389の1『自然と人間の歴史・世界篇』ケインズの有効需要論とインフレ率
ケインズは、有効需要という概念を考えて、それが足りない時になにが起きるか、それが度を越したときどうなるかを考えた。その後者の場合につき、こんなふうに述べている。
「有効需要が、さらに増加してももはや産出高は増加せず、有効需要の増加と正比例に費用単位の増加をもたらすに過ぎない場合に、われわれは真のインフレーションの状態とほぼよい状態に達する。
この点に至るまでは貨幣膨張の効果はまったく程度の問題であって、それ以前にはわれわれが割然たる一線を引いてインフレーションがはじまったと宣言することのできる点は存在しない、それ以前の貨幣数量の変化はすべて、それが有効需要を増加させるかぎり、一部分は費用単位を増加させ、一部分は産出高を増加させることによってその影響力を消失するに至るであろう。」(ジョン・メイナード・ケインズ著、塩野屋九十九訳「雇用・利子および貨幣の一般理論」第21章「価格の理論」)
(続く)
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ケインズは、有効需要という概念を考えて、それが足りない時になにが起きるか、それが度を越したときどうなるかを考えた。その後者の場合につき、こんなふうに述べている。
「有効需要が、さらに増加してももはや産出高は増加せず、有効需要の増加と正比例に費用単位の増加をもたらすに過ぎない場合に、われわれは真のインフレーションの状態とほぼよい状態に達する。
この点に至るまでは貨幣膨張の効果はまったく程度の問題であって、それ以前にはわれわれが割然たる一線を引いてインフレーションがはじまったと宣言することのできる点は存在しない、それ以前の貨幣数量の変化はすべて、それが有効需要を増加させるかぎり、一部分は費用単位を増加させ、一部分は産出高を増加させることによってその影響力を消失するに至るであろう。」(ジョン・メイナード・ケインズ著、塩野屋九十九訳「雇用・利子および貨幣の一般理論」第21章「価格の理論」)
(続く)
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