くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

特養落ちた

2020-03-05 22:32:00 | お母さん
『保育園落ちた、日本死ね』だったっけ?何年か前に国会でも取り沙汰されたブログのフレーズ。あれから保育園の待機児童は減ったのかな?

わたしも25年前にミルキーを生んだ後、どうやって復職しようかと焦った。とりあえず近所の無認可保育園に生後5ヶ月から預けて、市立保育園に落ちたら3歳までなら無認可保育園で引き続きみてくれると言ってもらえて安心。でも、無認可は高くて。0歳児を預けたら月に7万かかった。時短を利用していたので、ボーナスがなければ月々の稼ぎはほぼほぼ保育園代。今考えたらよく続けたと思う。結局は自宅からちょっと離れた保育園で申請をしたら通ってホッとしたんだっけ。それでも1歳児クラスは5万円前後払ってたなあ。だんだん安くなったけれど。

25年が経ちミルキーは大人になり保育園は遠い過去となったが、今度は親の老人ホームで悩むこととなった。

先日申請した特別養護老人ホーム(略して特養)から昨日お知らせが届いた。今のところ、27番目に順番が回ってきますということ。100人待ちの施設も多い中、まあまあかなと思った。

4月オープン、120人収容できる新設施設。特養は終の住処となる。

先に入所する120人の人達のうち、27人が病気になって3ヶ月以上の入院するか、気に入らないと言って出ていくか、もしくは棺桶に入ってくれるかしたら順番が回ってくる。

そしてお母さんより前の26人が他に回ってくれたり、棺桶行きになったら繰り上がる。

なんとも、切ない。さて、うちはどうするか?他に回るか、居させてもらえるだけ今の老健にいるか。ケアマネさんと相談だ。



※ちなみに、特養は併願OK。待ちの人数には併願も含まれるため、施設によっては見かけの人数と実際の人数が違うことは往々にしてあるとのこと。



焼き芋で釣る

2020-02-26 17:41:00 | お母さん

パソコン譲渡会の後。実家へ帰りAくんとお昼ごはん。パソコンの購入に付き合ったお礼でお昼をご馳走してくれるということだったけれど、食べに行くのも面倒くさくて特上寿司を買ってもらった。Aくんは天丼に特大焼売、揚げ物にひき肉!さすが、40代ガテン系。
時間があったのでちょっとだけ仕事を手伝ってやろうと新しいパソコンの電源を入れていると。

「くるりちゃん、ちょっと寝てきていい?」

姉に仕事をさせて満腹の自分は寝ようとしていた。口しか出さない姉と違ってAくんは休みなく働いてお母さんに掛かる費用をほとんど出してくれてるからね。仕方ありませんな。

4時を過ぎた頃、美容院帰りのミルキーから駅に着いたと連絡が入り、爆睡でスッキリのAくんと迎えに行き、そのままお母さんのいる老健施設へ向かった。

実は、ミルキーはお母さんに会うのは3ヶ月ぶり。Aくんはお正月以来。二人ともちょっと久しぶりなのだ。

施設に着くと全体的になんとなく静か。お母さんと一緒のお部屋の人は全員食堂のテーブルには不在。夕方寝の最中だった。カーテンを少し開けて見ると、起きてるんだか寝ているんだか。おでこに手をやり動かない。
  
この間来たときは気をつけの姿勢で、顎を上げて口を開けて寝ていて、ミイラみたいでなんだか可笑しくなった。

ミルキーが「ばあばー!」と声を掛けると、「おう!なんだ、今日はどうした?」と驚くこともなく、すくっと起きた。

ミルキーの他にAくんとわたしがいるのを見ると「なんだ、どうした、みんな揃って」と言いながら特には動かない。
    
「ばあばに会いにきたんだよー」とミルキーが言っても「そうか」と言ってやはり動かない。

「お母さん、焼き芋買ってきたよ」と言うと、ニヤリと笑いさっさと靴を履き立ち上がった。食べ物の威力はすごい。

シルバーカーを押してはいるが、姿勢は良いし足取りはしっかりしているし、とても要介護3には見えない。これじゃあ特別養護老人ホーム入所は難しいなぁと思いつつ談話スペースへ。

