デンバーに住むおばちゃんが、転んで頭を打ったのが9月半ば。ICUに3週間ほどいたけれど、できることが何もなくなり今は日本でいう老健施設みたいなところに転院した。相変わらず目を覚まさない。
従兄のKirbyが転院先の候補を探し、夫のChuckが選んだ施設。「部屋に直通の電話があるよ、でもまだ意識がないから電話に出られないけどね」ってKirby65歳・・・知っている日本語は「おはようございます」「ありがとう」「うん○」だけ。
マスクをつければ一度に二人まで面会できると言う。日本に比べてとても緩やかだ。
うちのお母さんがいる特養なんて今月からようやく面会できるようになったけれど、ワクチン接種必須、2週間の体温記録提示だって。家族や友達に会えない入所者の人は多い。そもそも施設から出してもらえない。寝たきりでもないのに。近くに市立美術館と大きな公園があるのに、立地の良さを全く活かせない。
おばちゃんが眠ったままになってしまい、いずれChuckかKirbyが辛い判断を下すことになるのかな、などと良からぬことを考えたりしていたら、そんなに好きなわけでもないのに(わたしはお父さん子だったので)なぜだか急にお母さんに会いたくなり。弟が眼科へ連れ出す時にわたしもついて行った。今の職場は有休取得に寛大だ。ホイホイくれる。ありがとさんです。
半年ぶりに会ったお母さんは元気でご機嫌。わたしのこと、忘れてなくてホッとした。相変わらずのボケっぷり。
「くるり、おまえいくつになった?」
「55だよ」
「お母さんも年を取るわけだな、お母さんは78か?」
「84だよ」
「ええっ!?」
「ミルキー様は学校か?」
「お勤めしてるよ」
「そうか、もう薬剤師になったのか?」
「3年目だよ」
「そうか、彼氏はできたのか?」
「いるみたいよ」
「そうか。番茶も出花か!いいな・・・」
このルーティントークをかなりのセット数で繰り返し、眼科待合室の皆々様にわたしの年齢は知れ渡った。まあ、いいわ。お母さんはご機嫌だ。
厚労省からのお達しも出て、これからは少しは会いやすくなりそうだし、外出させてもらえるといいな。
いつもお母さんのお世話をしてくれている皆々様に感謝。お陰でわたしたち家族は安心して普段の生活を続けることができています。

母、娘。お母さんが着ているフリースは死んだお父さんが着ていたもの。やたらと気に入っている。
お母さんと仲良しのY子おばちゃん。煙草吸い放題、昭和感満載の実家近くの喫茶店で楽しい時間。煙草の煙で燻されてわたしは長居できないけれど、コーヒーは美味しい。次、お正月に会えるかな。