地面の目印 -エスワン-

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タクシー数 その8

2017-09-18 12:37:25 | 数学

タクシー数 その6と7で行った6乗数の和であらわされる2次体の整数を10乗数の場合で行ってみる。その意図は5乗数の和で2通りに表されるケースの探索である。

 

よって、α=a  β=√m とおくと

 

したがって、

     (1)

とおくと

 

(1)でx+y=s, xy=t とおくと

 

この右辺をとおく時なる整数の組を求める。

この時、 となることに注意する。

したがって、かつt及びt'が正となる相違なる整数の組を見つければ、異なる実2次体の整数の5乗和として表される数が見つかることになる(タクシー数その4で2次体の整数の5乗和として表わされる例を示したが、一方は複素数であった)。

 さらにt, t'が平方数であれば異なる整数の5乗数の和としてあらわされる数が見つかることとなる。

 

今、s=s'とするとよりt=t'またはとなる。後者の場合、tもしくはt'は非正となる。したがって、以降s≠s'とする。この時、有理数a,bを用いて、

の形であらわせるとしてよい。すると

 

を整理すると

 

両辺を で割り整理すると

 

ここで上式がsとs'の対称式であることに注意し、とおき整理すると

 

これをβの2次方程式とみれば、有理数解をもつことから判別式は有理数γの2乗である。よって、

 … (A)

(A)の解(α,γ)を用いると

                   ………… (B)

ここでα=ka とおくと、(A)式は

 ………… (C)

両辺をで割り、をそれぞれと考えれば、a=1としてよい。

この時、(B)式は

 

s,s'はの解であるので、は有理数δの2乗となる。すなわち、

 

このγを(C)式に代入すると、a=1に注意すれば、

 

これを整理して

左辺の中括弧内をb'とすれば、δを定数と考えkに関する4次曲線(有理点があれば、4次楕円曲線)ともみなせるし、kを定数と考えればδに関する4次曲線である。

 δについては3次及び1次の項がないので、以後、kを定数と考え、δに関する4次曲線として考えることとする。

 この時、定数項が有理数の平方であれば、δ=0となる有理点を有する。定数項は

であるのでとなるケースを求めると有理数mにより、 とあらわされる。

 

ここで、4次楕円曲線の記事で述べた方法により、4次楕円曲線を3次のWeierstrass標準形に変換し、CoCalc (SageMathCloud) http://www.sagemath.org/ を用いて、有理点を探した。

m=2のとき、k=-132/221,δ=-100/221,b=13752/48841 なる解があり、

  s=-116/221, t=1572/48841, s’= -16/221, t’=616/2873 となる。これより、

 

分母を払い共通因子で割り、符号を調整すると

 

を得る。

 t及びt’が平方数となる例は、まだまだ見つからない。