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なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで②  サイモン・シン/〔著〕 青木薫/訳

2021年02月17日 07時52分26秒 | 読書・戦争兵器


ロゼッタストーン・・・
紀元前196年に刻まれ、1799年に再発見された。
1つの文章が3つの文字で刻まれている。
上段がヒエログリフ。中段がデモティック、下段がギリシャ文字。
貴重な黒色玄武岩

ローレンツ暗号は、ヒトラーと将軍たちの通信に専用の暗号だったが、その暗号化を行っていたのがローレンツSZ40という暗号機である。この暗号機は、メカニズムこそエニグマ機のそれと似ていたが、複雑さという点ではエニグマ機をはるかに上回り、ブレッチレーの暗号解読者たちを大いに苦しめることになった。
1,500個の真空管を使用したコロッサスは、電気機械式リレーを使用したボンブよりもはるかに処理速度が速かった。しかしコロッサスの重要性は処理速度の速さにではなく、それがプログラム可能だという点にある。この点においてこそ、コロッサスは現代のデジタルコンピューターの先駆けとなったのである。こうして戦後、世界初のコンピューターの設計図は永遠に失われたのである。

1947年、AT&Tベル研究所は真空管よりはるかに安く作れるトランジスターを発明した。1951年にはフェランティ社などがコンピューターの注文制作を開始し、コンピューターの商用化が実現した。1953年にはIBMがコンピューター製造に乗り出し、1959年には集積回路(IC)が発明され、コンピューター新時代の幕開けを告げた。

IBMの開発した金星暗号:ルシファー

1970年代、銀行は特別な配達人を使って鍵を配送していた。配達人の選定に際しては綿密な調査が行われた。鍵配達人は、錠前の掛かったブリーフケースを抱えて世界中を駆け巡り、翌週に銀行からメッセージを受け取るはずの人物に直接鍵を配送していたのである。

歴史上どの時代の暗号作成者も、鍵配送問題に苦しめられている。たとえば第二次世界大戦中のドイツ軍最高司令部は、すべてのエニグマ・オペレーターに日鍵を掲載した本を毎月配達しなければならず、これは兵站上の大問題だった。Uボートは長期間基地を離れることになりがちだったが、それでもどうにかして定期的に鍵を届けなければならなかった。理論上はどれほど強力な暗号だろうと、実際は鍵配送問題によって弱められる恐れがあったのだ。



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