ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその384-音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!

2019年09月16日 | 邦画
突き抜けた感のあるハチャメチャムービー

ドーピング。スポーツ選手では、たびたび問題になる違法行為だ。
しかし、それ以外の職業でも、このドーピングは存在するのだろか。
今回紹介する映画は「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ‼」音楽業界にまつわる、ドーピングを描いた作品である。
ストーリーを紹介しておこう。

ロックシンガー、シンは、声帯にドーピングを処して、常人より大きな声を出せることで、人気を博していた。
もちろん「ドーピング」については、業界の秘密である。
シンは過剰なドーピングにより、声は破綻寸前であった。そんな折、彼は声が小さすぎて何を歌っているのか分からない、女性ストリートミュージシャンふうかと出会う。
最初は怪訝な感情をシンに持ったふうかだが、徐々に気持ちは打ち解けだし、彼女は韓国で声帯の整形をすればシンの声が壊れないことを知る。
シンとふうか、二人は韓国を目指し旅立つのだが.......

私はこれほど映画を馬鹿にした作りの作品に出合ったことがない。
無意味な高速のローリングショット、俳優たちの大げさで、下手な演技。どれをとっても良いところなどない。
しかし不思議に、そのような部分が、作品から「スコン」と抜けた時、初めてこの作品の面白さが分かってくる。
作品からと言うよりも、観ている側から「スコン」と抜けた時に、それは理解できるのではないだろうか。
一番いけないのは「中途半端」な「無意味さ」「下手さ」である。いままで様々な作品を観てきたが、私の嫌う映画はその手の映画が多い。
どんなことでも、徹底的にやり抜くこと、これが一番大切である。
その意味ではこの作品は、徹底的にやり抜いている。そこが良い。
ただ一つ残念だったのが、ラストシーンが今の日本映画のステレオタイプだったことだろう。
ここも終盤から、一気に突き抜けた作りであれば、もっと褒められただろう。
この映画の監督の、他の映画の映画評をネットで調べてみたが、どの作品も評判が低い。
きっと他の映画も、この作品のような作りとなっているからであろう。
しかし何度も繰り返すが、ばかばかしさを徹底的にやり抜くこと、そしてそれが観る側に伝わることで、評価は変化すると思う。
私はこの監督に興味を持った。他の作品も観てみたいと思っている。
一般的にはお勧めしづらい作品だが、興味を持たれた方は観ることをおすすめする。

2018年、日本製作、カラー、108分、監督:三木聡

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