学生ボランティアガイドの意義
私はかつて学生ボランティアガイドに所属していたことがある。どうして無報酬で活動できるのかとよく聞かれる。ボランティア活動にはお金をもらう以上に価値があるからだ。学生として身分が保障されており、まだ社会的制約を受けない。つまり、自分の考えたことを思い通りに実践できるのである。多感な時期に色々な出会いをすることは良い人生経験となる。無報酬とはいうが、それはお金に限った話である。思い出や経験、充実感も十分な報酬になる。
また、社会的な役割も大きい。当時、私のいた地域は宿泊施設が少なかった。課題は宿泊してもらうかではなく、どれだけ長い時間滞在してもらえるかだと思う。役割は町のポテンシャルを最大限引き出し、長時間楽しんでもらうことだ。もちろん、長時間とどめておくことが必ずしも良いことだとは思わないが、寺社へ拝観する、一緒にお店に入る、お土産を買うといったお金を落とす機会も増える。さらに、地元のガイドが隣にいることでツーリストは選択肢をさらに広げることができる。学生のときに町の魅力を再発見する力を養うことは、これからの大人に求められる力ではないだろうか。