起こります。近所の子供達が庭でゲームを楽しんでいると突然鳥の大群が群がり人間を襲い始めたのです。
ある意味この作品の主役である「鳥」。あの数え切れないほどの鳥!そしていつまでも耳に残るあの不気味な羽音。鳥のリアルな描写がとても印象的な作品です。観客を飽きさせないスリリングな展開とそれを支える編集も素晴らしい!
DVDには特典映像でメイキングが収録されていました。「どうやって撮ったんだろう…」と思うシーンが山盛りの作品だったので、とっても面白かったです。大きなスクリーンで観れない事は残念ですが、こういう過去の名作がメイキングと一緒に鑑賞できるのはとっても幸せな事ですねっ。
合成は、ディズニーが実用化した「ナトリウムプロセス」という技術を採用。従来のブルーシートではなく、背景に青白い影を残さない特殊な技術のようです。スタッフにもディズニーのアブ・アイワークスを特撮顧問に迎え数々の名シーンを生み出す事に成功しています。
また、雑音が入ったり、日光の加減が変わることを嫌ったヒッチコックは、ロケは必要最小限度に抑え、スタジオでの撮影を好んだそうです。
このシーンはスタジオ撮影です。
すごい。
この街全部セットです。
大掛かりです。
有名な街を見下ろすシーン。
背景の景色は実写ではなくこの画像のように
手描きの絵を使い合成した場面が何ケ所かあります。
これが違和感ないんですね〜。
黒い部分が実写になるところです。
背景は「絵」です。
凄い技術ですね!
ジャングルジムのカラスのシーン。
実はここのカラスの多くはフェイク!数羽の本物を使う事で、全部が本物に見える、という人間の目の錯覚をうまく利用しているんですね〜。カラスは雛から育てて調教をしたんだそうです(驚)
クライマックスの鳥に襲われるシーン。
このシーンの撮影は丸5日間かかりティッピー・ヘドレンの疲れはピークに達します。その翌日から1週間入院することに…。映画初出演でもある彼女にとって、相当ハードな現場だったという事が伺えますね。
ストーリー、演出、特撮、編集、音楽、役者の華、演技どれをとっても本当に素晴らしい作品だと思います。今のようにCG技術のない時代にこんなに優れた映像を作るなんて、本当に凄いですね!改めてこの作品の偉大さを実感しました。
おまけ
愛犬と一緒にカメオ出演。
タレント性のある監督さんですね。
・鳥@映画生活
・前田有一の超映画批評