閑散とした経営難のためではないのでご安心を!
元々定期メンテナンスで冬期に閉館することがあるのだ。
しかも、今年4月から民間指定管理者制度が導入されるそうで、簡単に言えばコスト削減のために川崎市はかなりの部分で手を引くことになる。
さて今日は駅前の用事を済ませてからバスに乗ろうとバス停に向かったら、バスに乗り遅れる。
私の時計ではまだ定時1分前だったのに目の前で通り過ぎられてしまった。
平日昼間なんて市民ミュージアム行きのバスの本数は極端に少ない。
仕方なく歩くことにした。

西明寺前バス停のところにあって石碑と案内板。
この辺りは中原街道といって、江戸時代初期はここが東海道だった。
小杉陣屋と小杉御殿があった場所だ。今も地名で残る。
徳川家康は、この小杉御殿に宿泊して鷹狩りをしていたという。
今、武蔵小杉といえば、新丸子東を中心とした再開発地区が有名になっているが、元々はこの辺りを小杉と言った。
なにせ私が今の住まいに引っ越した頃は、今の再開発地区を「裏コスギ」と読んでいた人が多かったくらいだ。

西明寺に行ってみる。
以前来たときは、夕方だったので門が閉まっていた。




大黒天。川崎七福神巡りというモノがあって、ここは大黒天なんだとか。


私の実家がお世話になっているお寺さんはとても小さいので、こう言う大きなお寺さんを見物させていただくと、本当にこの辺りは裕福だったのだなぁと思う。
小さなお寺さんもそれはそれでよいところもあるのだが、貧しい農村でやっと形を維持していた檀家も少ない寺とは大違い。
見所もたくさんある。
次に小杉神社にも立ち寄る。


ご神木はケヤキなのだそう。とても大きい。



狛犬は比較的新しく戦後に作られたモノ。


神社脇の小杉天満宮。近くの学生さんがお参りに来るのだろうか?
今日の目的地、川崎市民ミュージアム。

今日は、「川崎のくだもの」という展示が目的だったのだが、思ったりもこぢんまりとした展示だったことと、私が持っている資料の方が詳しくて思っていたモノとは違った。残念。

映画「シン・ゴジラ」と地元サッカーチーム川崎フロンターレのコラボ。
そう言えば、去年は駅前のショッピングモールで同じようなシン・ゴジラのフィギュアを見たなぁ。

こちらの写真の選手は大久保嘉人選手。たしか今年から移籍するという報道を見かけた…気がする。自信なし。

こちらの展示も見る。
作品展なのだが、普段美術館と言えば、ホキ美術館しかほぼ行かないので現代美術は全然分からない。
私のようなド素人がいいな、と思うモノと、プロ審査員がいいなと賞を与える作品は違うのだな、と思うだけ。
熱心に入選作を見入っている方がいたが、私にはよく分からなかった。
以前にもホキ美術館の作品展でも私がいいな、と思う作品と、ホキ美術館大賞の入選作はまったく違った。
私にとっては「これは入選しないだろう」と思っていたモノが大賞だったので、いかに私が審美眼音痴&無知だと思い知らされ、ガッカリしたことがある。
さて、期待以上によかったのは「かながわの最初の現代人」展。
全国的なことはよく分からないが、神奈川県で出土する石器は黒曜石が多い。
例えば!八ヶ岳(山梨県)、神津島(伊豆七島の1つ)、和田峠(長野県)からもたらされた石だ。
高速道路も鉄道もない時代、丸太を少々加工した船や人力でしか運べない時代によく100キロ以上離れた場所から運ばれたモノだと感心する。
学生時代に考古学の先生から、石器の作り方を図解されても「そんなに上手くいくものなの?」と懐疑心で聴講していた私。
今回、大きな石の塊からいくつも石器の元となる欠片を組み合わせて元の石の塊にした実物が展示されていた。
ああ、先生、疑ってごめんなさい。そうかこうなっているのかと納得した。
この展示は撮影禁止だったのだけれど、とても詳しい図録(しかも無料!)をいただいた。
本当にこれがタダでいいの?って言うくらい立派なものだ。
川崎市民ミュージアムは、国内では大変珍しい博物館&美術館の複合施設。
施設内には図書室も映像ホールもある。
以前はビデオライブラリー、カフェレストランもあったが、こちらは廃止された。
ショップも以前はたくさん商品があったが、今日はほぼ過去の展示の図録だけ。
なにしろ開館当時は大変な話題になった施設だったのだが、12年ほど前「民間なら倒産状態の経営」と言われ、様々な改革がされたという。
当初は入館料があったのに、ここ数年は企画展のみ有料。
交通の便は確かに良くないけれど、いい施設なら少し遠くても入館すると思うのだが。
それでもこの春からはリニューアル。
どんな施設になって、どんな姿になるのだろう?
川崎市民としてとても興味があるし、素晴らしい施設になってくれることを期待したい。