その2と書いたが、以前書いた4次楕円曲線の記事とのつながりはない。また、内容のほとんでは、通常の3次の楕円曲線である。前置きはこれくらいにして、楕円曲線
の有理点を考える。ここでmは平方因子を持たない自然数とする。mが正の有理数のときは、
ここでm’は平方因子を持たない自然数。aは有理数。
とすれば
となるので、mが正の有理数のときでも平方因子を持たない場合に帰着できる。
Q上の楕円曲線の有理点全体は有限生成アーベル群(モーデル・ヴェイユ群)であることが知られている。今、この群の階数(ランク)を考える。Cocalcによるm<100の結果から
予想
mが奇数のとき、m≡1または7(mod8)の時、ランク1
m≡3まはた5(mod8)の時、ランク0
mが偶数のときは、改めて 2m (mは平方因子を持たない奇数)と書き換えれば
m≡5または7(mod8)の時、ランク1
m≡1または3(mod8)の時、ランク0
を立ててみた。この予想の例外は、m<100では、m=21, 51, 85の時のみであり、その時のランクは2である。ちなみにm<100のモ―デル・ウェイユ群のランクと位数無限大の生成元は下表のとおりである(予想が成り立たない場合を黄色で網掛けした。)
上の予想は、mが奇素数のとき、m≡1まはた7(mod8)のときランク1、それ以外ではランク0となる。
反例があれば教えていただけれありがたいです。
ちなみに、yの2乗がxの2次式のとき、つまり
の場合は、(0, m)という有理数解があるので、有理数解をパラメータ表示できる。
xの4次式の場合、つまり
のときは、式を変形して
であり、
は、4次楕円曲線の記事の方法でWeierstrass標準形に変形すると
であり、この楕円曲線のランクは1であり、(-1,1/2)という位数無限大の生成元を有する。
したがって、元の4次楕円曲線 さらには、 についても、mが何であっても無限個の有理数解を有する。