服は世相を反映する。
私がファッションの勉強を始めたのは、コロナ禍に入る直前である。しかし、コロナ禍によって、せっかく考えたコーディネートも台無しとなってしまった。人との交流がないなかで自分をコーディネートするのは難しい。最近、友達と電話で話していて地味なコーディネートをするのは自分だけでないことを聞いて安心した。その友達によれば、今までモノトーンの人が多かったのが、少しずつ明るめの服を着る人が増え始めたという。今、人の動きが戻りつつある。今年の春は何を着ようか、人と会うのが楽しみだ。
三論宗と法相宗の争い
平安時代、桓武天皇のころに両者は激しく争う。これは単なる宗教的対立ではなかった。私は宗教史の専門家ではないが1つ仮説を立ててみたいと思う。三論宗の中心寺院は元興寺であり、法相宗は興福寺である。元興寺は飛鳥寺にルーツがあり、飛鳥時代から続く官寺（国の寺）である。興福寺も形の上では官寺であるが、実態は藤原氏の氏寺（私的な寺である。）仏教伝来（飛鳥時代）から続く伝統の寺に、奈良時代に新しくできた寺がイチャモンをつけたように見えないか。相手は伝統のある寺であり宗教的に大きな発言力を持っている。もちろん、平安時代までには両方とも十分に伝統ある勢力になっているのだが。この伝統勢力と新興勢力の対立が三論宗と法相宗の対立だったと思われる。