夏休み前の話だが、子供を後ろに乗せて車を運転していた時の事。
私は坂道の途中で信号待ちをしていた。
すると、いきなりのろのろとこっちにバックしてくる車が私の視界に入ってきた。おそらく前方の路肩に停まっていたと思われるが、信号が赤だからこのスキに車列にでも戻るのか?と思ったが、車体はあっちふらふらこっちふらふら、どうも様子がおかしい。
私の車は信号前で先頭。うしろには2台の車が並んでいる。
おいおい!私の車がいるのに見えないのか?私は思いっきりクラクションを鳴らした。
しかしその車は斜45度ぐらいの向きでどんどん加速しながらバックしてくる。このままでは私の車の右角に接触しそうだ。
初心者でも乗っているのかと思い、よく目を凝らして運転席を見ると、なんと誰もいない!(爆)
私はパニックに陥った。
なんで?どうして?誰もいないのに車が動いてるの?(^^;
一瞬、Xファイルな妄想が頭の中を駆け巡る。(笑)
しかし、よくよく考えて見るとここは坂道である。サイドブレーキがかかってなかったりすれば、当然落ちてくる事もあるわけで…。ハッ!と気づいた時にはすでに遅く、私もバックしようと後ろを見たが、車が私に続いて信号待ちをしているので動けない!
ままよ!と思った瞬間、その車は私の車のフロントの角をゴゴッ!と音を立てて擦り、運転席側を斜に通り過ぎた。
げげげげ!擦られた!と怒りと困惑で私は更にパニック。
でももっと面喰らったのは、その車を追いかけてサラリーマン風のおっさんが「すいませーーん!」と続いて走って来るのを見た時だ。(爆)
私はすかさず窓を開けて走り去るおっさんに怒鳴った。
「擦りましたよーーーーーッ!!!ちょっと来て下さーーーーい!」
その車は対向車線をバックでななめに縦断。(爆)どんどん加速を付けて、しまいにはガードレールに勢い良くお尻から突っ込んだ!
なんと危ない!擦られたのはもとより、もし渋滞でもしていて、車が繋がっている時だったりしたら大惨事だ。がぜん!私はむらむらといらぬ正義感が湧いて来た。(笑)
信号が青になったと同時に、私はとりあえず車を路肩に寄せると、車の傷を見ようと外に出た。おっさんの車はといえば、坂下はるか後方で、もの凄い事になっている。もちろんおっさんも車の周りでうろうろ困った様子。幸いそこは上下2車線ずつの道路だったので、後から来た車は何も知らずに事故現場を避けて通り過ぎて行く。
すると私が停めた路肩際の家の住人と思われるおばちゃんが、何ごとかと外に出て来た。
そして開口一番私に、
「ここはうちの車が出入りするから止めないで!」
と言ってきた。
え!?だって私は被害者よ。そう心で言ってみたが、どうやら状況が飲み込めていないらしく、おばちゃんの怒りの鉾先は私に向けられている。しかもおばちゃんちの車を今すぐ出すわけでもなさそうだ。
「今、車にぶつけられたんです!」
私もなんとか抗議してみたが、やっぱりおばちゃんは『そんなの知ったこっちゃない』(^^;といった様子で私を睨み付けている。
私は仕方なく一旦引き下がり、バックミラーでおっちゃんの車がまだいるのを確認してから、10メートルほど車を移動させた。
しかし!ななななんと!おっちゃんの車は、まるでこの時を狙っていたかのようにゆるゆると発進すると、私が外に出たと同時にちょうど前方の右折路地に消えて行った。
がーーーーーーーーーーーん!!目の前で逃げられた?!まさか!
唖然とする私に今度は後ろに乗っていた息子が
「ママ~…僕おしっこ。」
つづいて娘も
「まま~○○ちゃんも…。」
ひぃぃぃぃぃぃ~~!!こんな時に!
