休眠しました。

mem-papaのきままな自分用メモ帳
13年目に突入
固いこと柔らかいことそのとき

幾重にもからくりが

2012-11-03 12:02:26 | Electric power supply
原子力規制委員会の拡散シミュレーションのニュース。
まず平均の風向きって意味あるのか?と思った。

所長の方が急いでやってしまい正確性が不足していた
ことを内心、後悔しているとか、正確性とは風向きの
入力のことだとか。そんな瑣末なことで成立するのな
らどうでもよい体裁的なものに思われた。  体裁的
に100点なものが欲しいのではなくて、そも科学的可
能性の情報は判る人にしか評価できないのだから、速
く出すこと、そして推定の条件が公表されていて、不
足していれば、また出す…のほうがまともでは。
報道機関は信頼を損なう事態が続いていると報じるが、
お騒がせしないためのよくよく巧妙に練った統計を出
して自治体が安心しても意味ないし、信頼を損なうは
何にかかっているのかよくわからない。

ちょっと検索するだけでいい解説のサイトがあった。
環境総合研究所の「地形考慮なき稚拙な原子力規制委
拡散シミュレーションの問題点

地形を考慮してない。やはり風向平均では意味がない。
自治体は地形まで入れてシミュレーションできるソフトを持っている
のですね。

それに下から97%というのは普通に思う全体のうち上
3%を取り除いたというイメージとは違うのだった。
巧妙なからくりと言われても仕方ない。

天秤

2012-03-21 19:41:55 | Electric power supply
つい最近、原子力発電所に極めて精度の高い放射能測定装置を
納めている方と話をした。地震から3日後の埼玉の某地点で
通常からはありえない測定結果が出たそうである。その感度
の高さのスゴさはよくわかった。溜まってしまったものは
ずっと放射線が出るという話も聞いたが、なんだか、準備をし
コントロールを注意深くすれば今後もできるんじゃないかと
思わせる気が少しだけした。
ちなみに注文は激減してるらしい。おっと・・いや、しかし
営業的成果レベルで相対化した判断はするまい(ーー

20年後にチェルノブイリ近辺のように心臓に穴の空いた子供
がたくさん生まれ、健常児が15~20%程度かもしれない。

いや、そうではないかもしれない。
時が経たないとわからない。
それに、そんな過去にもかかわらず
内部被爆の因果関係はずっと証明されてこなかったし
今もって、科学的測定には困難がつきまとう
やっぱり、20年後を見ないと今はOKとは判断できない
方に傾く。巨大地震もここ10年くらいは要注意らしいし
想定された範囲で冷却用電源が確保されているだけでは・・
具体的にどんなデバイスで発電するのかを想像して
みよう。広域の複数の原発で同時にそのデバイスが機能
しない事象を想像してみよう。な~んだ、怪しいこと
だらけ。。たとえば航空機が墜落するトラブルを想像
してみて、それとは時間的、空間的スケールがあまり
に違う。
こんな狭い国土で事故が置きたら逃げ切れない。

リンク

2012-02-29 21:09:11 | Electric power supply
本日はビールジョッキ2つに酎ハイ3杯、飲んでますが
これから8kmだけ回します。

kiyachiさんが「原発ジプシー(被爆下請け労働者の記録)」という本を紹介されてました。
本の帯に「人命を危険にさらさなければ維持できない「先端技術」。これ以上「野蛮な技術」
があるだろうか」だとか。
人名を危険にさらすというのも程度の差とか、詭弁はいろいろ思いつくのでしょうけど
サンデル教授のように、それをカネで処理することの倫理的問題とか…まっすぐ問う人
が私は好きです。

黙考

2012-01-07 21:21:42 | Electric power supply
今日は2Fの屋根とカーポート屋根の除雪でした。カーポートは力任せに除雪するとかなり左右方向に揺れますので、そっとやりました。そしてローラー台の前に飲酒が始まったので、明日に回します…って、またかいワレ(^^;

