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寺院には何代も経つと知らぬ間に画軸や墨跡が残されて来るようであります。今まで懸けたこともない、開いたこともない軸が
軸箱に納まっています。虫干しも兼ねて少しづつ開いて写真に撮って調べられるものは調べ、訓めるものは訓でおこうと思い立ち
ました。
アップした双幅の水墨画は細い軸の双幅なのです。しっかりした筆致で描かれています。落款には「石華江漁」のように読めま
す。落款印は私には判読出来ません。明治初期の頃の人と思われる水墨画や書を良くされる人に加納雨逢と云う人がいて「石華」
の雅号を使っていたようなのですが判然といたしません。
細く長い紙面にバランスよく墨の濃淡でのみで双幅に描かれているこの軸はしゃれていると感じました。