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日々のちっちゃなヨロコビを見つけたい

奈良旅の続き 憧れの奈良ホテル

2015-07-25 20:50:19 | 国内旅行

奈良では、感動の連続だった。

 

こんなに大きな動物が、素敵に自由に街をうろついてるところ、なかなか無いよね。

あっちに行っても、可愛い鹿さん

 

 

こっちに行っても、可愛い鹿さん

 

 

自然と人間の穏やかな交流。

素晴らしいの^^

 

同じ野生動物が居るエリアでも、猿とかが騒がしくやって来ては、お土産屋さんから商品盗んでダダーッと逃げてく、みたいなエリアもあって、そういうところはお気の毒だけど、ここの鹿は穏やかでいいねぇ!

超気に入った。

 

 

大仏様には、結局会わずに帰って来たけど、このメインエリアで一番行きたかったところは確実に行って来た。

奈良ホテル。

100年以上の歴史を持つ、超クラシックな、和風建築の素晴らしいホテル。

奈良に行くと決まる前から、いつか行きたいと思っていた憧れのホテルだった。

 

けど、だいぶ前から予約を試みたけど、なぜか私の奈良滞在中はずっと満室マークが出ていて、宿泊は出来なかった・・・。

聞けば、ある学会の会合で全館おさえられてしまっていたらしい・・・。

無念・・・。

 

しかし、「建物だけでも見て、お食事だけでも雰囲気を味わって来たい!と思っていたから、メインダイニングでおランチを食してきた。

 

もうね、小高い丘を登ってって、この建物を見ただけで感激

 

 

 

 

 

予約の時に、「一人なのに我儘を言って申し訳ないが、景色のいいお席を・・・」とお願いしてみたら、世界遺産で、あの超人気の阿修羅像がいらっしゃる興福寺のシンボル、五重塔が正面に見える素晴らしいお席を用意してくださった。

 

 

高い天井の、重厚な造り。

素敵なカーペット。

これぞ、クラシックホテルの風格。

 

一気にテンション高まる。

 

 

コースにしたけど、お野菜たくさん食べたくてサラダを追加オーダー。

全てのお野菜の火の通し方が完璧で、キーンと冷え冷えで、素晴らしかった。

 

前菜。

パンも美味しい

 

 

コーンのスープの後に、メインはお魚。

 

 

小さな柑橘系のシャーベットの後に、デザートのシフォンケーキ♪

 

 

と、ここで大満足していたら、更にお茶と共にマカロンとマドレーヌが!

うっかり、すでに満腹に!

 

・・・・・・・・・・・けど、結局全部食べたけど!

 

どれも丁寧に作られていて、とても美味しくて、見た目も美しくて、「こんなお料理が食べたかった!」と大満足だった。

来て良かったにゃ~♪

 

 

なんて、のんびりしていたら、あっという間に2時に!

大変!

お約束の時間!

予約の時に「建物の中を見学したいの・・・。歴史的建造物が大好きなの・・・。とこれまた我儘を言ってみたら、「ロビーに2時に集合してくだされば、館内ツアーにお連れしてます」と教えてくださったんで!

急げ!ロビーに急げ!

 

 

行ってみたら、本日の見学者、ワタクシ一人。

 

このホテルに長いこと勤務していらっしゃると言うジェントルマンが出てきてくださって、わざわざワタクシ一人だけのために解説をしてくださってとても感激。

 

このホテルは、国賓とかも泊まるこの地域のランドマーク的なホテル。

関西の迎賓館の役割も果たし、戦後はGHQに接収された時期もある、いろんなエピソードに溢れたホテル。

そんな歴史をつぶさに見て来た方が直々に話してくださるお話が、それはそれは面白かった

 

 

例えば、このお部屋のこのピアノ。

 

 

アメリカに接収される前に、当時のホテルの所有者だった旧国鉄の倉庫に移動してっきり、その後の所有者の度々の交代の影響で当時の記録がはっきりしなくなり、60年も行方不明になってしまっていたけど、1992年にその保管倉庫の建物が解体され、その後は現JRの所有物として、交通科学博物館の倉庫に移動されていることが発覚。

奈良ホテル側は、「それは以前うちにあったピアノだから、返してほしい。」と頼んでみたが、「そんな古い話で誰も経緯を知らないし、ホテルの物だった記録も、証拠もないし・・・・・。」と困惑され、ホテル側はなんとか手元に戻したいと奔走。

「アインシュタインが1922年にこのホテルに宿泊した際に、このピアノをここで弾いた」という記録があったので、その当時の関係者を探し続けていくうちに、当時アインシュタインの通訳として同行していた日本人の学生さんが、その後南極越冬隊の隊長さんになっていたという事実を掴み、その方のお宅を探し出して連絡して事情をお話ししてみたら、その方のアメリカ在住の息子さんが、たまたま日本に帰国していらっしゃっていたタイミングで直接お話できて、しかも「その時に撮った写真が4枚だけ残っているからお渡しできます。」って言ってくださったので、急いで受け取りに行ったら、そのうちの一枚にこのピアノを弾いているアインシュタインの写真があって、それが証拠になってピアノをここに戻してもらうことができたんだって!