ボヤ~と見てたらみけまゆみさんが珍しく(?)硬調なことを書かれてました。心や魂優先の時代にしなくては
よく賛同できます。この記事の最後に少し言及します。

で、上記の文中途中のリンクで「メルトダウンを防げなかった本当の理由
──福島第一原子力発電所事故の核心

を読みましたが、これは通して読むとおもしろいですよ。冒頭の
"東京電力が「津波に襲われた直後には、すでにメルトダウンを起こしていた」との「仮説」を唐突に発表したのである。もしこれが本当だとすれば、事故の原因は「地震と津波」に帰されることになる。その天災に耐えられない安全基準を定めたものに責任があったとしても、その忠実な履行者であれば東京電力が責任を問われることはないだろう。
 これは、東電にとって都合の良いシナリオである。マスメディアは、このことに気付き、その「仮説」の妥当性について厳しい検証を加えるであろうと期待した。ところが実際には、ほとんどメディアは東電シナリオをそのまま受け入れ、むしろ「仮説」を「事実」として一般の人達に認識させるという役割を果たしてしまった。"
ここだけでグイグイ興味が湧いて読みました。
興味ある方はオススメです。
最後のほうにある日比野氏によると前置きのある
"そもそも事故後に保安院が東電などにつくらせた安全対策マニュアルによれば、今でも「隔離時冷却系が止まってからベント開放をし、海水注入をする」というシナリオになっている。これこそ事故に帰結した福島第一原発の措置と、まったく同じ手順であり、何の対策にもなっていない。この期に及んでも廃炉回避を優先しているのである。これでは、ふたたびまったく同じ暴走事故がどこかの原発で起きる。この国の原子力経営システムの闇は深い。"

  は重要な指摘だと思います。

” この原発事故が日本の喉元につきつけたもの。それは、「ブレークスルーしない限り、もはや日本の産業システムは世界に通用しない」という警告ではなかっただろうか。電力産業に限ったことではない。農業にしてもバイオ産業にしても、分野ごとに閉鎖的な村をつくって情報を統制し、規制を固定化して上下関係のネットワークを築きあげる。その上下関係のネットワークが人々を窒息させる。イノベーションを求め、村を越境して分野を越えた水平関係のネットワークをつくろうとする者は、もう村に戻れない。それが日本の病だ。
 しかし、世界はもう、…(中略)…日本はブレークスルーの機会を与えられた"

  と結んでいます。結論が日本の産業システム云々、広く一般化されていることについては補足したい気分に駆られます。NHKが伊方原発訴訟を取り扱った番組の中で、面白いことに第一審の判決理由が国の意向を上手に表現していて、曰く「原子力政策は高度に政治的な判断を含むため、住民に関係するものであっても、その裁量行為は国側のものである」。ローカルなある地域の住民の命を深刻に取り上げるより、重要な政策というものがあるのだということです。
保安員の方の証言もありましたが当時は、技術をよくわからない人にいたずらに危険な側面を語ると大騒ぎになるからやめようというムラの暗黙の掟があったという。
メルトダウンの危険性が取るに足らないことの証言には、米国の論文を提出していたようですが、言ってしまえば冷却のポンプを起動させようとしたのに、それが起動しないことが発生する確率のようなことを計算して、10の7乗分の1以下だから、取るに足らないという説明になっていた。
そーいう当時の記録なり証言なりをいろいろ知っていくと、これは政府がどうとか原子力保安院がどうとか、個別なことではなく、敗戦から高度経済成長を目指す日本というのは、全体的にこうだったし、一組織の責任云々という問題より広く一般的に、こうなるだろうな、という話として理解できた。
住民の命の問題と、経済成長のための大事なエネルギーの問題と、どう秤にかけるかというのは、これまでは国民に政治が問う社会でもなかったし、もっと言えばお金と人の命の関係については、未だ問われることもないですがそんなに自明ですか?、誰かまかせでいいのですか?というところを、先出のみけまゆみさんは語ってるわけです。

なんと言ったらいいでしょう~一人一人の意識での詰めが最初に足りない、で同時に集団的な問題でもありますし…簡単に切り結べる言葉がありません。自分でも考えることがまだまだ不足しているなと思う。
  

コスト算出

2011-10-27 21:00:20 | Electric power supply
少し遅い記事ですが原子力発電コストを算出した数字が報道されてた。
私は、こーいう類いの立場なので、
端からまともな数字が出る訳ないと思う訳ですが
恩恵こうむっている人とか認知的期待のある人でもないかぎり
胡散臭いのは多くが気づくことじゃないかな。。

