地面の目印 -エスワン-

さまざま、気の向いたとき
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メモ3

2018-05-20 11:32:33 | 数学

  を満たす有理数は、の場合のみである。

 

 なぜなら、両辺を掛け合わせると、  したがって、 これが成立するのはの場合に限る。とすると、である。とするととなり、である。とすると、となる。とするととなり、。したがって、必ずとなる。

 

同様に 非平方有理数について

を満たす有理数は、の場合のみである。

 

なぜなら、2式の両辺にをかけると

 よって、より、上に述べたことよりとなる。その時、元の式に戻るとである。は非平方有理数であるので、これが成り立つのはのときに限る。

 

異なる非平方有理数については、

 は  と非自明の例がある。


タクシー数 その11

2018-05-04 09:26:30 | 数学

 タクシー数 その10 で真の意味において実2次体の5乗和で2通りに表せる例を示した。ここでは、その求め方を記しておく。

…(A)

の有理数解 k, δ, b について

 

とするとき、

 

であった。ここでt、t'が有理数の2乗であれば、s≠s'のとき2通りの5乗和で表されることがわかる。なぜなら、とすると5乗和が等しいので  これより となり矛盾。とすると 両辺を足して となり矛盾。

 とおくと  であるので(A)は、

 

となる。左辺の中カッコ内をv、また、r=δ/kとおくと

 

但し、

  とおくと、上の等式は

  となる。この有理数解が存在するとしてその一つを  とすると、一般解は、有理数gを用いて

  である。よって

  より 

  より

よって、T=mgとおきkをTを用いて表すと、上式は

  

となる。上式の左辺をYとすれば、このY,Tに関する4次式が有理点を有する、つまりT,Yに関する楕円曲線となれば、uが有理数解として求まる。

 

次にuとu’の関係からu'の満たすべき関係式を求める。

  より

  したがって、

 

 

 と の右辺はともにTの2次式の積である。積の左項は同一、右項はrの関数と見た時、rを-rに置き換えた式となっている。この式の左辺をY'とすれば、Y'、Tに関する4次式の有理点を求めればu'が求まる。

 

次に、の解を具体的に求め、u,u'が有理数となる場合を探してみる。

  

より

 が有理数の平方のとき、  は解である。

 が平方数でない場合、r=-7/15の場合など個別の解は見つかるがパラメータ解についてはよく分からない。

そのため、以下、 は平方数、であるとする。このとき、

 

である。この2つの3次式の有理点で共通のT座標を有する点が見つかれば、有理数の5乗和で2通りに表される例が見つかることとなる。

よりY, Y'に共通T座標の有理点があれば、 にも共通T座標をもつ有理点がある。結局、これらTについての3つの3次式または4次式のうち2つに共通のT座標を持つ有理点が見つかれば有理数の5乗和で2通りに表される例が見つかることとなる。

 

 タクシー数 その10であげた実2次体の5乗数で2通りに表される例を求めてみる。

➀ 片方が有理数の場合

r=-3/5とする。また、 とする。

この時、Yの式は

 

変形して

 

を得る。この楕円曲線の有理点の位数0の生成元をCoCalcにより求めると

 (18176,523776) と (39625,442875)

を得る。前者からは、 が負となる解が得られる。したがって、実2次体の例にはならない。

後者から、 なる解が得られる。

これをもとに、をもとめ、共通因子を排して、

 

を得る。

 

② 双方が実2次体の例

 とする。

 の の係数 が平方であれば、この4次式は有理点を有する。  とおくと、

 

これが、有理数の平方となるためには、つまり の有理数解を求めればよい。この一般解は、 である。一方、 なので、

 ともパラメトライズされる。 より  を得る。

よって、jを平方として  とすれば、4次式が有理点を有することになる。

  とおけば、

  よって、

 

これを本ブログの「4次楕円曲線」に記した手法でWeierstrass標準形に変換して有理点を探せばよい。

 

今、j=4したがって、r=-15/17とすれば、楕円曲線

 

を得る。この楕円曲線の位数0の有理点をCoCalcにより求めると

(-646647040/24137569,-4628556134400/118587876497), 

(-154717983680/6975757441,-2457482401059840/582622237229761), 

(-525982144/24137569 , -659062103040/118587876497)

を得る。

 最初の生成元より、逆変換してTの値を求め、Yの2乗を計算すると負の値になる。したがって、実2次体の例とはならない。この生成元の2倍は、

(41608541225/96550276,12315552262099515/948703011976)

となり、同様の計算をすると以下が得られる。

   

これをもとに、をもとめ、共通因子を排して、

を得る。 

 の有理点のうち、Yの有理点となるものがないか、いくつかのrについて計算したが、なかなか有理点にはなりそうもない。やはりあてずっぽうではうまくいかない。

 どなたか一緒に探しませんか。