工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

千頭森林鉄道の保存車(寸又峡)

2015-05-25 20:47:11 | 旅行


東にそびえる南アルプスの向こう側を流れる静岡県の大井川
その上流にもかつて森林鉄道がありました。

「秘湯」で有名?な寸又峡温泉も通っており、温泉駐車場には車両が保存されています。
せっかくの機会なので道草して観察しました。



保存されているのは協三工業製DL+岩崎レール製客車+運材台車(メーカー確認せず)です。
運材台車以外には屋根が架かっていますが保存状態は良くないです。
・・・メインの駐車場脇とあって清掃等は行われているようですが、修繕・レストア等を行うには不便な所なので中々難しいのでしょう。



協三の機関車
木曽とは違って屋根にタンクを背負っているのがいいですね。
窓ガラスはすべて失われ、エンジンカバーも無い状態です。
・・・おかげで機関部が良く観察できます。
扉も開いており(というか歪んで閉まらない)、キャブへの立ち入りも可能です。



モノコック構造の台車
現役時代の写真を見る限り、昭和43年の廃止の頃はほとんど全てこのタイプの台車だったみたいです。
富士重工製でしょうかね?





最後に客車
岩崎レール製のもので、現在丸瀬布にある客車によく似ています。
ただしこちらは扉が片側1カ所で、寸法も長さ5200mm、幅1570mmと一回り小さいです。
木曽のB型客車より車体幅が狭いのは車両限界の関係でしょうかね?

殆どの窓が無い無残な状態ですが、実は多くの窓が開いた状態でした・・・
降下式の窓枠が劣化して自然に落ち込んだのか、閉められない状態です。

車体裾部に15㎝の帯材が巻いてあるのが他にはない特徴です。
が、この部分は真っ先に穴が開く部分なので、補修で取り付けられたのか、元々あったのかは不明・・・
現役時代の写真を見た事が無いので何とも分かりません。



台車にも特徴があり、運材台車の流用でもアーチバー台車でもない、立派?なものを履いています。

以上、モデラー視点から見た保存車両たちでした。

新潟交通のモワ51をつくる その1

2015-05-17 10:57:32 | 今日の製作所


鉄道模型市にて入手のイエロートレイン製の新潟交通モワのキット
・・・かなり前の物ですね。
鉄コレの「タイプ」があまりに似ていないので、いつか作ろうと思っていたので購入。
勢いで着工しました(笑


新潟交通のモワ51は1933年、新潟交通の開業時に用意された電動貨車。
機関車の無い新潟交通では貨物列車の牽引や、除雪車を押すのに使われました。
1999年の廃止時まで除雪用に残され、今でも月潟駅構内に保存されています。

東関屋駅に黒いラッセル車と連結して置かれていたのが印象的でした。




購入した時点で前面は瞬着で組立済でしたので、側面も瞬着で組み立てていきます。
使用するのは耐衝撃用のアロンアルファ
接着面はヤスリで磨いておきます。



ダブルクリップで挟んで固定。
コイツは挟む力もあり、ハンダの熱もへっちゃらなので重宝しています。
・・・フラックスでボロボロになりますが安いので壊れれば交換すればよしw



今回は調子が出ていたので?手摺を取り付けてみました。
0.3ミリの真鍮線ですが少し太かったようです・・・




動力は手持ちを色々漁った結果、贅沢にもコレにしようかなと
鉄コレ12m級だと少し長め(したがって鉄コレのモワ51も長いです)で、更に幅を詰めるのがとても大変そう・・・
というのが理由です。
ワールドの東芝戦時型用は台車間隔が少し短いですが、カプラーのスペースを考えればこの位かなと。
勿論性能は申し分なし!



ちなみに鉄コレと比べるとこんな感じ。
長さも幅も過大です・・・



屋根にはGMの都電の物を使用。幅がぴったり。
オデコ部分は適当な端材を重ねています。


つづく

草ヒロ

2015-05-13 19:56:31 | 草ヒロ
果樹園と牧場の入り混じる丘の上
どういう訳かたくさんの草ヒロが・・・

そのなかでもちょっと珍しい2台を。
・・・かなり前から見つけていたのですが今週末改めて見てきました。





初代 ダットサンキャブスター1300(1970~1973年)

まだ「ダットサン」ブランドだった初代キャブスターです。
前輪を思い切り前に出したスタイルがちょっと特徴的です。

この車は珍しいパネルバンで、後ろの観音開きの扉がレトロな感じです。






こちらは初代 三菱デリカバン(1969~1971年)

初代デリカの中でもテールランプが横型になっている初期のタイプです。
大きなまるいヘッドライトが可愛らしいのですが、残念ながら見えません・・・


どちらも同じ年代の同クラスの商用車ですが、キャブスターの方はカクカクした、デリカは丸みのあるデザインになっています。
・・・現行のハイエース・キャラバンとは大違い??(笑
もっとも、この代のデリカはマツダのボンゴそっくりなんですけどね

