ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその272-定本 日本の喜劇人

2017年11月22日 | 
ここ最近、若手お笑い芸人の人気が過熱している。
私が思うに、人気の上にあぐらをかいた、軽佻浮薄なお笑い芸人が、ただ舞台で騒いでいるだけに見えて、とても空しい。
玉石混合と言う言葉があるが、今の若手お笑い芸人は「石」ばかりで「玉」がいないのが正直な所だろう。
また、かって活躍したお笑い芸人は、人気が出ると、出演番組をバラエティーの「パネラー」限定にしたりして、本業の「お笑い」については、まったくそれの出演をしない。
漫才をしない漫才師や、コントをしない喜劇人がどれほど数あるものか。
かって、昭和の時代には三回お笑いブームが起こった。
第一次は昭和初期の「エンタツ・アチャコ」を中心とする、漫才中心のブーム。
第二次は昭和四十年代前半の漫才、コントと様々なお笑い芸が花開いた時代。私は今でも、これほどお笑いの百花繚乱時代を知らない。
第三次は昭和五十年代中盤「ツービート」「B&B」を中心とした漫才ブーム。
しかしこれからが良くない。
第四次と言えるブームが起こらない内に、二十世紀が終ってしまった。
かって、三度もブームを起こしたお笑いの世界は、次の世代へバトンを渡し忘れたらしい。
本日紹介するのは、この日本のお笑いを構成した「喜劇人」に焦点をあてた本「定本日本の喜劇人」だ。
著者は中原弓彦、現在は小林伸彦として執筆活動をしている。
本の内容を紹介していこう。
最初は、昭和初期の日本の喜劇人から紹介している。
古川緑波(通称ロッパ)榎本健一(通称エノケン)、更に日本の喜劇界のエポック、森繁久弥と続き、クレージー・キャッツ、藤山寛美の紹介で筆を置いている。
上記は、代表的な内容で、本自体はもっと多くの、過去の日本喜劇の状況をつぶさに、丁寧に紹介している。
この中でも、私が最も興味を持って読んだのは「トニー谷」の章だった。
以前このブログでも取り上げた、トニー谷。私の生まれる前の人気ボードビリアンであったが、それを示す書物等は皆無である。
個人的に好きな喜劇人である彼を、彼の人柄等を含め、知ることのできたのは、私にとっては収穫だった。
この本は、1970年代に発刊されているが、その後、1980年代に、第三次お笑いブームまでを補足したものが、文庫本として発刊されている。
いかに喜劇と言う物が面白く、また興味深いと言うことが十分に理解できる本である。
是非、皆様に一読をお勧めする。

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