ミルキーが家を出て1年が過ぎた。最初はメソメソしていたけれど、早くお風呂に入りなさいよとか、さっさと寝なさいよとか、食べた食器くらい片付けなさいよ、というのがなくなって楽になった。



まあまあ結構な頻度で帰ってくるけれど、11時を過ぎて眠くなっているわたしは早く帰ってくれないかな、なんて思ったりして。
で、ひょんなことから28年前に断念していた和室とリビングの壁のぶち抜き工事を、和室の主がいなくなったことで敢行することになった。長年の懸念事項についに着手。
さて。壁をぶち抜くということは??壁がなくなるということだ。壁とは便利なもので、壁に沿って家具を置くことができますね。和室の奥の壁には電子ピアノ、手前側の壁には机と大きな本棚、その壁を挟んでこちら側にはテレビにトーマス・マックナイトのポスター、ぶらさがり健康器。
壁がなくなったら、それらはどこにどう置くのよ?ある程度、処分だわね。

とりあえず、大きな本棚を移動するために入っている物を全部出した。28年分のいろいろ。さあ、処分!でも、捨てられんのよ。本とか読んじゃったり、アルバム見ちゃったり。だから、片付かんのよ。

色使いに定評のあるエリック・カールの絵本はデンバーのおばちゃんのところへ遊びに行ったときに買ったもの。

茶色いくまさん、茶色いくまさん、何を見てるの?茶色いくまは赤い鳥を見て、赤い鳥は黄色のアヒルを見て・・・と続く。

小さいミルキーを膝に抱いて、この本で色を教えた。馬が青くて猫が紫っていうのはどうかと思いながら。

小さいミルキーを膝に抱いて、この本で色を教えた。馬が青くて猫が紫っていうのはどうかと思いながら。
こんな小さな絵本1冊で、おばちゃんと出掛けた書店のこと、ロッキー山脈に上る大きな月、庭で走るミルキー、どん兵衛を食べたがったお父さん、夜中まで話すお母さんとおばちゃん、あれこれ思い出しては手が止まり、わたしはサザエさんになる。