2009年に見たテレビ番組で印象に残ったものについて記事を書きます。
このブログの一番最初のころの記事に、大阪の消防学校を紹介した番組の感想を書いた記事があり、この記事は今でもたまに検索でヒットしてこのブログに遊びに来てくださる方がいます。消防学校の感想を書いたブログの記事はめずらいのかもしれません。
今回は、TBSの「夢の扉」という番組の11月29日放送の回について書きます。
東京消防庁でのレスキュー隊員養成の研修の取材です。レスキュー隊員になるためには、体力測定や(懸垂とか腹筋、1500メートル走など)学科(消防法その他)などの厳しい条件をクリアした上で成績上位者から選抜されます。
で、今回は糸魚川辰男さんという助教(現役のレスキュー隊員です)を中心としてその訓練の模様が紹介されています。
ちなみにこちらに氏の名前を見ることができます。
さて、その内容ですが・・・。
予想通り非常に過酷なものです。
参加する消防隊員たちは、みな体力自慢、やる気もある優秀な人たちばかりですが、腕立て伏せやスクワットなどの基本的なトレーニングから身だしなみにいたるまで助教の厳しいゲキが飛びます。
軍隊の厳しさを私は知りませんが、その雰囲気があります。
自衛隊は入隊しても定年までいない人もたくさんいますが、消防は一回入ったら定年までいる人が多いでしょうから、こういった厳しい研修にも覚悟を決めて耐えていくんですかね。
大阪の消防学校の番組は、新人消防士の研修でしたが、今回はレスキュー隊員の研修です。これまた厳しいにもほどがあるという気がします。
テレビの撮影でこのくらい厳しいのですから、本当のところはまさに地獄の厳しさなのでしょうね。
最後、訓練が終わって無事にレスキュー隊員の資格をもらえた受講生たちに、はじめて助教が優しい言葉をかけます。
隊員たちは、おもわず涙ぐみます。
で、最後の糸魚川さんのキメのセリフがいいんです。彼は去り際に振り返って隊員にこう語ります。
「おい、お前ら、これ(注・レスキューのワッペンをたたいてみせて)つけて、かっこいい隊員になれよ。期待しているからな」
私のつたない文章ではたぶんニュアンスは伝わらないでしょうが、地獄の特訓の最後に鬼の教官からこれ言われたら、みんな感きわまっちゃいますよねえ。
糸魚川さんは、最後のタイミングを見計らってこれを言うわけで、隊員たちはテレビのカメラなど関係なく涙を流します。
この隊員の中の誰かがまたレスキューの助教になって、地獄の特訓で研修生を鍛えるのかもしれませんね。
前の消防学校の番組でも、男子・女子問わず泣いていましたが、今回はもう散々修羅場をくぐった隊員たちですからねえ。そんな彼らでさえ涙を流すくらい厳しい特訓だったということです。
それにしても消防士は危険な仕事です。その状況で自分が生き延びて他人を助けなければならないのだから、消防学校も厳しい指導をしなければいけないわけですね。
で、昨年、たまたま仕事の関係で消防士の方と話をする機会があり、ちょっと失礼かもしれませんが質問をしてみました。年齢は30代半ばくらいの方です。
私「テレビで、消防学校を『ここは日本じゃないくらい厳しい』って新人が評していたんですが、そんなに厳しいんですか?」
実は私は、仕事の関係で消防士の人と一緒になることが年に1回か2回くらいありまして、その際この質問をしています。で、こう尋ねると、たいていの消防士の人は次のように答えます。
「いや、そんなには・・・」
「大阪のほうは厳しいらしいですね」
「そこまでは・・・」
聞いていて、彼らは本音を言っていないなと言う気がしました。もちろん私なんかに本音を言う必要はないし、昔の軍隊の経験者が軍隊の話はしたがらないのと同じようなものかもしれません。ついでながら、韓国の軍隊経験者もそのようなところがあるみたいです。
しかしその方は、かなり本音で答えてくれました。
消防士「いや、昨日まで消防学校にいたんですよ。声が枯れちゃって」
彼はガラガラ声で私に話をしました。
さらに彼はこんなことも言いました。
消防士「ほんと、大の大人が泣きながら訓練しますもんね」
で、彼は最後に言いました。
「地獄ですよ」
地獄だそうです。
このブログの読者はほとんど社会人でしょうからいまさら消防学校に入る方は少ないかもしれないですが、でもそんなところがこの世にはあるということは認識しても損はないかも。
