伊勢某所の住宅地にポツンとあった竹林の社のお話です。
たいして広くはありませんでしたが、うっそうと竹が茂ってていて、昼なお暗く、
外からは見えませんでしたが、小さい社がありました。
何を祀っていたのかは誰も知らないようでした。
竹、笹の隙間から時折社が見え、入りがたい雰囲気を醸し出していました。
当然大人はともかく子供でさえ祟られると近づいたり中に入ろうとする者はなく、
住宅地の中にあってそこだけ異世界のようでした。
何十年もそのままだったようですが、いつかそこに家が建つという話になりました。
購入したのは反社会勢力の幹部だったそうで、社のことなど気にせず、
そのまま家を建てたのです。カメラがいくつも付いた要塞のような家でした。
当然周囲の者は何か起きねばいいがと心配しましたが、
数年後、その幹部は抗争で射殺され、残った家族も次々と不幸な目にあい一家離散、
家は廃墟となりました。
やはり祟りが起きたか・・・と周囲の者が噂をするなか、
その家の隣の家の娘さんが結婚式一週間前に電車に飛び込み、謎の自殺をとげ、
これも社の祟りかと近所の者は震え上がったものです。
その家は20年以上廃墟のままでしたが、
最近グーグルアースで見たところ、新しい家になっていました。
さて、どうなっているか自分は今は知りようもありませんが、
何も起きていないといいのですが。