おっちゃんへの怒りにわなわなと震えながら(笑)も、私はなんとか車をUターンさせて、事故現場近くの店まで戻り、ダンナに電話しながら子供達をトイレに行かせた。
ダンナによればとりあえず警察に電話した方がいい。との事。でもナンバーは控えていない。不安に思いながらも電話してみた。
「何所ですか?ナンバーは?人身事故ですか?」
と警察。
「いいえ!ナンバーは控えられなかったんです。でも擦られて逃げられしまって。しかも対向車線をバックしてガードレールに突っ込んだんです!!非常に危ない事故だと思うんですが!!!?」
「お名前は?」
「はい、○○です。」
「はい、ご通報ありがとうございました。(プツ。ツーツーツー)」
「……。」
…え、えぇぇぇぇぇ~~っ?!!!??それだけかいッ?!(爆)
またもや唖然とした。
これってどーなの?ふつふつと沸き起こる怒りと同時に脱力感に襲われる。
しかし、私は気を取りなおした。
そうだ!目撃者がいるはずだ。そう言えば事故現場脇から5メートル先ぐらいのところにある新聞配達店から何人か野次馬が出て来ていた事を思い出した私は、探偵よろしくその新聞配達店に飛び込んだ。
おりしも夕刊を仕分けしている最中の店内。
「すみません。ちょっとお聞きしたいんですが、さっきここでガードレールに突っ込んだ車ありましたよね?」
近くにいるアンちゃんに聞いてみた。
「ええ、見ました。」
背は180センチぐらい、白いTシャツにGパン、頭にバンダナを巻くようにして白いタオルをかぶった若いアンチャンが、くるりとこちらを振り向いた。
(あらら?イケメンじゃん?^^;)こんな時に私って…(爆)でも雰囲気は竹内豊(ちょっとだけネ^^)をもっとワイルドにしたような好青年だ。
「実はあの車に擦られてしまって、どなたかナンバー見た方いらっしゃいますか?」
「え?!どの車もぶつかってなかったと思ったんで、自分はみなかったんですけど。」
(出た~~!!「自分」だ!)
「わずかなんですけど、角に当ったんです。」
「そうなんですか。あの人行っちゃいましたよね。…おい!誰か見たか?」
アンちゃんは他の若い衆に聞く。
「いや、自分も見てないっす。」
「そうですか…。」途方に暮れる私。
「悪質ですね。」
「えぇ~。」
「でもあの車、後ろへこんでパンクしてましたから、多分遠くには行けないと思います。ああいうのはすぐに修理店に行くはずですよ。」
「…そうなんですか?」
「自分はこの近くの何処かだと思うんですが。」
「そうですか、すみません、ちょっと探してみます。ありがとうございました。」
「もし警察に行くんなら、何でも証言しますから、言って下さい。」
「あ、じゃ、お名前を伺ってよろしいですか?」
「いや、それは…(あら?それはマズイの?…笑…)でもここはいつでも人がいますし、あの事故はこいつらみんな目撃してますんで…。な!。」
すると若い衆も。
「はい!」
歯切れがいい口調で、私の質問に律儀に応えてくれるナイスなアンちゃんに、私はすっかり気を良くした。
しかし外に出て、ガードレールがへこみ、砕けたオレンジ色のリアランプが辺りに散乱しているのを見ると、やっぱり腹の虫が治まらない。
なんとか探し出してやろうとその後、当てもなく近くをうろうろ走らせてみたが、見つかるはずもなく(^^;子供とせっかく遠出のお買い物に来たっていうのに、こんな事で時間を費やしてはますますむかつく!