お母さんはミルキーに会えて嬉しいようだ。質問2つ無限ループ。

質問1
「ミルキー学校は行ってるか?」
「もう病院でお勤めだよ」
「薬剤師になれたのか?」
「なれたー!」
「そうか、頑張ったな」

質問2
「ミルキー、いくつになった」
「24だよ」
「そうか、大きくなって美人になったな」
「へへ」
「彼氏はいるのか?」
「いるよ」
「何人いるんだ?」
「1人だよ」

これをそれぞれ7回は繰り返した。

そのうち、わたしに向けて耳打ち無限ループ。

「ミルキーは美人に育ったな」
「お陰さまでー」
「そこら辺で会ってもわからないな」
「わたしもこの間病院で会ってわからなかったよ」
「彼氏はいるのか?どんな子だ?くるりは会ったのか?」
「写真は見せてくれるけど、会ってはいないよ。真面目な子っぽい」
「もう嫁に行っちゃうな」
「3年はきちんと勤めないと1人前にならないからだめだよ。」
「なんで?」
「仕事もできないのに結婚したら、大変なのはミルキーでしょ。共働きでも家事だなんだは結局女が損するし。そこに子育てまで追加になったらてんてこ舞いだよ。だから、まずは仕事の土台を作ってからの方がいいんだよ」
「左様か。ミルキー、左様だって」

親の勝手な持論。ミルキーが結婚したいと、言い出したら反対はできないだろうなぁ。

兎にも角にも、お母さんはすこぶる元気そうだ。

焼き芋を食べ終わり、みかんに取り掛かるお母さん。

お雛様とお母さん。3月のイエーイ(遺影)!
ミルキーが座ってしまったシルバーカーを押すお母さん。二人とも嬉しそう。






まだ生きられますか?

2020-02-07 15:16:00 | お母さん
お母さんを施設へ迎えに行き、診察券、先生へのお手紙、病院医事課へのお手紙を預かる。

お母さんは介護老人保健施設にいる。介護老人保健施設というのは病状が安定した人が、機能維持・改善のためのリハビリを中心とした介護を受け、在宅復帰を目指すところ。

病院と老人ホームの中間のような施設。施設長は医師だ。要介護1~5の方が対象。

なので、施設で受診できない病気や怪我は施設外の病院で診てもらう。お母さんの場合は整形外科と眼科は施設外へ通院。今日は昨夏に圧迫骨折した骨の経過観察だ。

受診の前にレントゲン撮影。金具のついた下着や服を着ていると検査着に着替えないといけないが、お母さんはもうブラジャーもしないし、肌着にカットソー。ズボンもゴム。なので、コルセットを外せばそのまま撮影してもらえる。

先生が「どう?調子。痛い?」

お母さん「痛いと言えば痛いし、痛くないといえば痛くないですね」(他に言い方ないかしらね)

先生「そんなに痛くないってこと?」

お母さん「・・・」(無視かい!)

レントゲンを見ながら。
先生「いいね、骨固まってるよ、ここ見て。他の骨とは違って潰れちゃってるけど、このまま固まってるからそんなには痛くないと思うよ

お母さん「まだ生きられますか?」

先生「ええ?もちろんだよ、骨じゃ死なないよー(笑)あー、でも背骨が全部折れたら背中がすごく短くなっちゃうから、そしたら死ぬかもね」

お母さん「・・・」(お母さん、返事して!)

先生「だいぶいいから、次は3ヶ月後でいいかなー。」

クラークの女性「5月8日です」

先生「でね、僕もういなくなっちゃうから、次の先生にちゃんと申し送りしておくからね」

お母さん「先生、どちらにいらっしゃるんですか?」

先生「僕?川越の病院」

お母さん「川越?川越のどこですか。」(食いついた!)

