あなたが空しく生きた今日は

『あなたが空しく生きた今日は、
　昨日死んでいった者があれほど生きたいと願った明日』

・・・って何かで読んだ事があったっけ。

今日は久しぶりに職場へ遊びに（？）行って来た。
丁度1週間前に同僚が愚痴りに来て
その時に、他の課でお世話になっていた講師の方が
進行癌で余命いくばくも無い事を聞いたから・・・
2月に手術した時は、もう手遅れだったらしい。
退院後、本人の希望で仕事を続けているけれど
講習が出来る体力は無く、上のはからいで
今は2輪の講習の事務を手伝っているとの事。

久しぶりにあった、その人は
想像してたより元気に見えたけれど
自分の病気の状態を知っていて
私がいる間中、「あとどれ位生きられるのかな～」と
繰り返し繰り返し・・・

こんな時
「大丈夫ですよ」とかの言葉は辛いだけだから
闘病中の大変さを、聞いてあげる事しか出来なかった。
でも、昔、大学病院に居たとき研究に携わった
「ストレスとNK細胞」の話をしたら
（簡単に言うとNK細胞とはガン細胞をやっつける細胞
ストレスがかかるとNK細胞機能が低下するというもの）
「そっか。今までは何とかしたくて治療のことばかり
考えてたけど、楽しい事を考えた方がいいのか」
「そう。思い切り我儘に暮らしていいの。
毎日が楽しければ、NK細胞が癌に勝ってくれるかも？（笑」
そういったら、初めて、意外そうにしながらも
声をあげて笑ってくれた。
ほんの気休めかも知れないけれど、
その時の彼の笑顔は作り物じゃなかった（と思えた）から
私はチョットだけ嬉しかった。

人間って、時には驚くほどシブトイ。
けれど、時には悲しいほど儚い。
死は平等に訪れるけれど
時間は決して平等ではない。
大事にしないとね！今日を。

Iさんが、そして皆が、ずっと笑顔でいられますように。