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自分としては、死ぬほどの喉の渇きを体験させられるのは、ちょっとごめんこうむりたい。
溺れそうになるのもイヤ。
だけど、読むぶんには、面白いのです。
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小説の中の主人公の危険は(「きっと最後にはなんとかなるに違いない」という暗黙の了解のもとで)、わたしにとっては蜜の味。
わたしみたいな小心者にとっては、人の冒険話のほうが、自分が危険な目に会うよりずっといい。
なかには、作家の開高健や、探検家の高橋大輔氏のように、自分が出かけていって、自分で体験したいという、勇気ある人たちもいるようですが、わたしはいつも読者の立場で、その冒険話を満喫する側にいたいと思っているのです。
今日みたいに真夏の暑い日は、エアコンの効いた涼しい部屋で、冬には、ぬくぬくとしたコタツにもぐりこんで、冒険をこころゆくまで楽しみたい。
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そうだっ、「冒険小説」の前に“良質の”という言葉をつけるのを、忘れないようにしないと…。
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(そうです。いま飲んでいるのは、コーヒーではなく、ワインです。)