学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

リアルタイム修学旅行実況に思う

2009-06-18 | 教育
最近はインターネットの普及で
いろいろなことが可能になってきた。

例えば,
修学旅行中に撮影したスナップ写真などをまじえて,
修学旅行中にリアルタイムでWEBページをアップロードし,
保護者に旅行中の様子を伝えるという心憎いサービスが
可能になっている。

このようなサービスに,
保護者の満足度が高いのは当然であるが,
よくよく考えてみてもらいたい。

いったい,誰がその作業をしているのか。
わざわざそのために業者を連れていくほどの
資金的余裕のある学校もあるかもしれないが,
多くは教員がその役割に当たっているのである。

そうするとその教員は,
旅行中,カメラマンでもないのに
写真撮影に時間をとられ,
宿に着くや否やWEBページを作成するのである。

この教員が,
児童生徒を指導するのに割くべき時間が,
大幅に奪われているのである。

だいたい修学旅行というのは,
教員の手数は足りないのが普通である。
にもかかわらず,
WEBページの作成のような不要不急の仕事に,
本来の教育活動のための教員の時間が
取られるのである。

このような内部事情を保護者に理解せよというのは
難しいであろう。
保護者としては,我が子の様子が知りたいのである。

しかし,本来,教員の仕事として,
何が本当に大切なのかを見極めるのは,
それこそ管理職の重要な仕事ではないか。

喜ばれるサービスが,
必ずしも正しいサービスだとは限らないのである。

ちなみに私は修学旅行などには
カメラは持っていかないことにしていた。
教師は,子どもたちから目を離さないことが仕事である。
ファインダーを覗いていては
その仕事は完遂できないと思ったからである。