国産鉄道コレクション キハ07 その2

2015-05-04 16:49:26 | 今日の製作所
今年の正月の記事「国産鉄道コレクション キハ07」が何故かよく見られているようで・・・
ちょっと検索してみたところ、当ブログがトップに出るではありませんか・・・!
公式を超えた!(笑

他にも美しく塗り替えられている方の作例もあるみたいですが・・・やはりあまり人気無いようで・・・




記事でいろいろ書いてましたので、取り急ぎN化してみました。



まずは分解
床板は接着剤固定なので慎重に剥がします・・・
なんと内装が表現されていました(笑)
窓ガラスがしょぼいので全く見えず勿体ない・・・無念

おまけに床板を止める接着剤のせいか、窓ガラス内側が白く曇っていました。
こちらは拭き取りで対応できました。

床下は使わずに、鉄コレの物を流用。



こんな感じで先端を丸くすれば幅は無加工でOK



側面窓の下部が干渉するため、下の突起部分をカットしました。



ヘッドライトは鉄コレから取ってきたものと交換
・・・お金をかける気はないw

簡単作業でひとまずレールを走るようになりました。
テールライトが無いのがイマイチですが、またの機会に。。。


木曽林鉄のE型貨車

2015-05-03 18:54:55 | 旅行
連休の初日
雪も解け天気も良かったので「幻の」などと枕詞の付く、王滝村の三浦ダムへ向かいました・・・

三浦ダムは昭和20年(!)完成の重力式コンクリートダムで、木曽林鉄ファンなら皆さんご存知かと思いますが、王滝村最奥部の滝越集落から更に8キロほど入った所にあります。

滝越から三浦ダムへは林鉄跡の道と尾根筋を走る林道の2ルートがありますが、マァ当然?林鉄跡を選びました。
・・・ただし、林鉄跡の道にはゲートがあり自動車は進入禁止です。



途中には林鉄の物と考えられるガーター橋が放ってあったり・・・



給水塔などが残っていたりします。
廃線跡なので勾配は緩く、ただひたすら8キロ弱の上り坂です。
沿線にはキロポストの様なプラカードがあり、残りの距離も掴み易く平易な道といえましょう。



だいたい予想通り三浦ダムに到着。
動物にも人にも落石にも遭わず(笑
・・・まぁ普通のダムです。とはいえ戦前に建設されたダムとしては2番目の高さがあるそうです。



道はそのまま堤頂へ。
ちょうどこの場所を木曽林鉄の水無線が走っていました。



さて、ここからが本題(笑
http://www.geocities.jp/rintetsu_club/leaving/leaving.html
こちらのページによれば「三浦ダムの堰堤の先の集材置場にE型貨車と小型貨車がある」とあります。

ただし、平成14年現在。

コレが現在どうなっているのかを調べに私は来たのですw

・・・正直もう無いだろうなと。
ガーター橋や給水塔などの鋼製コンクリ製の構造物と違って木造ですから。
でも、無い事を確認したかった訳です。

堤体より先の道は未舗装になり、突然低規格となります。
凍結融解によって粉々になった岩がサラサラと崩れるのが見えます。



コレ、時代劇とかで敵が上から襲ってくるシーンですね(笑

さて、進み始めて勘違いに気づきました。
私は早合点して「三浦ダム湖畔に集材置場がある」という認識だったのですが、どうもそれらしき平場すら無い・・・!
これは少し先になりそうだという事で地形図で確認・・・



堤体から4キロほど登ると他の林道に合流する箇所があり、
「自分が集材置場を作るならこのあたり!」
という判断でとりあえずここまで行くことにしました。
(結局赤丸地点に集材置場がありました)

・・・無いという事実を確認するのって思えば難しいです。
どこまで確認して「無い」と判断するのか?
でもそれらしい平場すら無いのではどうにも納得できません。



振り返れば御嶽山
・・・長野県内で御嶽山が東の方に見える地点というのもなかなか珍しいものです。
この雄大な景観を見ているのは自分ひとり。
山行きは自分と向き合う時間なのかもしれません。


さて、途中集材置場になりそうな平場は一カ所も無く合流地点へ・・・
平場が作れそうな一つ先の谷まで進んでみると・・・



確かに平場が・・・(地図赤丸地点)
恐らく排土した土を整地処分したのか、真新しい平場がありました。
プレハブを片付けたと思われる資材が積んであり、ここが目的地である可能性が非常に高いと思いました。

やはり「既に無かった」んだなと。
と思ったのですが・・・



!!!
雑木をブルで押し出した上にボロボロの木造構造物・・・



このカマボコ型の屋根はまさに木曽林鉄の車両ではありませんか!
どうやらプレハブ小屋は解体され、朽ち果てた木造の貨車はブルで一気に平場から押し出されたようです。
おかげてフレームと屋根は(それとわかる程度に)原形をとどめていました。





残念なのはつい最近作業した様子だったこと。
去年行っていればちゃんとそのままあったのではと思います。

しかし、元々存在しないと思っていた物を(破壊されていたものの)実見でき、思いのほか満足でした。


※林道の通行は落石や野生動物などの危険があり、自己責任です。三浦ダムより先はφ1m程度の落石があり通常の自動車では通行困難なので訪問はあまりおススメしません。