スピーディー

2011-10-02 07:46:00 | Electric power supply
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)以下 は、枝野さんが3/17に非公開を指示したという記事もあるし、TVでの枝野さんご本人の説明では、自分を含め政府関係者はそのシステムの存在すら知らず、環境庁(たぶん)の人間に確認したところ「は原発でいつ、どれだけの放射性物質が放出されたのかを特定できないとシミュレーションできないので、ご報告していない」との返答を受け、「ならば、どのポイントでいつの時点でこれだけの線量があったというデータはあるのだから、そこから逆算しての推測はできるだろうから、やれ」と指示したのだとか。

仮に枝野さんご本人の弁が正しいとして、についてお役人さんが報告しない理由って、アリなのかと思う。ホントにそう思って報告しないほど無能ならそのポストに不要だし、意図あって伏せているのなら勝手なフィルタリングに過ぎる。答弁本人は隠蔽していないことに力点あったのかもしれないが、北電の泊原発3号機でも資源エネルギー庁からの指示あってのやらせだったらしいし、官庁/保安院/電力会社/お抱え学者/どこをどう切っても同じように大事な知見や前提を隠蔽してコトを進めているのがやっぱりおかしい。

原子力エネルギーコストの会計的算出方法にしても、時間的またはリスク的スケール、、また事故発生した場合の賠償コストと、そうしたことは経済合理的な議論でカットしてるから安いだけとちょっと前にネタにしてましたが、ホーキングが宇宙のことを考えるときに「議論の経済合理性」を言うのと、原子力の話はまるで違うのに、それがあたかも同じように(まるでそこまで考えるのがバカみたいに)経済合理性を持ち出すのが、不誠実だし詐欺まがいだと思う。

「世界最高水準の安全性を確保する」とは具体的にどのようなことか? 想像がついてしまう。他国でやっている基準を眺め回して、一番厳しい基準を採用すること、また1000年に1度の今回の地震規模について福島同様に、同じくらいの震源からの距離での地震の発生、津波の発生への対処。いずれもコスト的に無理な対策はできないので、現実的に取れる範囲の対策を実施する…誰がどう実行しても、そんなことだ。次が起きてしまっても、これなら米国や仏国にも申し開きがつくし、国民にも政府としては最大限やったが想定外だったので、と説明ができるだろう。そんなこと


エネルギーコストについて

2011-09-19 22:31:06 | Electric power supply

報道ステーションで高村薫さんが出てたので原子力発電について何を語るのか興味深く聞いてましたが
・企業は「だけど」と言い、そのあとにこれだけ生活が困りますよということを並べるけれども、企業にとっての価値の前に個人としての価値を考えたい。個人の価値観が先に変わり、企業がそれを後追いする
・未来をどうするか覚悟・決断することなしに、希望が生まれることはない
(コチラ側に判断仰いでほしいものです)
・違和感は違和感としてずっと抱えていく。日常は人に合わせることでいいが大事なことについては流されてはいけない。
みたいなことを言ってました。

人間の理性を発動するならば、狭い地震国でこれは無理だと結論づけるしかないはずとも語っていた。
私が学生のとき、ゼミでは卒論で原子力会計について助教授の指導があり、同じゼミ生の一人が取り組んでいたから詳細をなんとなく今でも憶えているけれど、半減期の長い核廃棄物についてまともに考えたら、エネルギーコストが他のどんなものより高く付くのは会計的に説明がついていた。
それが、コストが安いとレトリックされるには、いろいろと起こりうるリスクのことを「起こるはずのないこと。無駄な想定。」として切り捨てることで、レトリックが成立したと言える。証拠など持ち出さなくても、誰でもわかる話だ。そういえば、最近TVで見た内容で、海底深くに埋める核廃棄物が地殻変動で問題を起こす可能性とそこまで考えた場合の管理コストは?という質問に、当事者の技術者が、それはどこまでの時間スパンとリスクを想定するかということで答えの変わることと説明していたな。エネルギーコストの計算は、算出過程の恣意性を見ぬかないと、とんでもない。「自分が死んだら、関係のないこと」という時間スパンで考える老人の基準なら、なんでもありw

これからも原子力村のたくさんの人たちはレトリックを使いまくるのだろうな。忘れず記録しつづけること。つまり限定された範囲での説明がすべてであるかのように、見せかけることを繰りかえすのだから、詳細を記録して、意図的な隠蔽があることを暴くことが大事なのだろうと思う。


