最近、移動ドの音感を鍛錬する音楽家が少ないと耳にしましたので、移動ドの世界を探索してみたいと思います。
音楽家たちの中には「移動ドは古くさく、役に立たないものである」と言っている人もいることを記憶しています。しかし、私がイタリアで音楽を研鑽していた時、あるイタリア人の声楽教師が「移動ドは音楽の詳細を知る上で有益である」と言っていたことを覚えています。私はこの声楽教師の意見に同感です。この移動ドの音感のことを知って鍛錬することで、固定ドの音感の持ち主でさえも音楽の世界をより広げていくために役立つと思います。
それでは移動ドの世界をみていきます。
端的に言うと、移動ドの音感とは相対音感のことです。ちなみに固定ドの音感とは絶対音感のことです。また、移動ドには短調において、2つの異なる音感があります。つまり、2種類の移動ドが存在することになります。
まず、1つ目の種類の相対音感の基本となる音階は下記のとおりです。
長調(ハ長調:C dur):「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
短調(イ短調:a moll):「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ♯・ラ(和声短音階)」
※短調の場合、和声短音階、自然短音階、旋律短音階があります。
アリサカスクール 目黒・上越(声楽・ピアノ・イタリア語・英語の教室)