監督大チョンボで東洋大姫路あわや敗退の危機

東洋大姫路４－０海星


第９３回全国高校野球選手権第６日（海星０－４東洋大姫路、１１日、甲子園）珍しい監督の采配ミスを選手が救い、東洋大姫路が初戦を突破した。

　１点リードで迎えた七回、頭部への死球を受けたエース原に代わり、広田が臨時代走で出た。その広田が捕逸で二塁に進むと、藤田監督は「あいつの足ではかえって来られない」と代走に俊足の家入を送った。

　これが大きなミス。臨時代走に交代選手を出したことで本来の選手が退くことになってしまい、七回まで３安打無失点と好投していた原を降板させなければならなくなった。

　三牧一雅部長から指摘されると、藤田監督は「間違えた！」。大声がベンチ内で響いた。そして、「助けてくれ」と選手に懇願したという。

　その求めに応じるように、後藤田が八回に３点本塁打を放つと、急遽（きゅうきょ）登板した岩谷も２イニングを無失点と好投。「監督が『助けてくれ』と言っていたので、打ててよかった。（本塁打は）公式戦では初めて」と後藤田が言えば、岩谷も「めちゃくちゃ緊張したけど、自分の球が甲子園で通用するとわかってうれしい」と胸を張った。

　試合後、「七回は追加点のことだけを考えていて、頭の中がとんでいた」と苦笑いした指揮官は「今までの中で一番うれしい１勝。後藤田を抱きしめてやりたい」。自らのミスを帳消しにしてくれた選手らに感謝していた。（産経新聞の配信より）



臨時代走とは高校野球独自のルール。大学・社会人・プロではやらない。
藤田監督は昨年まで大学の指導者だったので、勘違いしたらしい。試合後の監督インタビューでもしきりに反省していた。

臨時代走に代走を出すというケースは今まで見たことがなかったので、私も「へ？原は試合出れんの？」と思ったが案の定、出場できず。この時点でまだ１点差。まして原は今大会注目の右腕で絶対的エースである。これで試合の流れは海星に傾くかと思ったが、２番手の岩田が何とか踏ん張り、事なきを得た。

もし、これで負けてたら…高校野球とはいえ大バッシングだったろう。逆にこのチョンボを選手が救ったことで東洋大姫路にさらに大きな結束ができたかもしれない。

海星の先発投手がマウンドのくぼみに足を取られ降板するなど、とにかく予期せぬトラブルが多い試合だった。