どこからか種がこぼれたのでしょうか。
駐車場の脇、側溝との隙間に一株のすみれが咲いているのを見つけました。
下を向いて歩いていてもいいことはあるものですね
そんな状況と同じような歌があります。
「とぼとぼと歩いてゆけば石垣の穴のすみれが歓喜をあげる 山崎方代」
山崎方代は甲府出身の漂泊の歌人です。
大正3年、甲府の南部、右左口に生まれました。
家庭の事情で甲府を離れてからも、故郷、右左口の景色を沢山詠んでいます。そのことからも「望郷の歌人」とも呼ばれていました。
生涯独身であり、街頭で靴の修理などをしながら各地を旅しました。寂しさと孤独と向かい合い素直な表現でいくつもの歌を生み出しました。
方代については《こちら》をクリックしてみて下さい。
好きな歌があります。
「一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております」
もろもろ思い出して・・・ぐっと来ます。
方代の故郷、右左口。
「みぎひだりくち」ではなく「うばぐち」と呼びます。
ここは南北に細長く伸びる甲府の南側に位置します。
右左口はかつて中道往還の宿場だったところで、今なおその面影が残っています。
農業をされている方が多く、とうもろこしの産地としても有名です。
是非この右左口の景色をご覧いただきたいので、甲府市移住・定住コンシェルジュのページにアルバムを作りました。
甲府市にお住まいの青柳さんからお写真を提供していただきました。
《こちらをクリック》
皆さんが想像している里山の景色はまだここにあります。
こんな景色を見ていると、方代の心にずっと里の景色が刻まれたのも分かるような気がします。