時空を超えてのパラレルワールドの
回で見て、ビッグバン理論の重要な
立役者の1人でもあるポール.J.ス
タインハート氏がどうしてビッグ
バン理論は不完全で美しくないと
語っているのか「始まりがなく
終わりのない」周期的宇宙論とは?
そこから読みたくなった。
まったく始まりがないのか?
2つのブレーン(膜)ワールドとは
パラレルワールドと同意味か?
など、そこに興味のある方は多いと
思うのだけど、1番面白いとこだと
思うのであえてそのへんの要約は
伏せますのでご了承を。
ビッグバン理論は20年くらいあるが
新しい観測事実や理論的疑問がでる
度に—
具体的にはダークマター、ダークエ
ネルギー、インフレーションエネル
ギーと新たに3つの材料を混合した
物になったが、
これらがどのように関係しているの
か、そもそも関係しているのかどう
か誰も説明ができてなく、
付け加えられた材料
たちはこれまでのモデルと整合する
よう厄介な微調整を必要とする。
対してサイクリックモデルは生みの
苦しみ時期を経て出るが、問題点が
指摘される度、よくよく検討すると
すでに答えがあり修正を加える必要
がないという不気味な経験
が度々あったという。(P.214)
インフレーション多宇宙でたまたま
観測者のいるここだけが生物が発生
でき、物理学も観測できるこの宇宙
でだけ成立する法則を知りえている
という人間原理の導入に至っている
のも、それでは物理学と形而上学で
なにがちがう?物理学の負けでは?
とも終章で述べている。
要約をまとめるつもりもないので
印象的なとこの2点あげると
パッチの1つ、共同研究者のニー
ル・トゥロック氏がエネルギー曲線
が恣意的で無理があると考えていた
(P.132)インフレーションエネル
ギーの奇妙。
爆発という不均一な密度をもたら
す現象からどうして宇宙背景放射
で観測されるインフレーション後
の平坦な宇宙をもたらせるのかで
導入される説明。。
(P.68〜)
10のマイナス30乗秒という瞬間
に空間の大きさが2倍になるのを
10万回繰り返すという話で
これは足のつま先を水素原子の
隙間だけあけていた2人の距離が
33回で1mになり、110回で銀河系
、120回で100億光年の距離、
それでもあと9万9千880回、2倍
になるそのエネルギーの甚大さ。
光でも追いつかない速度
で空間が拡大し、しかもこのエネ
ルギーはその瞬間の後、崩壊して
消えないと都合がわるくなるとい
う。
2点目は著者らの唱えるサイクリック
宇宙論がなぜ熱力学の 第2法則に
従いつつビッグバンとビッグクランチ
を繰り返しつづけられるのかの説明
箇所(〜P.218)
些末なことだけどインドの古代宇宙論
のサイクルとサイクリックモデルの
時間周期が一致するのも面白い。
ブラフマーの一昼夜が86億4千万年で
現代宇宙論の物質優勢の時期すなわち
銀河形成の時代とほぼ一致し、
ブラフマーの1年である3兆1100億年
はサイクリックモデルの1サイクルに
ほぼ一致するという。