勉強後記

「勉強後記」は「勉強日記」、「続勉強日記」の続編です。学生時代とは異なる目線で書いていきます。

歴史学再考

2020-08-31 12:35:28 | 日記
歴史学再考
医者が人間のお医者さんであるならば、歴史学者は社会のお医者さんである。かつて、橋本左内は小医、中医、大医と称した。小医はどこにでもいる医者。中医はそのなかでも大成した人。大医は国家を直す医者である。歴史学は時代を分析し、社会のありかたを問う学問である。社会は人間が作り出したものである。であるならば、歴史学の範疇と言える。もちろん、歴史学は万能ではない。近代以降、急激な社会の変動に対し、社会学や文化人類学へと分岐した。しかし、歴史学はそれらの根本にある学問であることには変わりはない。ながらく、これら三者は分離状態にあった。しかし、近年では他分野の要素を取り入れ、緩やかに統合する動きがみられ、より学際的になりつつある。それらを踏まえることで、より時代的要請に応えた研究が可能になるだろう。

文末の表現を考える。

2020-08-31 12:32:18 | 日記
文末の表現を考える。
~である。考えられる。思われる。~

文章を書くときに文末をどうするか。私はいくつかルールを決めている。自分の意見ではなく、一般論を述べる場合は「である。」自分の意見を述べる場合は「考えられる。自分の感想を述べる場合は「思われる」。意見と感想は違う。意見の場合は相手を批判しなければならない。相手の見解に対して、納得できる部分とできない部分にわける。そして後者に対しては自分の思うところを述べなければならない。文末の表現とは思考の過程を示す表現である。もちろん、文末の表現だけに固執してはいけない。しかし、選べないのであれば「自分の基準」をもうけるのも有効な手段ではないだろうか。

研究史上の問題点を探す

2020-08-14 14:39:40 | 日記
研究史上の問題点を探す

研究を進める上で論文を読むことは必須である。以前、ゼミの先生から言われたことと自分なりの実践に基づいて書いてみた。
論文を読むときの注意点は3つである。①どのような問題を(解決するために)②どのような方法で③明らかにしたのかである。①に関してだか、歴史学では研究史上の問題点をさす。研究史上の問題を探すのは容易なことではない。だからこそ①~③を意識して読み、まとめる必要がある。研究史上の問題に関しては後述する。②に関してだが、古代史では皆同じ漢文史料を用いる。だが、史料や研究対象がおなじでも、研究者それぞれでアプローチの仕方は千差万別である。論文とは「私はこのような手順で研究しました」と研究手法を提示する場である。
③に関してだが、論文全体を通して、何を明らかにしたかったのか確認する。あくまで論文執筆者の目標は論文の「はじめに」で提示してある。しかし、目標に対して研究課題はどこまで到達できたのか、到達点を自分なりに読み取ることが重要である。論文のなかで必ずしも執筆者が研究対象の全容を明らかにしているわけではないからだ。この不十分な点が研究史上の問題点である。何を研究史上の問題とするかは読者自身で決めてほしい。
①~③をふまえてその研究によって古代史の何が明らかになったのか(明らかにしたことが研究史上でどのように位置付けることができるのか)自分なりに考えてほしい。

先行研究の読み方

2020-08-10 14:13:47 | 日記
先行研究の読み方

私は大学で書いた卒論の発表が終わり、いま研究史の整理をしているところである。夏休みに入るにあたってゼミの先生から先行研究(=研究史)の整理をしなさいと言われたからだ。研究史の整理をするにあたって3つのステップがある1つ目は興味のある論文を読むことだ。2つ目のステップは論文の終わりにある先行研究を読むことだ。そして3つ目は論文執筆者の論文や本をすべて読むことだ。3つのステップを踏まえて、その人が①何に注目して、②何を目的として、③何を明らかにしたいのか自分なりにまとめることである。これをM1の終わりまでにやりなさいと言われた。とりあえず今はこの3点に注目してたくさんの論文を読みたいと思う。