先生「赤心堂ってとこ」

お母さん「川越街道のそばですね」(先生、ごめんなさい、話長くなるかも)

先生「えー?そう?」

お母さん「そうですよ、駅を降りたら右行って右ですよ」

先生「右行って右・・・ああ、確かに!詳しいね」

お母さん「昔その辺りで勤めていたんで」

先生「そうなんだ、どんなお仕事?」

お母さん「・・・」(お母さん!)

わたし「保険の外交ですー」

先生「あは、そうなんだねえ」

食いついたかと思うと、興味が失せるのかガン無視。これは何なんだ?認知症のなせる技なんだろうか?

2019年の65歳以上の人口は全体の28.4%だそうだ。そして、令和元年6月の厚生労働省老健局の資料では2012年度の高齢者人口に対して15%が認知症患者だったものが、2025年度には高齢者人口の20%が認知症を発症すると推計している。5人に1人だ。わたしが65歳になる2031年度にはさらに増えていることだろう。

これからは整形外科の先生でも認知症患者の相手、うまくできないといけなくなるね。

最近のお母さんはとても明るい。自宅にいるときよりも良い顔をしている。老健施設でもよくしてもらっているのだろう。

病院から施設に帰る時に自宅マンションの前を通ったけれど、帰りたい、家に入りたいとは言わなかった。「今は誰が住んでいるんだ?Aくん(わたしの弟、お母さんの三男)か?」とだけ。ちょっと複雑な気持ちになったけれど、きっとこれでいいのだ。
 

先日デンバーに住むお母さんのお姉さん、わたしの伯母ちゃんが送ってくれたダウンベスト。サイズも合っているし、色もよく似合っている。

次回の診察は5月8日の金曜日だ。N村先生、お世話になりました。あちらの病院でも益々のご活躍、お祈り申し上げます。


  







特養面談

2020-01-29 07:53:00 | お母さん
金曜日の午後2時にお母さんが入居している老健施設へ、先日入居申請をした特別養護老人ホームの職員が2人やってきた。

その特別養護老人ホームは春に新規オープンする従来型(ユニット型ではなく多床室)の施設。わたしの家からは今の老健施設より近くなるし、最寄り駅から徒歩で行けるので運転しないわたしにとっては通いが楽になる。老健施設にはいつまでもいられないし、なんとか入れてもらいたいのだけれども。

職員2人のうち、1人Sさんはなんとお母さんが通っていたデイサービスの職員だった。お母さんのことも送り出しをしていた弟のこともよく知っていた。
前に勤めていた施設では給与面で折り合いが付かず、この施設の開設準備室に転職したらしい。

もう1人Hさんは先日申込みに行った時に説明をしてくれた課長と同席してメモを取っていた人だ。

Sさんがお母さんに「スミコさん、僕のこと覚えてますー?」と聞くと、「そんないい男、忘れるわけはないでしょ(笑)」と合わせていたが、もちろん覚えてはいない。これも取り繕い症候群。

Sさんがわたしと弟に入居施設の説明。Hさんはお母さんと話をしながらその様子を確認していたようだ。途中、席を外して老健施設の職員にも話を聞きに行っていた。

わたしと弟は入居説明会に行って聞いているし、わたしは申請書を開設準備室まで提出しに行きその場でまた聞いている。これで3回目。新しい情報はないし、聞いていて眠くなった。

これはお母さんと面談という名目の、わたしの申請書に偽りがないかの確認らしい。偽りというと言葉がキツイけれど、家族というのは大袈裟に記載するからというスタンスのようだ。