 

なんて、ドラマティック!!

あぁ、弾いてるねぇ、アインシュタイン、ここで弾いてるよぉ!

 

ピアノが戻って来たのは、つい数年前、2008年のお話。

翌2009年がホテル創業100周年だったから、本当に喜ばしい帰還だっただろうねぇ!!

 

 

この同じ部屋にある振り子時計は、天皇皇后ご夫妻の何かの記念で新たに設置したそうで、それをご滞在の時に陛下にお話したら、ちゃんと音色を聴きにわざわざ降りてきてくださったそうで、とても感激したとおっしゃってた。

 

 

例えば、こないだ出来たばかりだという陳列棚にずらりと並んでいた、このシルバーの豪華なカトラリー。

 

元々ロビーの階段下にあった売店が、「安っぽくて雰囲気ぶち壊しだ」との指摘を受けて、それまで職員の控室として使っていたフロントの裏の部屋を売店に改築することにして、現在倉庫として使っている部分に代わりの控室を作るために倉庫内にある古いものを出してきてみたら、こんなに立派なカトラリーがゴッソリ出て来たんだって。

「昔使っていた古いものかな?」と思ったけど、じっくり見てみるとマークが微妙に違うと・・・・・・。

調べてみたら、昔長崎にあった「長崎ホテル」のマークだったと。

 

長崎ホテルは、鹿鳴館や、三菱一号館 (現在は丸ノ内ブリックススクエアとして復元)、岩崎久弥邸 (旧岩崎庭園)、古河虎之助邸 (現・旧古河庭園大谷美術館)などを手掛けた、超有名な建築家、ジョサイア・コンドルが1898年に建てた、素敵な洋風建築のホテルなんだって。

 

でも、このホテルは、たった10年で無くなってしまったんだって。

もったいない・・・・・・・・・・。

 

どうして、そんなホテルのこれらの大量のカトラリーがここにあるのか、正確な経緯は分からないようだけど、長崎ホテルNagasaki Hotelと、奈良ホテルNara Hotel、共に頭文字のNとHを組み合わせたマークを持ち・・・・・、

 

コンドルから建築を学び、その後東京駅、日銀本店など名建築を作ることとなる辰野金吾がこの奈良ホテルを手掛けた縁もあって、全てがここに引き継がれたのではないか、ということだった。

なんかねー、グッとくるエピソードだったねえ!

歴史のあるところは、本当に面白いねぇ!

 

そして、ここにこれがあったということを長崎にお伝えしたら、「是非欲しい」とのお話があり、セットでお渡ししたら、こないだ世界遺産になったばかりの長崎グラバー邸に展示してもらえて、「貴重な銀食器、里帰り」と現地新聞の記事になったというお話も聞けた。

記事の掲載は私が奈良に行ったののほんの数日前のお話で、まだ真新しいその記事もそこに展示されたてで、とてもフレッシュな歴史エピソードに感激だった。

いいお話聞けたよぅ!

それに、素敵なカトラリーだったなぁ!

 

 

ちなみに、コンドルさんや辰野さんが作った建物。

かーーーっこいいよねぇ!!

    

   

  

 

 

このお部屋には、また別の陳列棚があって、そこにはここで使われてきた素敵なお皿の数々も展示されていた。

これは、ラストエンペラーの愛新覚羅溥儀が国賓として日本を訪れた時に、溥儀のためだけにわざわざ作成したもの。

 

これは、鉄道省時代のものか、列車の動輪がマークとして入っているグラス。

 

とてもエレガントな骨董品の数々にウットリ。

 

他にも、

掛かってる絵画のこと、

今行っている改築の詳細、

昔使われていた荷札のデザインについて、

外観で特徴的な赤い欄干のお話、

長い歴史の中で、ここに宿泊された色々な国の著名人、有名人のお話、

屋根に付いてる小さな塔や飾りが何であるか、

などなど、いっぱい、いっぱい、面白いお話を聞かせていただけて、大充実のツアーでとにかく感激の一言。

気づけば、30分くらいの予定が、2時間オーバーも解説していただいていてビックリ。

本当に有難いと思った。

 

案内してくださった方は、もうあと数年でご勇退されるというお話だった。

こんなにこのホテルと共に生きて来た人の、この全ての知識と、このホテルを大切にする思いを、是非お若いスタッフの皆様が一生懸命受け継いでいってほしいなぁ、と思った。

 

最後にお名刺いただいたら、役職が"執行役員"となっていて、「ひーーー、ワタクシたった一人の為に、こんなお偉い方が、こんなに長々とわざわざ!!!と申し訳なさでいっぱいに。

本当に楽しかったです。

大切なお時間を有難うございました。

素晴らしいホテルです。

大事にしていきたいです。

今度は、泊まれるといいな。

 

 

と、ホテルをじっくり堪能して、気持ちが満ち足り過ぎて、シアワセいっぱいになっちゃって、大仏とかどうでもよくなっちゃって、結果行かなかったw

 

 

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