83歳の老女優(?)の舞台。
芝居を最後まで演じきるために、脚本に手をいれ、
筋にそれほど影響のないシーンはカットされているそうだ。
とはいうものの、内容はストレートに伝わるし
劇中歌として
「ミロール」「ばら色の人生」「愛の賛歌」「水に流して」 を力強く謳い上げ、
もうそれで十分です…という充実した舞台 というか、
すっかり魅了された舞台だった。
とくに「恋人マルセルを飛行機事故で亡くした直後のステージで歌う」
設定の「愛の賛歌」は、身につまされ、心に響いて涙が湧いてくる。
「人を愛するとはこういうことなのだと
両手で受け止めていただきたい」と
美輪さんが何かのインタビューで話していたそうだ。
愛することについての美輪明宏の考えや姿勢が
芝居をとおして語られる。
美輪明宏の美学に貫かれた
歌を堪能できるお芝居だった。
特別な時間を過ごしたような気がする。
心身ともに浄化されたような…。