私は結局、一時間ほどロスをして諦めた。
それにしても、あの時のガテンなイケメンアンちゃんはとても爽やかだった。
やはり私の目にかなったイケメンは中身もイケメンである。(爆)
しかし、こんな事でもなければ、いきなり新聞配達店に飛び込むなんて事なかったろうな~。あと数十センチずれていたらと思うと、さずがに笑ってはいられないが、不幸中の幸い。今にして思えばちょっと面白い体験だった。
それで車はどうしたかと言えば…幸いへこんでもなく、下地が見えるほど禿げているワケでもなく目立たないので、そのままにしてある。
過去1回私が擦ってしまった時には、もの凄い剣幕で怒ってすぐに直した車好きなダンナも、私の怒りに同情して今回は何にも言わなかった。(笑)
私は坂道の途中で信号待ちをしていた。
すると、いきなりのろのろとこっちにバックしてくる車が私の視界に入ってきた。おそらく前方の路肩に停まっていたと思われるが、信号が赤だからこのスキに車列にでも戻るのか?と思ったが、車体はあっちふらふらこっちふらふら、どうも様子がおかしい。
私の車は信号前で先頭。うしろには2台の車が並んでいる。
おいおい!私の車がいるのに見えないのか?私は思いっきりクラクションを鳴らした。
しかしその車は斜45度ぐらいの向きでどんどん加速しながらバックしてくる。このままでは私の車の右角に接触しそうだ。
初心者でも乗っているのかと思い、よく目を凝らして運転席を見ると、なんと誰もいない!(爆)
私はパニックに陥った。
なんで?どうして?誰もいないのに車が動いてるの?(^^;
一瞬、Xファイルな妄想が頭の中を駆け巡る。(笑)
しかし、よくよく考えて見るとここは坂道である。サイドブレーキがかかってなかったりすれば、当然落ちてくる事もあるわけで…。ハッ!と気づいた時にはすでに遅く、私もバックしようと後ろを見たが、車が私に続いて信号待ちをしているので動けない!
ままよ!と思った瞬間、その車は私の車のフロントの角をゴゴッ!と音を立てて擦り、運転席側を斜に通り過ぎた。
げげげげ!擦られた!と怒りと困惑で私は更にパニック。
でももっと面喰らったのは、その車を追いかけてサラリーマン風のおっさんが「すいませーーん!」と続いて走って来るのを見た時だ。(爆)
私はすかさず窓を開けて走り去るおっさんに怒鳴った。
「擦りましたよーーーーーッ!!!ちょっと来て下さーーーーい!」
その車は対向車線をバックでななめに縦断。(爆)どんどん加速を付けて、しまいにはガードレールに勢い良くお尻から突っ込んだ!
なんと危ない!擦られたのはもとより、もし渋滞でもしていて、車が繋がっている時だったりしたら大惨事だ。がぜん!私はむらむらといらぬ正義感が湧いて来た。(笑)
信号が青になったと同時に、私はとりあえず車を路肩に寄せると、車の傷を見ようと外に出た。おっさんの車はといえば、坂下はるか後方で、もの凄い事になっている。もちろんおっさんも車の周りでうろうろ困った様子。幸いそこは上下2車線ずつの道路だったので、後から来た車は何も知らずに事故現場を避けて通り過ぎて行く。
すると私が停めた路肩際の家の住人と思われるおばちゃんが、何ごとかと外に出て来た。
そして開口一番私に、
「ここはうちの車が出入りするから止めないで!」
と言ってきた。
え!?だって私は被害者よ。そう心で言ってみたが、どうやら状況が飲み込めていないらしく、おばちゃんの怒りの鉾先は私に向けられている。しかもおばちゃんちの車を今すぐ出すわけでもなさそうだ。
「今、車にぶつけられたんです!」
私もなんとか抗議してみたが、やっぱりおばちゃんは『そんなの知ったこっちゃない』(^^;といった様子で私を睨み付けている。
私は仕方なく一旦引き下がり、バックミラーでおっちゃんの車がまだいるのを確認してから、10メートルほど車を移動させた。
しかし!ななななんと!おっちゃんの車は、まるでこの時を狙っていたかのようにゆるゆると発進すると、私が外に出たと同時にちょうど前方の右折路地に消えて行った。
がーーーーーーーーーーーん!!目の前で逃げられた?!まさか!
唖然とする私に今度は後ろに乗っていた息子が
「ママ~…僕おしっこ。」
つづいて娘も
「まま~○○ちゃんも…。」
ひぃぃぃぃぃぃ~~!!こんな時に!
