昨日は、奈良のお寺と美術館を巡りました。
昼食に大好きな手打ち蕎麦を食べてから、まずは新薬師寺を訪ねました。
天平19年(西暦747年)に光明皇后が聖武天皇の病気平癒祈願の為に創建されたお寺です。
新薬師寺という名前は『新しい薬師寺』ではなく、『霊験新たかな薬師如来さまを祀ったお寺』
という意味で、西ノ京の薬師寺とは無関係なのです。
創建当初は七堂伽藍の建ち並ぶ大寺院だったそうですが今は素朴な感じの小さなお寺です。
しかし、このお寺には本堂をはじめ13もの国宝があります。
ご本尊の薬師如来は、大きく目を開いており、ちょっとふっくらしていて印象に残ります。
薬師如来坐像と如来様を取り囲むように安置されている塑像の十二神将は有名です。
私は、このお寺には3回も拝観していますが、何度観ても十二神将の迫力を感じます。
※動画を作成しました。
次は、初めて訪ねる般若寺です。
途中で東大寺の転害門も観る事ができました。
般若寺は東大寺の北側に位置し、境内は10種類約10万本のコスモスが咲き乱れ、コスモス寺
と云う名前で有名です。 もともと飛鳥時代に開かれたお寺ですが、奈良と京都を結ぶ要路にあった
為、幾度の戦乱に巻き込まれました。その都度繰り返し再建されるという歴史をたどります。
楼門の奥正面に立つ十三重石塔は、高さ約14.2m もあり、このお寺の象徴となっています。
石仏を彩って咲くコスモスや彼岸花などが美しく花の寺としても有名です。
昭和 39年に十三重石塔の大修理の際に発見された阿弥陀如来(秘仏)も公開されていました。
コスモスに囲まれたあどけない表情の石仏が多く心がなごみました。
※動画をアップしました。
最後は、松柏美術館で上村松園の《特別展》女性たちの物語
~松園のモデルとなった才女たち~ を観覧しました。
併設展示で、松園の息子と孫である、松篁と淳之の花鳥画作品も展示されていました。
「展示内容」
60年以上の画業において女性美を追究し、独自の美人画を描いた上村松園。
松園が好んで描いた題材に、物語や歴史上に伝わる才女たちの姿があります。
大和撫子の気概を貫き自害した遊女亀遊や、無実の罪を晴らし身の潔白を証明
した小野小町、源頼朝の面前で義経を想いながら舞を舞った静御前の毅然とした
姿は、男性社会の中で苦悩する松園に大きな力を与えました。
そして、それらから、「遊女亀遊」「草紙洗小町」「静」などの傑作を生み出しました。
また大正期には「娘深雪」「花がたみ」「焔」と、恋する女性の内面を追究するうち
狂気や怨念に満ちた凄艶な世界へと足を踏み入れ、スランプに陥りますが、「焔」
完成から4年の時を経て発表された「楊貴妃」は格調高い情趣に包まれ、スランプを
脱し新たな出発点となった作品です。・・・・と美術館の案内にありました。
松柏美術館は、常設展がなく毎回展示が違います。私は今回で3回目でしたが、今回も
貴重な下絵をたくさん観る事ができました。
私は、絵画も実物を観ないと感動しません。松園の絵は単なる美人画ではなく、女性の
感情を絵に込めている気迫を感じました。
「花がたみ」 大正4年 松伯美術館蔵
「焔(ほのお)」 大正7年 松伯美術館蔵
「楊貴妃」 大正11年 松伯美術館蔵
「男舞之図」 昭和13年頃 名都美術館蔵
※上村松園の美人画を集めて動画を作りました。
般若寺の周りを、優しいコスモスの花が囲むように咲いて、古都の風情を感じました。
奈良の地で、歴史を感じます。