サラ☆の物語な毎日とハル文庫

私立探偵コーモラン・ストライク シリーズ第2弾『カイコの紡ぐ嘘』は満ち足りた読後感

 

ハリー・ポッターで世界中を席捲したJ・K・ローリングが、
ロバート・ガルブレイスという別名義で発表した
探偵小説シリーズの2作目。
コーモラン・ストライクはオックスフォード大学を中退して軍隊に入り、
アフガン戦争で片足を切断。
いまはロンドンで私立探偵を開業している。 
 
分厚い。 
上巻405ページ、下巻385ページ。
 
第1作も面白かった。
事件は「飛び降り自殺」を題材にしたもので、
品がいいと感じたけれど、
それでも犯人の予測がつかず、
さらに事件が結着したときには、心理的にぞっとする怖さがあった。
第2作は、その品のよさを払拭する猟奇殺人。
 
 
第一作はコーモラン・ストライクの出自を説明するのに
たくさんのページが使われていたけれど、
今回はそれをしなくていいぶん、事件にどっぷり浸かっている。
出版の世界が舞台となる。 
 
 
 
おなじみの私立探偵コーモラン・ストライクと
秘書のロビン
そして、それにまつわる人々が登場して、
本の扉を開いたとたんに、馴染みの世界に戻ったという感じ。 
 
 
事件はある作家の失踪と、その殺人をめぐって、
対面捜査、それからまた対面の聞き込みというように
誰がどう語るかを軸に、全貌がしだいに明らかになっていく。
 
鳥肌が立つようなおぞましい殺人を実行したのは、
いったい誰なのか?
 
失踪し、惨殺された作家の妻の依頼で、
コーモランとロビンは事件解明に突き進む。
 
ページ数は多いけれど、
展開はエピソードの積み重ね。
そのエピソードの一つ一つが物語性にとみ、
意外性もはらんでいるので飽きることはない。
次は、次はとページをめくって、
一気に読み進むのだ。
 
 
 
 トヨタのランドクルーザーに乗り、
眼前の雪道での衝突事故を回避するスリリングなシーンあり、
雪道で追跡に難儀するアルファロメオあり。
なかなか盛りだくさん。
 
 
 コーモランの弟や、一癖も二癖もある友人達も登場し
ロビンと婚約者マシューの成り行きも描かれ、
あれもこれもと、美味しいものを食べた食後の満足感がある。
 
 
 すでにイギリスやアメリカでは
第3弾、第4弾とシリーズの新作が刊行されているそうだ。
講談社に「早く次を出して」とお願いしたい。
それから、第一作、第二作はぜひ文庫化しほしい。
きっと文庫のほうが売れると思うけど
 
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