おっちゃんへの怒りにわなわなと震えながら(笑)も、私はなんとか車をUターンさせて、事故現場近くの店まで戻り、ダンナに電話しながら子供達をトイレに行かせた。
ダンナによればとりあえず警察に電話した方がいい。との事。でもナンバーは控えていない。不安に思いながらも電話してみた。
「何所ですか?ナンバーは?人身事故ですか?」
と警察。
「いいえ!ナンバーは控えられなかったんです。でも擦られて逃げられしまって。しかも対向車線をバックしてガードレールに突っ込んだんです!!非常に危ない事故だと思うんですが!!!?」
「お名前は?」
「はい、○○です。」
「はい、ご通報ありがとうございました。(プツ。ツーツーツー)」
「……。」
…え、えぇぇぇぇぇ~~っ?!!!??それだけかいッ?!(爆)
またもや唖然とした。
これってどーなの?ふつふつと沸き起こる怒りと同時に脱力感に襲われる。
しかし、私は気を取りなおした。
そうだ!目撃者がいるはずだ。そう言えば事故現場脇から5メートル先ぐらいのところにある新聞配達店から何人か野次馬が出て来ていた事を思い出した私は、探偵よろしくその新聞配達店に飛び込んだ。
おりしも夕刊を仕分けしている最中の店内。
「すみません。ちょっとお聞きしたいんですが、さっきここでガードレールに突っ込んだ車ありましたよね?」
近くにいるアンちゃんに聞いてみた。
「ええ、見ました。」
背は180センチぐらい、白いTシャツにGパン、頭にバンダナを巻くようにして白いタオルをかぶった若いアンチャンが、くるりとこちらを振り向いた。
(あらら?イケメンじゃん?^^;)こんな時に私って…(爆)でも雰囲気は竹内豊(ちょっとだけネ^^)をもっとワイルドにしたような好青年だ。
「実はあの車に擦られてしまって、どなたかナンバー見た方いらっしゃいますか?」
「え?!どの車もぶつかってなかったと思ったんで、自分はみなかったんですけど。」
(出た~~!!「自分」だ!)
「わずかなんですけど、角に当ったんです。」
「そうなんですか。あの人行っちゃいましたよね。…おい!誰か見たか?」
アンちゃんは他の若い衆に聞く。
「いや、自分も見てないっす。」
「そうですか…。」途方に暮れる私。
「悪質ですね。」
「えぇ~。」
「でもあの車、後ろへこんでパンクしてましたから、多分遠くには行けないと思います。ああいうのはすぐに修理店に行くはずですよ。」
「…そうなんですか?」
「自分はこの近くの何処かだと思うんですが。」
「そうですか、すみません、ちょっと探してみます。ありがとうございました。」
「もし警察に行くんなら、何でも証言しますから、言って下さい。」
「あ、じゃ、お名前を伺ってよろしいですか?」
「いや、それは…(あら?それはマズイの?…笑…)でもここはいつでも人がいますし、あの事故はこいつらみんな目撃してますんで…。な!。」
すると若い衆も。
「はい!」
歯切れがいい口調で、私の質問に律儀に応えてくれるナイスなアンちゃんに、私はすっかり気を良くした。
しかし外に出て、ガードレールがへこみ、砕けたオレンジ色のリアランプが辺りに散乱しているのを見ると、やっぱり腹の虫が治まらない。
なんとか探し出してやろうとその後、当てもなく近くをうろうろ走らせてみたが、見つかるはずもなく(^^;子供とせっかく遠出のお買い物に来たっていうのに、こんな事で時間を費やしてはますますむかつく!
私は結局、一時間ほどロスをして諦めた。
それにしても、あの時のガテンなイケメンアンちゃんはとても爽やかだった。
やはり私の目にかなったイケメンは中身もイケメンである。(爆)
しかし、こんな事でもなければ、いきなり新聞配達店に飛び込むなんて事なかったろうな~。あと数十センチずれていたらと思うと、さずがに笑ってはいられないが、不幸中の幸い。今にして思えばちょっと面白い体験だった。
それで車はどうしたかと言えば…幸いへこんでもなく、下地が見えるほど禿げているワケでもなく目立たないので、そのままにしてある。
過去1回私が擦ってしまった時には、もの凄い剣幕で怒ってすぐに直した車好きなダンナも、私の怒りに同情して今回は何にも言わなかった。(笑)