消防士の方々に敬意を表したいと思います。
このブログの一番最初のころの記事に、大阪の消防学校を紹介した番組の感想を書いた記事があり、この記事は今でもたまに検索でヒットしてこのブログに遊びに来てくださる方がいます。消防学校の感想を書いたブログの記事はめずらいのかもしれません。
今回は、TBSの「夢の扉」という番組の11月29日放送の回について書きます。
東京消防庁でのレスキュー隊員養成の研修の取材です。レスキュー隊員になるためには、体力測定や(懸垂とか腹筋、1500メートル走など)学科(消防法その他)などの厳しい条件をクリアした上で成績上位者から選抜されます。
で、今回は糸魚川辰男さんという助教(現役のレスキュー隊員です)を中心としてその訓練の模様が紹介されています。
ちなみにこちらに氏の名前を見ることができます。
さて、その内容ですが・・・。
予想通り非常に過酷なものです。
参加する消防隊員たちは、みな体力自慢、やる気もある優秀な人たちばかりですが、腕立て伏せやスクワットなどの基本的なトレーニングから身だしなみにいたるまで助教の厳しいゲキが飛びます。
軍隊の厳しさを私は知りませんが、その雰囲気があります。
自衛隊は入隊しても定年までいない人もたくさんいますが、消防は一回入ったら定年までいる人が多いでしょうから、こういった厳しい研修にも覚悟を決めて耐えていくんですかね。
大阪の消防学校の番組は、新人消防士の研修でしたが、今回はレスキュー隊員の研修です。これまた厳しいにもほどがあるという気がします。
テレビの撮影でこのくらい厳しいのですから、本当のところはまさに地獄の厳しさなのでしょうね。
最後、訓練が終わって無事にレスキュー隊員の資格をもらえた受講生たちに、はじめて助教が優しい言葉をかけます。
隊員たちは、おもわず涙ぐみます。
で、最後の糸魚川さんのキメのセリフがいいんです。彼は去り際に振り返って隊員にこう語ります。
「おい、お前ら、これ(注・レスキューのワッペンをたたいてみせて)つけて、かっこいい隊員になれよ。期待しているからな」
私のつたない文章ではたぶんニュアンスは伝わらないでしょうが、地獄の特訓の最後に鬼の教官からこれ言われたら、みんな感きわまっちゃいますよねえ。
糸魚川さんは、最後のタイミングを見計らってこれを言うわけで、隊員たちはテレビのカメラなど関係なく涙を流します。
この隊員の中の誰かがまたレスキューの助教になって、地獄の特訓で研修生を鍛えるのかもしれませんね。
前の消防学校の番組でも、男子・女子問わず泣いていましたが、今回はもう散々修羅場をくぐった隊員たちですからねえ。そんな彼らでさえ涙を流すくらい厳しい特訓だったということです。
それにしても消防士は危険な仕事です。その状況で自分が生き延びて他人を助けなければならないのだから、消防学校も厳しい指導をしなければいけないわけですね。
で、昨年、たまたま仕事の関係で消防士の方と話をする機会があり、ちょっと失礼かもしれませんが質問をしてみました。年齢は30代半ばくらいの方です。
私「テレビで、消防学校を『ここは日本じゃないくらい厳しい』って新人が評していたんですが、そんなに厳しいんですか?」
実は私は、仕事の関係で消防士の人と一緒になることが年に1回か2回くらいありまして、その際この質問をしています。で、こう尋ねると、たいていの消防士の人は次のように答えます。
「いや、そんなには・・・」
「大阪のほうは厳しいらしいですね」
「そこまでは・・・」
聞いていて、彼らは本音を言っていないなと言う気がしました。もちろん私なんかに本音を言う必要はないし、昔の軍隊の経験者が軍隊の話はしたがらないのと同じようなものかもしれません。ついでながら、韓国の軍隊経験者もそのようなところがあるみたいです。
しかしその方は、かなり本音で答えてくれました。
消防士「いや、昨日まで消防学校にいたんですよ。声が枯れちゃって」
彼はガラガラ声で私に話をしました。
さらに彼はこんなことも言いました。
消防士「ほんと、大の大人が泣きながら訓練しますもんね」
で、彼は最後に言いました。
「地獄ですよ」
地獄だそうです。
このブログの読者はほとんど社会人でしょうからいまさら消防学校に入る方は少ないかもしれないですが、でもそんなところがこの世にはあるということは認識しても損はないかも。
消防士の方々に敬意を表したいと思います。