この日は、殆ど癒合剤塗布でした。
途中で兄が先日、組合主催の剪定講習会でTくんに会った時の会話を教えてくれました。
Tくんは兄より3歳年下の果樹農家の仲間の1人。
私にとっては小学生の時の習い事で一緒だったYちゃんの弟さん。
ゆえに兄は大人になってからの知り合いですが、私は小学生からの顔見知り。
そのTくんに兄が癒合剤の使用量を尋ねたみたいです。
するとTくんが兄に「え?そんなに使う量少ないの?そんなはずないよ。うちの半分じゃん!」と驚かれたそう。
先日、兄が私に「癒合剤、使いすぎ。もっと薄っすら塗ればいいから」と言われたンです。
で…。
結果として昨年まで癒合剤塗布をしていたのは父。
父がかなりいい加減に塗布していたことは兄も承知していたそうです。
それに比べて私は几帳面に塗布していたので、結果として癒合剤の量が不足気味になったとか。
なーんだ、私が無駄使いしていた訳じゃあないのねー、良かったー。
この夏の猛暑で、丘の上の果樹は軒並み幹の上部が枯れ込んでいました。
枯れた部分は、樹皮をバリバリと剥がして、樹皮が無くなった部分に癒合剤をたっぷりと塗布するのです。
癒合剤は人間でいう人工的なカサブタで傷を癒す効果があります。
枯れ込み部分が多いからどうしても癒合剤を使うものの、量をケチると来夏はまた酷く枯れ込む原因になるし。
剪定の切り口に塗る分をなるべくケチりながら、薄ーく塗布するしかなくて。
Tくんの言葉に感謝です。
↑組合からのお知らせで、当地でもネパール種の穂木の配布が始まるそうです。
これは隣の市(東京都内)の果樹農家が合法的に輸入した花粉採取用果樹です。
いや、ネパールではこの品種が代表的な品種らしいのですが、日本の品種とは比べ物にならないくらい酸っぱくて固いそうです。
だから日本では花粉採取用になるそう。
で、隣の市の農家さんから当市の研究施設で広く配布できるよう提供されて、この研究施設を通じて組合で配布する、という次第です。
実家では日本在来の花粉採取用品種を育てて、自家採取をしていますが、並行してこのネパール種も育てることになるでしょう。
これは中国での火傷病の発生のため、輸入花粉が昨秋にストップ、流通中のモノまで回収となったためです。
果樹農家では「火傷病ショック」と言われるほどの大事件です。
消費者の皆さまにはなかなか伝わっていないンですけれどね。
実家の農園では、花粉採取用品種は1品種しか生産していません。
でもネパール種が導入されれば、2品種となりスペアとしては心強くなります。
さてこの日は実家の乗用車のタイヤをスタッドレスタイヤに交換しました。
これまでタイヤ交換は父が補助をしていたみたいです。
先日、パンクしたタイヤ交換で私のアシストが良かった(?)みたいです。
先日のタイヤ交換でどういう作業手順か分かったので、私は道具をタイヤ脇に次々準備して、外したタイヤの始末をしていました。
兄が想定した半分の時間で終わったとのこと。
父がアシストしていた時は、もう父も足腰丈夫では無くなってきていたから、時間がかかっていたのでしょう。
この日は母と私の2人で父の面会に行きました。
10分間だけの面会ですが、その半分は目をつぶっていました。
最後は父がイビキをかいて寝てしまっていたし。
母は少し耳が遠くなっているので父の言葉をハッキリ聞き取れません。
父は「かえりたい」と言っていましたが、「いたい」と言っていると母に伝えました。
今の父を家には帰せません。
兄の願う「お父さんには、1日でも長く生きていてほしい」を達成できませんから。
父の願いの「延命措置はしない」は、すでに破っているので心苦しいです。
相反する願いですが、すでに延命措置に踏み切っている以上、兄の願い優先になってしまっています。
この日、父はさらに痩せてしまっていて頬骨の下が深く凹んでしまっています。
日々、体が小さくなっている、そんな印象です。
次回も楽しくお手伝いしたいです。