内部被曝 : 線量基準の不確かさ

2011-04-09 11:41:00 | Electric power supply

内部被爆に関するテキストを探していたらGoogleブックスが研究者のまとめをひっぱってくれました。
(ポテンシャルとか1つ用語があると欲しい内容に近づくもんすね)
全部掲載されてなくてもいいことあります(^^

佐渡敏彦/福島昭治/甲斐倫明 編著「放射線および環境化学物質による発ガン」

ざっと読んだところのメモ
(p.114)
内部被ばくの線量は、外部被ばく線量と異なって、線量推定には体内摂取量や体内動態など多くのパラメータが必要である。また、発がんのような健康影響に直接結びついている線量がどれなのか、すなわち線量の積分範囲をどこまでとればよいのかについては明確な基準はない。そのために、内部被ばくに伴う線量の不確かさは大きく、一般に、外部被ばくに比べると線量反応関係の不確かさが大きい。(中略)また、同じ線量であっても、内部被ばくの発がんリスクが外部被ばくである原爆関係者と比べても顕著な違いは観察されていない。例えば、放射性ヨウ素の内部被ばくであるチェルノブイリの甲状腺がんとガンマ線の外部被ばくが主たる被ばくである原爆被爆者と比べても顕著な違いは観察されていない。

(p.124)
低線量被ばくによる発がんが確率的影響であり、遅発性影響であることから容易に推察できるように、そのリスクを定量的に明らかにするための動物実験は厳密な実験動物管理の下に行わなければならず、多くの労力と長い時間を必要とする。(中略)内部被ばく動物実験の結果から求められた臓器・組織線量あたりの発がんリスク係数は実験により大きく異なり、その値は幅広い分布を示す。そこには多くの要因が関与していると考えられるが、本章「3.1序論」で述べた線量評価の複雑性が最大の原因であろうと考えられる。(中略)
ICRPは過去に組織の線量当量(H)の算出に、

 H=D x Q x N (D:吸収線量、Q:線質係数、N:その他の修正係数)

の式を用いることを提案し、Nについては適切な情報がないことから1を用いるとしたことがある。
現在はNを用いる考えはとられてないが、核種によってあるいは曝露の様態によってリスクが体外被ばくによるそれと大きく異なるようであれば、Nを復活させるのもひとつの考え方であろう。
その場合には、Nに科学的根拠を与えるための実験研究が重要となろう。


その前にラジカルって?放射線によるDNA障害って?という基本はここがわかりよいでした

等価線量と実効線量の違いはここ


低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録

2011-04-06 06:19:16 | Electric power supply

本屋でこんな本(amazonリンク)を見かけました
リンク先での内容紹介引用
 ↓
本書は、1950年以来の公式資料を使って、全米3000余の郡のうち、核施設に近い約1300郡に住む女性の乳がん死亡リスクが極めて高いことを立証して、レイチェル・カーソンの予見を裏付ける。

レイチェル・カーソンの予見とは「沈黙の春」(1962)で化学薬品の危険性と並んで、放射能の深刻な危険にも触れ、「人類全体を考えたときに、はるかに大切な財産は遺伝子であり、それによって、我々は過去と未来とつながっている。これがいまでは人工的に遺伝がゆがめられている。まさに、現代の脅威といっていい。私たちの文明をおびやかす最後にして最大の危険なのである。ここで化学薬品と放射能が肩をならべあう。放射能をあびた生物の細胞はさまざまな障害をうける。何年かたつうちに癌細胞にかわる。」を指している。

このような文脈は反原発立場と原発推進立場のどちらでの扱いでも過敏すぎたり軽視されすてたりですが、低線量は短期的に問題なくても長期的には遺伝子の異常の問題があることが統計的に認知されてきたのはつい最近のことと大前さんも言われてましたし、原因はまだよくわからないことなのでしょう。(現段階で科学的に因果関係が立証されていないイコール「因果関係がない」ではありません)

ヨウ素131が半減期いくつだとか小さい子ならこの程度まで見れば十分安全というラインが定められてはいますが、まだまだ動く可能性はあるなと…統計的な資料から判断している要素が強いでしょうから…そんなことを思います。