わたしは嘘は書いていないし、大袈裟にも書いていない。

それにしても。120床に対して既に60人は決まっているとのこと。そういう人たちは介護度5の人たち。

入居の判定には介護度やこれまでの施設利用歴、利用頻度、市内在住か否か、独居か家族同居か、いろいろな物を点数化しているそうで、介護度5はほぼ満点。間違いなく入居できる。

うちのお母さんの場合は、介護度3にしてもらったけれど、だいぶ腰が良くなってきているから大目に見ても介護度2が妥当。今回はちょっと難しそうだなぁ。

薬の管理ができないし、歩行器を使えば歩けるけれども、でも誰かに見ていてほしいんだよなぁ。長期的な有料老人ホームへの入居は金銭的に難しい。どうしたもんだか。

Sさんは、スミコさんはよく知っているし、明るくて楽しいから是非入居していただきたいから頑張りますと言ってくれたけれど、リップサービス、期待薄。だいたいが知り合い優先にされちゃ困るし、そうは問屋が卸さない。また考えなくちゃ。頑張るぞー!

お母さんの好きな笹団子。駅構内の新潟物産展で見つけた。



お母さんと先生。整形外科にて(1月10日金曜日)

2020-01-22 18:01:43 | お母さん
先生「お?顔色いいねー、調子どう?」

お母さん「お陰様でー」

先生「みんな退院するといい顔になるんだよなぁ、入院中はみんな死にそうな顔してるんだもん」

お母さん「あら、そうですか?」

先生「うん、スミコさんももう102歳くらいの顔してたよ」

(・・・102歳に失礼じゃないか?)

お母さん「ほう、今は何歳に見えますか?」

先生「うーん、62歳!」

(・・・先生。それじゃ、わたしと10歳も変わらないじゃないか!)

++++++++++++++++++++++++^_^+++

背骨のレントゲンと骨密度の検査資料を見ながら。。。

先生「折れた骨はだいぶ固まってきてるね、骨粗鬆症の方は背骨は普通の人とほぼ変わらずで97%あるんだけど。大腿骨の方がなー、普通の人に比べて53%、弱いな。転んだらアウトだな」

お母さん「53%もあったら十分じゃないですか?」

先生「それは見立てが甘いなぁ」

お母さん「あたしはもう78ですから十分かと思いますけどね」

先生「ん?78歳?スミコさん微妙にサバ読むねぇ、なにそのサバの読み方(笑)」

(お母さんはお父さんが死んでから歳をとらなくなった。永遠の78歳だ)

お母さん「先生騙されるかと思って」

先生「オレは騙されないよー」

ここだけ切り取るとお母さんは切り返しの会話ができるお婆ちゃん。でも、これは取繕い症候群。認知症の症状の1つだそう。

++++++++++++++++++++++++^_^+++

先生「じゃあ、骨粗鬆症のお薬出すから週に1回飲んでね。お腹ペコペコのときに。飲んだら横になっちゃだめだよ、薬が食道に張り付くから」

お母さん「週に1回朝飲むんですね」

先生「そう、週に1回朝ね」

お母さん「それで、薬は週に1回ですか」

先生「スミコさん、さっき言ったよ。オレ、自分が呆けちゃったかと思って焦ったよー」

お母さん「・・・・


通院の度にここで写真を撮っているのだけれど、この日は歩行器を脇に置いての撮影。お母さん、ミーアキャットのようだ。


病院のあと、インフルエンザの予防接種代還付手続きで区役所そばの保健センターへ行く。薔薇は区の花だ。

区役所内。黒板にチョークで描かれたもの。たいしたもんだなぁと感心。

区役所内の市民食堂。初めて入ってみたけれど、安くて意外と美味しくてびっくり。お母さんはカレー350円、わたしは日替わりの肉じゃが定食400円、弟は肉じゃが定食大盛り450円、いずれもお味噌汁とお新香付き。



老健施設へ戻って、しばらくするとひょっとこ踊りが始まった。

お母さんも獅子に頭をパカッと噛んでもらった。神様が付きますように。